”優しい嘘”をつくのはつくのあり?なし?
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
先日医療者の妻と話をしている時に、医療者の嘘について話が及びました。嘘をつくのはありかなしか・・・皆さんどう思いますか?
自分は医療上のことについては嘘ついたりはしませんが(治らないのに治ると言ったり、症状がシビアなのに安心させるために軽度ですよ、と言ったりってことです)、医療以外の話題において信頼関係をつくるためならちょっとだけ嘘をつくのは悪いことではないんじゃないかなと考えています。”優しい嘘”ってやつです。
・・・今でも覚えていますが在宅医療に飛び込んで数か月の時、とても心配症の患者さんがいました。若干認知症もある方です。訪問看護師さんがとても対応に苦慮されていて、看護だけでは不安感などとれないから是非先生にも診療に入って欲しい、ということで訪問させて頂くことになりました。
事前に訪問看護師さんから言われていたことは
「先生、この患者さん私たち訪問看護師にも聞いてきたんだけれど経験年数をすっごく重視しているんです。最初に入った看護師が1年って言ったら、その時点でそんなに経験浅いやつに看てもらうのは不安だって言って、その人入れなくなったんですよね。多分先生にも同じこと聞いてくると思うのでうまく対応してもらえますか?」
と。
ということでやっぱり自分にも聞いてくるかなぁと思いつつ初回訪問したところ、諸々話をする中で案の定
「先生って在宅医療の経験どのくらいあるの?」
と聞いてこられました。自分は自信をもって
「そうですね。病院と同じくらいの充分な経験は在宅でもしていますよ」ってちょっとだけ嘘をつきました。嘘は良くないかな、とは思いつつも、それで患者さんが安心するなら、と。結局その後患者さんは嬉しそうに色々話をしてくれ自分を受け入れてくれ、確か2年くらい体調変化するまで自宅で診療させてもらっていた気がします。
害のないちょっとした嘘もダメだと思いますか?自分は人間関係をうまく構築するなら、患者さんが少しだけ安心するなら、”優しい嘘”はありなんじゃないかなって思います。それとも真っ正直に全てに向かうべきでしょうか?皆さんのお考えはいかがでしょうか?
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