【2022年】札幌の在宅医療、在宅緩和ケアの現状についての雑感
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
昨年2021年の12月14日にこんなブログを書いていました。
【2021年】札幌の在宅医療、在宅緩和ケアの現状についての雑感
在宅医がかなり増加、今後は競争激化が待っている?
昨年は「在宅医が少しずつ増えてきましたね、今後は複数医師体制、多職種在籍チームを基にした在宅医療クリニックを作っていけるのかが勝負になりそうですね」と書きましたがやはりその方向性が鮮明になってきています。
コロナ禍で開業を控えていた先生やそれまで在宅クリニックで勤務していた先生も一人で開業するようになっています。また外来やりながら在宅にも関わるという先生もいますよね。結果として札幌市内の在宅医は(地区によりますが)かなり増えてきている印象です。複数医師体制に取り組む在宅クリニックも珍しくなくなり、2~5人程度の医師で強力した体制を作っているところそこそこ見るようになってきました。
おそらくこのトレンドは今後も変わらないでしょう。数年で札幌市内はすごい状況になるはずです。イノベーター理論で言うところのLate Majyorityが参加してきている段階かなと。
札幌で在宅医として生き残るためには・・・・何が特徴となるのか自分自身できちんと自己分析し、足りなければ武器(診療?開業場所?チーム?)をつくっていくしかない、そんな時代になりつつあるのが2022年です。
自分なら絶対今の状況では在宅専門では開業しないと思います!(^^)!そのくらいこれからの札幌の在宅医は充足し、溢れ、競争が激化していくハズです。2025~30年には病院も参入してくるでしょうしね。
札幌市民の方に置かれましては在宅医も玉石混淆の時代になってきますので(特に施設メインで在宅しているDrは・・・・)自分にあう先生を探す時代になってきたかなと思います。
だらだら書きましたがそんな感じが2022年現在の状況かなと思います。来年はどうなっているでしょうか??
第一世代の古き良き訪問看護ステーションが減少。第二世代の訪問看護ステーションがメインプレイヤーに。
2021年のブログでは新しいステーションがめちゃくちゃたくさん出てきていますよ、と書きましたがその流れがどんどん加速していますね。
結果として2000年代後半~2010年代後半までの10年ちょっとの間に活躍していた「在宅医療が好きだから、訪問看護が好きだから」と事業やっていた(自分が勝手に命名しましたが)第一世代の訪問看護ステーションが徐々に減少していっています。
現在は第二世代の訪問看護ステーションがメインプレイヤーとなっています。特徴としては、訪問看護が好き!というよりも、事業としての訪問看護、という捉え方で訪問看護をしているステーション、と考えていますよ。
何となく親身に、痒い所に手が届くようなケアをしてくれていた訪問看護ステーションが少なくなり、画一的な、どことなく病院の看護的な訪問看護ステーションが増えつつある現状に自分は少し違和感を感じています。
お金も大事ですが医療にはもっと大事なことがある・・・それを本当に第一に掲げる訪問看護ステーションが札幌市内で今後増えてくれることを願ってやみません。(もちろん当院もそれは大事にしたいと当たり前ですが考えていますよ。)
介護サービスの選択肢が狭くなりつつある。
コロナの影響、人的不足の影響、両者が強烈に営業に負担をかけ、事業を中止、もしくは縮小する介護事業所さんが増えています。
通所系サービス、訪問入浴、訪問介護士さん・・・どれも今までは”ケアマネさんが調整してくれて利用できることが当たり前”の世界でしたが、今後は限られた方しか利用できなくなるのかな、それほどに思うほど介護事業所を取り巻く状況は変化しつつあります。
来年以降札幌で社会問題化してもおかしくない、現場の肌感覚としてはそのくらい危機感を覚えています。
営利企業が運営するホスピス型住宅が増加
これは昨年も書きましたが変わりないトレンドですね。お金になると思った分野には営利企業は出てきます。それが今は”ホスピス”分野です。
まだ数年このトレンドは続くでしょう。
ただお金にならないと思ったら辞めるでしょうから、どうなっていくのか・・・基本的には医療や介護などの社会保障、福祉の分野で活動する医療機関や会社にとって大事なことは”事業の軸、方針がぶれないこと”だと思います。
低成長となっても、お金があまり儲からない事業となっても、継続して10年20年50年と続けていく・・・お金の入る分野に向かって事業をどんどん変えていく、という方針は医療機関ではダメではないかなと思いますが皆さんの考えはどうでしょうかね?
ダラダラ書きましたが上記の通りです。ホスピス型住宅は(質は千差万別ですが)現在も増えており今後も増えるでしょう。
夜間往診サービスが札幌でも利用可に
最後はこれですね。名前は挙げませんが数社の夜間往診サービスが利用可能となっています。
自分はこのサービス自体は保険診療を食い物にしているサービスでしかないと思っているので(患者さんは楽だから、医療側は楽に儲かるから)原則としては反対の立場ですが、コロナ禍という社会的状況もあり全体的には許容されていますし、それは今後も変わらないでしょう。
このサービスがどのような影響を与えていくのか注視はしていきたいと思っています。
そんな感じですかね。他にももう少しあるのですが今回はこのくらいにしておきたいと思います。皆さんのご意見はいかがでしょうか?よければ教えてくださいね。
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