「認知症は診ません」というのも「認知症しか診ません」というのも、かかりつけ医としてはちょっと・・・
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
最近介護保険主治医意見書の作成を求めて当院を受診する患者さんが散見されます。
どこにもかかっていないのかなぁと思って話を聞くと、ほぼほぼ全ての人が既にかかりつけ医と呼べる内科系の主治医(町医者でも病院でも)がいて10年単位で通院されているとのこと・・・・
「その先生に書いてもらった方がいいですよ。というかやっぱり他の先生がきちんと責任もって診療されていると思うので1度しか診療していない自分が書くべきものではありませんので」と自分からお伝えすると、大抵
「介護保険のことはよくわからないからケアマネに相談しろと言われて、ケアマネさんからここ紹介されたんです。」
とか
「内科の医師では認知症のことはわからないから書けませんと言われました」
とかってほとんどの方が言われています。
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認知症は高齢化のこの時代、どの診療科の医師にとっても必須の、対応しなければいけない疾患のはず。介護や生活状況だって確認しないと薬も1日3回服用できるのか、1回しか服用できないのか、はたまた週3回のデイの時しか服用できないのかとか細かな情報もわからないですよね。
高齢者の患者さんにとって「認知症は診ません」という医師をかかりつけ医とするのは、後で困るのは本当にご自身なので辞めたほうがいいかなと思います。あと「認知症しか診ません」という医師も外来→在宅医療へ移行した時にあまり力にはなってくれないかも知れないのでこちらもかかりつけ医としては選択しないほうが無難かなと思います。
いずれにせよ介護保険の意見書すらかけない医師を主治医、かかりつけ医とせざるを得ないのは患者さん本人の選択だろ!っていうのは少し暴論かなと思います。かかりつけ医の制度がきちんとできていないのでこんなミスマッチが生じてくるのです。
国はかかりつけ医制度を医師と患者の手上げ方式にするようですが、それではこの問題、全く解消されないでしょうね。ビジョンをもってかかりつけ医の制度下の議論を行っていってもらいたい、そう感じる外来の一コマでした。皆さんが通院されている医師は介護保険の意見書作成してくれたり介護保険の調整や導入の相談に乗ってくれますか?
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