公開日:2022年11月11日

資料提供:<看護における個別的配慮をめぐるジレンマ>

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

在宅領域の看護の資料をちょっと探しているうちに個人的におっ、と思った資料見つけましたのでご紹介します。

 

訪問看護の実践において個別的な配慮をした上でケアをするっていうのは一般的だとは思いますが、ところがどっこい言葉でいうのは簡単ですが実践となるとめちゃくちゃ難しいです!(^^)!

まずもって個々の患者さんとの関係で境界を持ちながらもあたかも境界をもたないかのよう親身にケアをしていると、本当に堺がなくなって家族みたいになってしまいます!(^^)!この線引きがまず難しい。

また実際のケアをする上で個別的配慮をしてあげたいと思っても、ステーションやクリニックからの看護では属している組織の制限も大なり小なり必ずあります・・・・などなど、個別的に対応していく上では色々な問題に対応が必要ですが、その個別的配慮を巡って何がジレンマなの?っていうのを研究した文章を見つけましたよ。

以下本当に興味ある人のみどうぞ!(普通の人は興味ないでしょうか?)

国立社会保障・人口問題研究所さんから

看護における個別的配慮をめぐるジレンマ

中身はちょっと12Pほどあるので全部載せませんが読んでみて下さい。以下自分がとても面白いと思った部分のみ抜粋。

(看護における個別的対応へのジレンマには①看護師-患者関係の境界をめぐるジレンマ②ケアリングに対する諸制約、などがあるよ~っていう文脈の中で)

1 看護師-患者関係の境界をめぐるジレンマ

まず,巻き込まれすぎた関係についてみてみる。Turner(1999)は,がん看護師を対象とした研究から,巻き込まれた関与と巻き込まれすぎた関与は,看護師の振る舞いそのものではなくむしろそのもたらす結果によってはっきりと区別されると主張している。巻き込まれた関与は治療的で有益であるが,巻き込まれすぎた関与は機能障害として悪影響をもたらす。看護師は巻き込まれすぎないように患者との関わり合いを作り上げる仕方を身につけなくてはならない。経験を積んだ看護師はしばしば自然に関わり合いのレベルを調節できるようになるが,これを学ぶことは看護師にとって困難でつらいプロセスである〔p.159〕。
Totka(1996)は小児病院で働く看護師へのインタビューから,小児看護ではしばしば子どもや家族との関わり合いについて適切なレベルを見出す
ことが難しいと論じている。研究参加者らはすべて,人と人との間の境界について自分自身で悩んだ経験があるか,または同僚が悩んでいるのをみ
たことがあった。小児看護では,看護師が子どもや家族の代弁者となったり,普通であれば家族や友人が担う役割を看護師が担うことがある〔p.192〕。正しいレベルのケアを見出すことは難しく,境界がどこにあるか,どのようにそれを探るかについて,看護師は混乱したり不安に感じたりすることがある。一線を越えてしまうことにより,ケアそのものが患者や家族,また看護師自身にとって破壊的なものとなる。このような場合,自分が一線を越えてしまったことがわかるのは後になって振り返ってみたときである〔p.194〕。このような経験は,実践の初期に起こりやすく,失敗の経験を通じて看護師たちは対処の仕方について多くのことを学ぶ〔p.193〕。しかし境界に関する問題は個人的なものであるため,それについて話すことは難しい。オープンなコミュニケーショ看護における個別的配慮をめぐるジレンマ 141ンと対話ができるようなケアリングの共同体をつくることが看護師のために必要である〔p.195〕

Ford and Turner(2001)も小児看護師のケアの経験を探求している。参加者たちは,特別な関係が子どもと家族のケアの重要な部分だとしていたが,それによって同時に「境界を越える」ことにもなった。ケアリングの関係は,家族のニーズ,子どもの病気や体調,入院の頻度,歴史の共有,看護師と家族の相性など多くのことがらに影響されていた。巻き込まれすぎた関与という言い方は通常否定的な意味で使われるが,看護師らはそれも含めて自分たちの経験を価値あるものと考えており,Fordらはこれについてさらなる検討が必要だとしている。

フムフム、小児病棟の看護師さんをとりあげていますが在宅看護、在宅緩和ケアの部分にも全く同じことが言えると思いませんか?訪問看護経験者なら誰しも納得できる内容ではないかと思います!(^^)!

 

まぁこんな感じで文章続いているので見てください。結論としてはこの文章でのまとめを本当に簡単に自分が要約すると、

個別的対応へのジレンマの対応として看護師個人での対応は難しいので人、物、業務の内容を吟味検討し組織風土を整備すること

が大事ですよ~、各々の組織でどれが有効かよくよく考えろよ!って言っていると思われましたが皆さんのお考えはいかがでしょうか?自分は在宅看護、訪問看護の現状を鑑みながら一人で少し考えてみたいと思います。

 

 

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