訪問看護ステーションの利用は1か所だけ?それとも複数個所の方がベター?
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
ある程度ALSなどの神経難病の患者さんやがん終末期の患者さんを多数診療していくと、複数個所の訪問看護ステーションを利用する場合がちょくちょくでてきます。
皆さんは利用する訪問看護ステーションは1か所だけの方がいいと思いますか?それとも複数個所のステーションを利用した方がベターだと思いますか?
自分なりの答えとしては
「一般的な患者さんやがん終末期の患者さんに関しては訪問看護ステーションの利用は1か所の方がいい。ただALSなどの神経難病の患者さんなどで毎日訪問看護が定期的に必要になりそうな場合は複数個所の訪問看護ステーションが入った方がいい」
ということになるかなと思いますよ。
思いつく限り複数個所の訪問看護ステーションが入るメリットとデメリットを以下に簡単に書いてみますね。
メリット
①アセスメントが違う看護が入ることにより質の高い看護が受けられる
②受けられるサービスの幅が広がる(看護だけでなくSTやPTさんなどのリハなど)
③どちらか一方の看護がダメになったとしてもある程度継続して同じレベルのケアを受けられる
デメリット
①事業所毎の対応が異なるので全く同じレベルのケアを提供することはちょっと難しい
②連携の手間がかなり煩雑化、ケアマネさんの調整なども考えると手間は単純に2倍ではなく3倍かかるようになる
③主となるステーションと夜間対応などの約束を決める必要がある
④支払い費用の問題(1医療機関毎の支払いなどもありますし・・)
いかがでしょうか?
がん終末期の患者さんに関しては、ケアが濃厚に必要になるのは2~4週の短期間であり時間的に限定されている、また変化するADLに合わせて提供するケアの質が何より重要ということもあり、基本的には自分は複数個所の訪問看護ステーションが介入することは好みません。そもそもそのくらいの短期間の状態変化も見ていけない訪問看護ステーションなら、最初から終末期の患者さんの訪問看護を受けてはいけないはずです。
いかがでしょうか?複数個所の訪問看護ステーションを利用する際、皆さんはどのような点に留意して導入していますか?よければご意見くださいね。
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