公開日:2020年11月20日

薬剤師さんへ~バイタルサインはあくまでアセスメントの一つの手段です~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

先日とある外来患者さんの投薬について、薬剤師さんからバイタルチェックに基づくフィジカルアセスメントをした上で相談の電話がかかってきました。言われることはもっともだったので相談の電話に二つ返事で調整OK、お願いしますとお伝えし終了しましたが、「そういえば薬剤師さんってフィジカルアセスメントもしてくれる人もいるんだなぁ」と電話が終わった後でようやく気が付きました。

 

外来診療や在宅医療の現場では、在宅医の視点と訪問看護師さんの患者さんをみる視点はもちろん異なります。医師は医療面のアセスメント寄り、看護師さんは生活アセスメント寄り、まぁおおまかに分類するとこんな感じです。(自分は医学面と生活面、半々みることをできるだけこころが)

翻って薬剤師さんの視点はやはり薬剤や物資面からみたアセスメントがメインですよね。この薬はどのような意図ででているのか、吸入できるのか、治療効果は、副作用チェックは、飲み合わせは、服薬管理は、費用面は、投与後に気をつけることは、などなど・・・

外来や在宅の現場で諸々の判断をするときに、薬剤師さんがフィジカルアセスメントをすることは非常に重要だと個人的には考えますし、これからの地域包括ケアの時代に薬剤師さんがバイタルサイン含めたフィジカルアセスメントなしに活動することはない時代になるなと思ってはいますが、一方で薬剤師さんまでもがフィジカルアセスメントに囚われてしまい、もっと広い視野からの患者さんとその取り巻く環境面でのアセスメントをしなくなってしまうのであれば非常にもったいないなと感じます。

 

特に在宅医療の現場で働きたいと思っている薬剤師さんへお伝えしたいのはバイタルチェック、フィジカルアセスメントに割く時間も重要ですが、それ以上にその人自身を診る時間、生活を診る時間、周囲の家族を診る時間を是非ともつくって、その人丸ごとに是非関わってあげて下さいね、と声を大にして言いたいですね。

せっかく臨床するなら絶対そのほうが面白いので是非ともお勧めしたい、自分はそう考えていますが皆さんのお考えはどうですか?

 

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