医師少数区域での勤務経験=将来の病院管理者の院長要件?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅緩和ケア医@今井です。

 

メディウォッチの記事で気になるものを見つけました。よければ一読してみてください。3分もあれば読み終わります。

医師少数区域等での6か月以上の勤務経験、将来の地域医療支援病院の院長要件に

 

記事中に書いてあることをまとめると、医師偏在対策の一環として「医師少数区域等で一定期間勤務した医師」を厚生労働大臣が認定し、その認定を「医師派遣機能などを持つ地域医療支援病院」等の管理者(院長)となるための要件とする、また場合により個人的なインセンティブを付与すると書いてあります。

個人的にはこの施策は意味がないだろうと思います。主たる理由は

①そもそも地域医療支援病院の管理者になれる、というメリットだけでは全く研修医にとってインセンティブにならないから

②地域枠医師がこれから増加するのと反比例して地域の人口減少、衰退が加速度的に進むはず、なので件の医師少数地域での医療提供体制で問題となるのは医師ではなくなるから(看護師や介護士などの職種となるはずです)

ですかね。特に①に関しては病院の管理者になりたいと思う研修医、初期研修医って絶対少数ですしそのポジションになれるのは30年先の話ですよね?5年後10年後の未来さえ不確実なのに30年先のために目先の6ヶ月地域いきなさい、って誰が行くのでしょうか???

ということでこの施策は医療当事者からみても実効性が薄いと思っています。ただこの条件が

①診療所、もしくは病院の管理者となるために上記地域での研修を必須とする

となればかなり効力があるでしょうが・・・まぁそこまでするのは医師会も同意しないでしょうし難しいでしょうね。

 

かつこの施策の内容をみてみると、少数地域に勤務している時に以下の業務を経験してくださいと書いてあります。

▽個々の患者に対し、その生活状況を考慮し、幅広い病態について継続的な診療・保健指導を行う業務
(例)▼地域の患者への継続的な診療(専門的な医療機関に対する患者の受診の必要性の判断を含む)▼診療時間外の患者の急変時の対応▼在宅療養を行っている患者に対する継続的な訪問診療▼在宅療養を行っている患者が急変した際の往診▼小児等に対する夜間診療の実施―など

▽「他院」および「患者が住み慣れた地域で日常生活を営めるよう支援するための保健医療サービス・福祉サービスを提供する者」との連携に関する業務
(例)▼地域ケア会議、要保護児童対策地域協議会等への参加▼他医療機関または介護・福祉事業者が加わる退院カンファレンスへの参加など「患者の転院、転棟、退院先との調整」▼介護認定審査会への参加▼地域の医療従事者に対する研修の実施(講師としての参加を含む)―など

▽地域住民に対する健康診査、保健指導その他の地域保健に関する業務
(例)▼公共的性格を有する定型的な健康診断(労働安全衛生法・学校保健法・母子保健法に基づく健診、健康増進法に基づくがん検診、高齢者医療確保法に基づく特定健診(いわゆるメタボ健診)、保険者からの委託に基づく健診等が含まれる)および、その結果に基づく保健指導▼予防接種法に掲げられた疾病の予防を目的とした予防接種▼地域で行われる母親学級での講演や、地域で行われる生活習慣病等に関する院内外における講習会など「地域住民に対する保健医療に関する講習会」の実施(講師としての参加を含む)―など

 

正直この内容のことをするのであれば、逆に医師少数地域でなくて医師が余るほどいる地域で勤務していないと絶対できないことだと感じますがいかがでしょうか?これから医師の働き方改革もどんどん進む中、勤務時間中に上記のようなことを医師少数地域の医師ができますかね?どう考えても病院での医師の本業が忙しくてこれらの付帯業務はできないように思えますが・・・・どうなんでしょ?

 

 

皆さんこれを読んで「こんな案だしてくるなんて厚生労働省って医療現場わかってないんだな」と感じるかも知れません。が、100%そんなことないと思います。実効性に乏しい、現場と解離があるのは承知の上で今回この施策を打ち出してきているんだと自分は判断しています。

おそらくこの計画で2年間はしてみて2022年もしくは23年に「評価したがこの案では実行性に乏しかった、では条件変えましょうか」という話になると思います。

国は5年先、10年先の方向性を確実に考えた上で施策を諸々打ち出してきています。皆さん(医師含め)その対応のための準備、できていますか?

 

 

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