公開日:2019年08月08日

これからは公的病院の整理をどう進めていくかが問題になりますね。

こんにんちは、札幌のかかりつけ医@今井です。

 

朝日新聞の記事で気になる記事をみつけましたので紹介します。

大津市民病院、苦しい資金繰り 評価委で厳しい意見続出

地方独立行政法人・市立大津市民病院の2018年度の診療実績や経営状況などを確認する評価委員会が5日、市内であった。患者数が中期計画より少なく、資金繰りが苦しい状況が続いていることから、委員からは今後の見通しについて厳しい意見が相次いだ。

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評価委は県や医師会、大学教授、監査法人などのメンバーで構成している。病院は公表した事業報告書を基に、集中治療室(ICU)を6床から8床に増やし、増収効果があったと説明。経常利益も市が支出している運営費負担金を除くと「前年度に比べて2億6千万円の改善を図れた」と報告した。

一方で3月時点の短期の借入金の残高は19億円に達し、前年度の約12億円から大幅に増加。中期計画(17年4月~21年3月)との比較でも、入院患者数は約12万6千人で7千人以上も少なく、外来患者数は約22万8千人の見込みよりも約1万8千人少なかった。

委員たちは「実績に合わない計画を見直すべきだ」「具体的な対策が見えない」など厳しく指摘した。

これに対して病院側は、放射線治療や手術件数の実績を上げること、診療報酬の点数の高い診療に力を入れることなどの対策を示した。しかし委員は「この状況はしばらく続く。病床数や診療科数など構造改革の議論をすべきだ」などと、抜本的な見直しを求めた。

また今年6月までの業績を踏まえた短期借入金の見込みも提示。9月に中期計画で定めた限度額の20億円を超え、来年3月には31億円に膨れあがることを明らかにした。

越直美市長は「病院がまとめる経営改善計画の状況を見て、9月議会で運営費負担金の補正予算を組みたい。20億円を超えないようにしていく」と説明した。

この日の会合で、病院側から経営改善計画が示されなかったことに、ある委員は「危機的な状況で市民の関心も強い。改善計画が出ないのは困ったものだ。スピード感を持ってほしい」と苦言を呈した。(山中由睦(よしちか))

 

 

というこの記事・・・全然すすまない公的病院の改革、整理の問題がどんどん大きくなり、その間に赤字が累積していくことが目にみえてわかりますね。

公的病院がどの範囲の業務をその地域でしていくのかは、その地域に他にどのような医療資源があって医療需要がどうなっていくのかをきちんと予測した上で検討していくべきだとは思いますが、医療機関の利害関係、市民感情もありますし、なかなか一筋縄ではいかないではいかない問題です。

 

これからの地方行政ではどのように医療を扱うかが一番の問題になってくるでしょう。痛みを伴う改革が必須ですがそれを行っていくことができるのか、地方自治体長と医師会、市民の皆さんにも問われるでしょうね。皆さんはこの問題どう考えますか?

 

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