公開日:2019年07月02日

ポリファーマシー対策は出口の議論をいくらしても無意味!入口を考えなければ【かかりつけ医普及のみが解決策】

こんにちは、札幌の在宅医&かかりつけ医@今井です。

 

メディウォッチでポリファーマシーに関しての記事が出ていましたのを皆さん読みましたか?読んでない方いましたら一度読んでみると現在の議論の中身が理解できていいかと思いますので是非一読してみてください。

記事のキモの部分を赤字にして部分抜粋してみます。

ポリファーマシー対策、まず「期限切れ処方薬」服用防止に向け、薬剤への期限刻印など考えては―日病協

「・・・・・・・・・・・・ポリファーマシーとは、「多剤投与の中でも害を伴うもの」と定義されます。高齢になれば、どうしても複数の傷病を抱え、各傷病治療のために「多剤投与」が行われがちです。他方、高齢になると、▼細胞内水分の減少▼血清アルブミンの低下▼肝血流や肝細胞機能の低下▼腎血流の低下―といった生理機能の低下が生じますが、薬物吸収能には大きな変化がないことから「医薬品が効き過ぎる」、つまりポリファーマシーが生じやすくなり、その対策が極めて重要になってくるのです。

この点について日病協代表者会議では、「高齢者では重複投薬が行われがちで、患者の手元に相当程度の残薬が生じ、期限切れとなることもある。こうした期限切れの薬剤服用(例えば、以前に調剤された薬剤を、「同じような症状だ」と患者が自分勝手に判断し、服用してしまうケースは少なくない)はポリファーマシーの大きな原因となる。そこで、期限切れであることが容易に判断できるよう、刻印(期限など)を行ってはどうか」といった旨の提案がなされていることが、代表者会議後の記者会見で長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長)から報告されました。少なくとも「期限切れ」の医薬品服用が一定程度防止できると期待されます。もっとも、「重複投薬」が行われないよう、かかりつけ医やかかりつけ薬局・薬剤師による「医薬品の一元的管理」を充実していくことが最も重要です。この点、患者の受診状況や処方薬剤状況などをリアルタイムで把握できるようなシステムの構築・運用も重要な検討テーマとなってきます。」

 

多剤投薬の議論は本当に今色々とされていますが、出口の部分、つまりかかりつけ薬剤師が管理する、とか刻印をうつ、とかはいくらやっても対症的な対応となることに変わりはないですよね・・・

多剤投薬が問題となりやすい高齢者において本当にポリファーマシー対策を行い無駄な薬剤を減らしたいのであれば、入口を一元化、つまり投薬を一元管理できるかかりつけ医制度の普及しか根本的な解決策はないと自分は信じています。

そのためには医師側にまずは覚悟が必要なんですが・・・・認知症も含め専門科に関わらず全人的に診察するという姿勢と知識と経験、在宅医療も含めて時と場所を問わず対応する力、多職種との連携などなど・・・医師会もポリファーマシーの問題が高齢化社会において社会問題となると感じているのなら、真のかかりつけ医はどうあるべきか、かかりつけ医制度の普及に真剣に取り組むべきだと思います。(まあそうなったらグループ診療や診療所の大型化は不可避ですので大きく医療状況が変わるとは思いますが)

 

入口の議論をせずに出口の議論をすることなかれ、蛇口をひねらずにあふれる水の対応を場当たり的にしていくことはナンセンス、と自分は考えますが皆さんはどう考えますか?よければ考えてみてくださいね。

 

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