公開日:2018年11月27日

施設において家族が希望する医療と医療者が実際に可能な医療の間には結構大きな溝がある・・・・・

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

 

当院は基本的には個人宅の在宅医療をメインに医療活動しています。やっぱり在宅医療をするなら一人一人の患者さんと向き合いたいですので多少手間がかかっても、診察することができる患者さんが少なくてもその方針は開業当初から大きくは変えないで現在に至っています。

ただ当診療所でも施設患者さんをみることが全くない訳ではありません。元々外来で診ていた患者さんが入所した時、知り合いの医療者や看護師さんからどうしてもって頼まれた時、あとは長い付き合いの中で診させて頂けるようになった信頼関係のある施設の場合などなどです。

 

そんな施設での在宅医療、訪問診療ですが最近よく感じるのは「施設で家族が希望する医療と、実際医療者が提供することが可能な医療の間に結構大きな溝があるな」っていうことです。

例えばですがとある定期巡回+訪問看護を提供している施設でのこと・・・誤嚥を繰り返す患者さんにどうしたってサクションは必要になるのに訪問看護師さんが吸引器をもっていないステーションであることがたまにあります。

となると誤嚥したときにどうなるか?普通であれば看護師さんの対応となりますが、「看護師が対応できない!」ってなるとでは全て誤嚥したときに診療の医師が対応しなければいけなくなるのでしょうか?正直吸引は医師の仕事ではないので、その仕事のために毎回往診することは当院の在宅医の負担となることは間違いありません。

ということで患者さんや家族には「この施設で患者さんや家族が希望する受けたい医療を受けるのは難しいですよ」って正直にお伝えしますが家族の方としては「どうしてもここで暮らさせてほしい」とおっしゃることがあります。

うーん、医師としては生活を支えてあげたいと考えているんですが、医師のみの対応では絶対無理なのは目に見えています。

 

施設によりどの程度の医療をどこまで受けられるのか、受けられないのであればどうするのかって本当に重要な問題だと思いますが、施設入所時にそこまで考えて入所される方ってごく少数だと思います。

施設を選択する際にきれいだとか豪華かどうか、食事がどうかってことももちろん重要です。が最終的にはそこで自分が希望する医療や介護が受けられるのかっていう面は絶対にきちんと確認してくださいね。

 

皆さんの周りの施設はどうでしょうか?よければ教えてくださいね。

 

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