パターナリズムを望む患者さんや家族とどう向き合うか?【ケアが中心の在宅医療には馴染まない!?】
こんにちは、札幌の在宅医@今井です。
最近とある患者さんから「あの先生はしっかりと決断してくれない」と言われることがありました・・・
経過としては
①ある高齢の患者さんに身体所見上とある病気がみつかった
②検査して病状把握することはできるが、その患者さんは元々検査も希望しないし、よしんば病気がきちんとわかったとしても年齢やADLを考慮しても治療の対象とはならないであろうと考えられた。
③なので検査のメリットは極めて限定的であるため自分としては「(上記のように)~~~だと考えるので検査はしてもいいですが、しなくてもいいですしどうしましょうか」と患者さん家族に相談する形で聞いてみた。
④その時は少し考えてみたいとの患者さん家族の反応でありそのままにしていたが、その後家族の方から連絡あり「検査が必要かどうかは医師が判断してくれればいいんだ。きちんと責任もって決めてくれ!!」とお怒りのご連絡があった。
という形の話なんですが・・・・正直きちんと相談して決めようと思ったのですが自分の説明が理論的ではなく悪かったのか、しゃべり方がだめだったのか、患者さんや家族に治療について相談することが「決断自分でできない医師」だと思われてしまったようです・・・・・・やっぱ切り出し方がだめだったかなぁ・・・・
今の90歳近い患者さんや家族の方はやっぱり
医師=治療法を決断して最良の治療を(相談なく)提案してくれる人
っていう認識がある方多いですよね。
キュアを目指す医療ではもちろんそれが一般的なんでしょうが、正直高齢者医療の現場では医師の一存で治療方針を決められること、かなり限定的なのが現状ではないでしょうか?
パターナリズムはキュアを目指す医療ではある程度許容されるべきだとは思いますが、ケアが中心の在宅医療、高齢者医療の場面では馴染まないってことを医療者だけではなく患者さん自身も理解するべきじゃないかな?自分はそういう風に考えましたが皆さんはいかがでしょうか?
良ければご意見くださいね。
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