公開日:2018年08月17日

医療者が家族を在宅でみていく時に気をつけたいこと

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

当院は在宅医療が適応となる患者さんであれば、認知症であれ癌終末期であれ骨折後の患者さんであれできるだけ断ることなく診療するようにしています。

たくさんの患者さんを見せて頂いていますが、その中で息子さんや娘さん、はたまた配偶者の方が医師や看護師さんである場合が結構あります。

医療者の方がご自身の家族を在宅で診て(看て)いく時にはどうしても感情が入りますので、自分の経験上は「こうしたらいいのにな」って思うことが多々あります。

そんな医療者の方が家族の方を在宅でみていく時に気をつけて欲しいこと、○点かあげてみますのでよければご確認ください。

1在宅の現場での医療は病院での医療と同じではない。まずはそこを意識してください。

医療者の方がご家族の場合病院の医療をそのまま持ち込んで全力で頑張ろうとする方、結構いらっしゃいます。

点滴は24時間で○○ml、電解質補正のために○○いれて、熱がでたらすぐに採血して抗生剤1日3回投与、痰培養、血液培養は・・・・・なーんて事よく経験します。

確かに病院の医療をそのまま行おうとすればできますが土台基礎となる部分が異なりますので絶対何かしらの無理がでます。使用できる薬剤の制限であったり医療資源であったり介護者への負担であったり・・・・

まずは在宅での医療は病院での医療とは同じではなく異なるもの、そう意識してもらうことが何より1番最初のステップとしては重要ではないでしょうか?

2相談相手がおらず一人で頑張っている方が多い印象です。意識してつくりませんか?

どちらかというと訪問診療や訪問看護に対しても拒否的な方が多く回数も最低限で、と言われることが多いような気がします。

在宅の医療者からみたら「あぁ、そんなことはこうすればいいのに」って診療で入って初回の時に思うこと結構あるんですが、そのような改善点についても一人でやっている限りは気がつかないですよね。

意識して相談相手を外部につくること、とても重要だと思います。具体的には不必要に思えても訪問看護やケアマネさんくらいは入れておいた方がいいかと思います。参考にしてみてください。

3在宅医療側も家族が医療者では遠慮して言いたいことが言えていないことがある。「なにか気になることはいつでも言ってください」と伝えましょう。

医療者が家族にいるとその家族の気持ちや考えを尊重して「こうしたらいいのに・・・」と思っても中々それが言えない訪問看護師や在宅医がいるのも事実です。

自分はなるべく言うようにしていますが、やはり言いやすい方と言い出しにくい方がいらっしゃいますね。できればご家族の方から「何か気になることはありませんか?」と聞くような形で話を振ってもらえると医療者としても気軽に話ができるのではないでしょうか?

4点滴や薬などはある程度判断で使用していいが、きちんと医療者側の意見も確認してください

これは本当によくある話なんですが、訪問毎に「薬こう変えたよ」とか「こうだと思うんで注射○○使用してみた」っていうのがめちゃくちゃ多いです。

在宅の医療者はある程度の薬の調整は可としていることが多いと思いますが(自分もそうです)、それでもどの程度の薬であれば使用していいのかなどの線引きはきちんとしておかないとお互いにとってとてもうごきづらくなってしまいます。

どこまでであれば家族の判断で行っていいのか、それ以上であれば必ず相談することなどのルール化は家族の方と在宅の医療者で行っておいた方がいいかと思います。

5困ったことはきちんと伝えよう。介護保険などで解決できることはある

これも1や2に通じるところはあるんですが、どうしても自分が解決しなければ、と考えている方が多く困っている点も在宅医療者に言わない、伝えないことがままあります。

ただ経験上多くの困っていることって在宅医療者にとっては経験済みであることも多いため聞いてもらえれば即解決、っていうこともよくあります。

場合によっては介護保険を利用をうまくすればそんなに悩まなくても良かったじゃん、っていうこともありますので是非困ったことがあれば抱え込まずに在宅医療者に相談してもらえればと思いますよ。

 

いかがでしたか?簡単に言うと「まずは困ったら在宅医療者に何でも話をすることを遠慮しないでね」っていうことですかね。真面目な方程どんどん一人で悩むことが多くなるので遠慮せずに自分達をうまく利用してくださいね~

 

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