専門医になりその科の診療に特化する、という選択肢は本当に将来性があるのか?
こんにちは、札幌の在宅&かかりつけ医@今井です。
新専門医制度の今後についてや現在の制度の課題についてまだ議論が続いていますが、そもそも専門科になりその科の診療に特化する、という選択肢は本当に将来性があるのでしょうか?
自分が専門医をとろうと決意した医師になりたての15年程前は家庭医、総合診療医への道はあまり選択肢としてはなく専門医資格をとるのが当たり前でしたし、社会的にもまだまだ専門科としての診療、というのは医師の中でも「今後長く診療をしていくためにも必要だよね」って普通に考えられていました。
現状はどうでしょうか?違う状況になりつつあるのではないでしょうか?本当に専門医の資格をとりその道の専門科の診療に特化していくことは医師の大部分に求められているのでしょうか?
正直に個人的な意見をいうと「今後需要が減るであろう一握りの急性期病院で仕事をしたいのなら専門医となった方がいいでしょうが、そうではなくあくまで臨床としての医師の仕事を長く続けたいのならニーズが高い総合診療医となった方がいい」と考えています。
専門科としての診療って本当に必要とされる機会、どんどん限定されていくのが現状であり、今後は総合的に患者さんを診る医師が何より求められているのは在宅や外来の現場で働いている医師であれば誰でも感じていますよね。どう考えても今後は「専門診療医<総合診療医」というニーズが高くなるのは目に見えていると思います。
ただ残念ながら医師、特に研修医の中には「このまま専門科の診療に入ることが本当にいいんだろうか?」と疑問に思いつつも他の選択肢がロールモデルとして身近にないため漫然とこれまで上の世代もそうしてきたから、という単純な理由でとりあえず専門医資格をとろうと考えている人もいるのではないでしょうか?
なぜそういう選択をとるのか?・・・・その原因の一つは今後の社会の将来を見通すのに必要な情報が収集できていない、またはその方法がわからない、というのが原因の一つだと思います。
専門医資格をとることがどうその後のキャリア形成に影響してくるのか、そもそも需要と供給はどうなっていくのか、逆に総合診療医としてのキャリアはどのようなものがあって待遇はどうなるのか、などなど・・・・これらの情報って決して探すのが楽ではないですよね。
となると研修医前後の先生が考える一番楽なキャリアの形成の見本は身近にいる専門医、となるのは当然といえば当然ですが・・・・
自分からみて社会的に今後10年20年スパンで考えたときに求められる医師は総合診療医であることは間違いないと思います。
医師の皆さんはこれから専門医をとろうとしている研修医に専門科にすすむということについてどんなアドバイスをしますか?将来を見据えたときにどう行動すべきと教えてあげますか?
ご意見あれば教えてください。
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