市立室蘭病院、製鉄記念室蘭病院、日鋼記念病院のたった3病院でも病院機能、病床再編の調整はできない現実!!【地域医療構想って本当に大丈夫?】

こんにちは、市立室蘭病院で1年間研修した札幌の在宅医@今井です。

室蘭かぁ・・・・懐かしいですね。室蘭で自分が研修したのは丁度研修医1年目の1年間でした。札幌からほど近く、そこそこ田舎の雰囲気を知るのもいいだろうと考えあまり深く考えずに選択した研修先です。

研修内容としては8時30~17時30までは研修で回る各科の研修を、17時30以降~翌朝までは(救急含め)希望していた脳神経外科の研修を勝手にしていました。今は大野記念にいる村上先生にはとてもお世話になりました・・・・

1週間のスケジュールですが、月曜朝に病院に行きずっと病院泊→土曜日昼に自宅に帰る、っていうう生活を1年していました。ストイックに楽しく研修していましたね・・・・

 

ってそんな自分の経験はさておき、本題はこちらです。室蘭には公的病院が一つと民間病院が2つ大きく存在します。市立室蘭病院、製鉄記念室蘭病院、日鋼記念病院の3病院がそれです。

今回のブログでは、胆振地方を代表するこの3病院の今後の機能に関しての検討会が出した提案書について取り上げたいと思います。

3つほどニュース記事あるのですが、まずは一読してください。気になる所のみ赤文字にしていきます。

 

 

①ちょっと古いですが2017年のニュースです。3病院の機能についての検討会が2017年の10月に発足されました。

動き出す「地域医療」…あり方検討会が10月発足【室蘭】

医療需要を推計して効率的な医療体制の提供を目指す「西胆振地域医療構想」(2016年12月策定)を受けて、室蘭市内3総合病院、医師会、行政、有識者による行政主導の将来の医療提供体制作りが始まった。議論の焦点は、人口減少と病床数削減を見据えた市内3総合病院の「あり方」の検討。診療科目が病院間で重複し患者が分散している問題や安定した医師確保対策など、多岐にわたる懸念を解消できるかが問われている。

◆――維持困難

現在の医療提供体制を将来的に維持することは困難。将来のあり方について早急な検討が必要」。5月に行った室蘭市の市内3総合病院個別ヒアリングで、こうした意見が相次いだ。

これまで室蘭市内の医療機関は、西胆振地域全体の急性期を担う中核的役割を果たしてきたほか、がん診療や救急患者などに対応してきた。医療需要を見据えた病院間の機能分担と連携の下、「高度で専門的な医療提供体制を維持してきた」(関係者)。

医療提供体制作りを進める背景には、圏域の高齢者(65歳以上)人口が20年にピークを迎え、75歳以上の人口も25年から減少することが挙げられる。

この状況から「医療ニーズが減る」ことが見込まれ、16年7月現在の稼働病床より382床の削減の必要性が指摘され、高度な設備投資が必要な高度急性期、専門スタッフが求められる回復期の病床数増加が示されたためだ

そこで市は地域医療の「あり方検討会」を10月に設置し、議論を加速させる。入院治療など一般的な医療を提供する地域圏となる2次医療圏への医療供給を視野に、その要となる3病院を中心とする病院間の医療再編や連携を推進する。

◆――利害調整

協議内容は①地域医療データ収集②地域包括ケアなどの地域医療の動向③新専門医制度への対応④各病院の経営状況を踏まえた長期的体制の検討⑤病院間の医療再編と連携策―とする。

市は「客観性のある議論を踏まえ今後の目指すべき姿を共有したい。実現するために必要な運営形態のシミュレーションを予定している。短中期の再編、連携方法を考えなければいけない」と検討会の狙いを話す。本年度は会議を4回開き、来年3月までに検討結果をまとめる方針だ。

最重点課題は病院間の利害調整。3病院間は医療需要減少への「強い危機感を共有している」(関係者)。医師を派遣する医育大学の意向も共有し、18年度の実務者レベルのワーキンググループ設置を視野に細かい内容を詰める案も出ている。青山剛市長は「3総合病院の経営が厳しい局面を迎えている。市民が安心できる地域医療を構築していきたい」と述べた。

 

②そしてその検討会がだした結論がこちらです。

室蘭市検討会 3病院の再編提言

人口減少を踏まえた地域医療のあり方を検討してきた室蘭市の検討会は、市内の3つの総合病院を再編することを盛り込んだ提言書をとりまとめました。

室蘭市は、この先の患者数の減少を踏まえた地域医療の体制を探るため大学教授や医療関係者らによる検討会を設けて議論を重ねてきました。
そして29日、検討会の会長を務める北海道大学公共政策大学院の石井吉春特任教授が検討結果をまとめた提言書を青山剛市長に手渡しました。
提言では、市立室蘭総合病院、製鉄記念室蘭病院、日鋼記念病院の3つの総合病院について、効率的な経営や医師を安定的に確保して地域医療を継続するために診療機能の統合・再編や病院数の縮小に向けた再編などを検討するとしています
その上で具体的な再編にあたっては各病院が担ってきた診療機能の特色などを踏まえ検討するとしています。
検討会の石井特任教授は、「医療機能の再編をしないと医師の供給を含めて成り立たない時期に来ている。再編を進め質の高い医療を目指すべきだ」と述べました。
室蘭市の青山市長は、「提言書をよく読んで速やかに検討したい」と述べ、今後それぞれの病院とともに再編に向けた具体的な検討に入りたいとの考えを示しました。

 

③さらに室蘭民報ではもう少し詳しい内容が記載されています。

室蘭3総合病院のあり方検討会が市長に提言書を提出

室蘭市内の将来の医療提供体制などを議論していた「地域医療あり方検討会」(会長・石井吉春北大公共政策大学院特任教授)は29日、結論として提言書を青山剛市長に提出した。安定した医師確保などを前提に、診療機能統合や病院数縮小に向けた再編の重要性をまとめた。受け取った青山市長は「速やかに提言内容の検討に入る」との考えを示した。

「強いリーダーシップを発揮いただき具体化に向け取り組みを進めてほしい」。同日市役所で石井会長がこう述べ、青山市長に書面を手渡した。

検討会は道内の医育大学関係者ら有識者、室蘭市医師会、市内3総合病院のトップら委員10人で構成。今年3月までに4回会議(非公開)を開き、▽提言が目指すもの▽3病院の経営形態▽病院数および各病院の基本的医療機能▽今後の検討会の進め方―の4項目に分け意見を示した。

「目指すもの」として、疾病予防から入院治療まで地域住民の医療ニーズをカバーする「2次医療圏」での人口減と高齢化が進んでいることを指摘し「診療機能の再編について早急に検討を進める必要がある」と強調。「3病院を中心とした再編を実現していく必要がある」と指摘した。

3病院の経営形態では、(1)診療機能再編を優先的に検討すべき(2)地域で健全経営を行っている民間病院の経営手法は重要で、将来的にも堅持すべき―などの委員の考えを掲載。「現時点で方向性を統一することはできない」とした。

各病院の医療機能の意見では「人口動態を踏まえ、病院数を1とすることが効率的で質の高い医療提供体制の確保につながる」と再編に前向きな発言があった。一方で「前段階として2を目指すのが現実的」「現有3施設を生かす」なども聞かれた。

具体的な再編には各病院が担ってきた「診療機能の特色や診療ニーズを踏まえ検討する」ことを盛り込んだ。市立室蘭総合病院の経営健全化の取り組みの重要性に着目し、「地方独立行政法人への移行など経営形態の見直しの検討も必要」と言及した。

石井会長は「人口が減るから、地域医療を見直す視点だけではないプラスの側面の位置付けが重要で、機能の維持、効率化する要素をきちんと議論することが市民の共感を得る大きなポイントになる」と今後の見通しを語った。

青山市長は「これまで一歩が進まなかった反省がある。将来の市民の安心を確かなものにするために着実に進めていきたい」と応じた。
(松岡秀宜、粟田純樹)

◆―― 玉虫色決着やむなし

【解説】「地域医療あり方検討会」の提言書。「当面の間は現有の3施設を生かしながら、診療機能の統合や縮小に向けて再編を検討する」としたが、議論の中で3病院の経営形態については「方向性の統一」が困難な現状も浮き彫りとなった。「将来の地域医療を守る」との共通の思いを抱えながら、考え方がばらばらでは玉虫色での決着は仕方ない。今後はさらに踏み込んだ議論も必要だ。

同検討会は、西胆振医療圏(3市3町)で効率的な医療体制の提供を目指すため、道が定めた「西胆振区域地域医療構想」で、2025年までの病床数目標が「15年度比27%減」とされたことで設けた諮問機関だ。

地域医療の再構築を目指して議論する―とされた方向性。しかし、非公開で行われた会合は「3病院の統合を含んだ再編」や「地方独立行政法人を設け、各病院はその傘下に」などとする方向性に「議論の中心が、いつの間にか移っていった」(委員の一人)という。

西胆振医療圏の中核を担う3病院の骨格を(行政が)決めた上で、地域医療構想の(西胆振での)話し合いで調整を図りたい―とする思惑。「これ以外の考え方はあるのか」(石井吉春会長)ともする病床数削減への「統合ありき」の方針は、社会医療法人サイドをはじめ一部の委員の反発を招いた。

このため「3病院を中心とした再編等を実現していく必要がある」「地域医療の維持・確保を最重点とし、検討結果を踏まえて議論を深めることが肝要」などと、時期や手法までは表現しない結論となった。

ただ、市立室蘭総合病院については地方独立行政法人への移行や指定管理者制度導入など「経営形態の見直しの検討も必要」と明記。「市立病院が、再編全体の中心的な役割を担う必要がある」(石井会長)とする中で、現状の運営には苦言を呈す内容。今後の議論では、病院開設者でもある市長の決断と強烈なリーダーシップも不可欠だ。
(松岡秀宜)

◆―― 3病院の考え相違

行政、病院、医育大学などが顔を合わせて議論した地域医療あり方検討会。「診療機能の統合・再編や病院数の縮小に向けて再編等を検討する」との考えを提言書に明記するなど「一定の方向性を示すことができた」(石井吉春会長)とする。今後は、対象3病院と同市などによる新たな会議を設置。「地域医療の維持・確保」を最重点とし議論を進める方針だが、3病院の考えはさまざまだ。

日鋼記念病院の柳谷晶仁院長は「各病院にはこれまで培ってきた背景もあるが、市民生活の重要なインフラである医療を将来に向けて最も良い形でバトンを渡せるよう再構築を目指す必要がある」とした上で「さらなる議論の継続、具体的方策の検討など、継続的に医療を提供するために、引き続き協力したい」と語る。

 市立室蘭総合病院の金戸宏行病院事業管理者兼院長は「経営形態の見直しの検討も必要」と記された点に「(開設者の)市長が考えられること」としたが、感染症や結核病棟などの不採算部門、脳神経系の病気もある精神科入院患者への対応―など、公立病院が担う役割の重要性も指摘。「医療難民を出さない、との立場で引き続き運営したい」と話す。

 一方、社会医療法人製鉄記念室蘭病院の松木高雪理事長は「現時点で、3病院の経営形態や病院数を減らす前提での話し合いに、全く必要性を感じない」と強調。「西胆振医療圏全体を考慮し、3病院の診療機能の再編を優先的に検討すべき。住民サービス継続の観点から、現有3病院を生かすことが地域住民のためではないのか」とする。

室蘭市医師会の稲川昭会長は「西胆振医療圏の中で、市内3病院が果たしている役割と使命は大きい」とする一方で、この地域の医療を守る―という観点から「将来に向けてどのような体制を整えるのか。スピード感を持って進めてもらえれば」と話す。

 

 

 

・・さて内容ですが、これみてもらえればわかりますが

各病院の思惑がバラバラ、全く統一性がなく結局は検討会の意見って、本当にでた意見をまとめただけ

ですよね。笑っちゃいけないですが笑えるくらいこの記事を診る限りでは病院機能や病床再編への歩みよりは期待できなさそうかなと感じました。

地域別診療報酬のブログでも書きましたが、現在の社会保障制度が根本から見直されない限り、今後地域医療構想が国の考え通りにすすまなければ当該都道府県に何らかのペナルティが下されるのは必須・・・・ただ室蘭の小さな地方一つとっても、たった3病院の話を切り出したとしても地域医療構想を実現するためのハードルって本当に高いのはよくわかりますね。

記事では室蘭市長の手腕に期待って書いていますが、正直自分個人の感想としてはこの問題は市長では解決できないと思います。

人を派遣している大学病院なりが○○病院への派遣とりやめに動くとか外圧がなければこの問題は解決しないような・・・・ただおそらくは公的病院は今後大学病院からの医師の派遣は強要されるようになるでしょうから、おそらくは経営がつらくなる前に2つの民間病院の内どちらかに統合されることになり1公的病院(独立行政法人化の上)、1民間病院の2院体制になるのではないかと思います。

 

今後1~2年で日本全国でこのような議論は必発でしょうね。皆さんの地域の病院や病床機能の再編はすすんでいるでしょうか?

 

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