公開日:2018年05月29日

このままの社会保険制度でいくのなら地域別診療報酬が導入されるのは不可避ですね。

こんにちは、札幌で臨床の現場にたちつつ医療政策ウォッチャーしている医師@今井です。

 

地域別診療報酬ってざっくり簡単に話をすると。そもそも医療の点数が現在1点=10円となっています。これが

北海道 1点=9.6円

東京都 1点=9.7円

福島県 1点=10.5円

すごいアバウトですがこんな感じでの点数単価に違いが出てくる仕組みにしましょうっていう話です。市町村単位といるよりは国保の単位である都道府県単位での制定になるのかも知れませんが、いずれにせよ今現在こんな議論が進行中です。

↓以下資料で第8回社会保障制度改革推進会議で出された資料です。

議員の一人である増田寛也 の文章を引用させて頂くと(気になる所は赤字)

「次に、②の体制整備については、医療費の増嵩抑制が地方財政上も喫緊の
課題である中、必要とされていることは財政的視点を医療行政分野のガバナ
ンスに組み入れていくことです。このためには、総務財政部門と医療行政部
門を連携させることが重要です。奈良県では、医療・介護保険局の創設とそ
こへの人事配置でこれを実現しています。また、国保連合会への都道府県の
積極参画により、都道府県と市町村が一体となって医療費適正化に取り組む
体制が構築されるものと考えます
この点における奈良県の取組みは、他の都道府県の参考になるものと考え
ます。
都道府県が地域医療のガバナンスの中核を担うことが期待されている中、
都道府県の組織体制等を時代の要請に応えるものに変えていかねばなりま
せん。今大きく都道府県の役割やありようが変わりつつあるという認識を都
道府県庁全体で共有していただき、組織再編や採用を含めた人事改革、意識
改革を断行することが不可欠と考えます。

最後に、③の地域別診療報酬の活用については、国保の都道府県単位化に
加え、医療費適正化計画をはじめ各種の計画がスタートした本年4月から、
都道府県が受益と負担の総合マネジメントを行うことが可能となっている
ことを踏まえると、その実効性を強化するため、各都道府県において、その
活用を積極的に検討すべき新たな局面に入ったと言えます
医療費適正化のための具体的な活用例の提示や運用改善等への具体的な
提案等がなされている現状においては、高齢者の医療の確保に関する法律第
14 条の規定等の妥当性や医療費適正化に向けた実効性は明らかです。政府
は、都道府県が積極的にこれらの規定を活用できるよう、医療費目標が達成
できない場合の単価引下げ、病床の転換等が進まない場合の点数引下げ等、
都道府県の判断に資する具体的メニューを早期に示すべきと考えます
私としても、これらの規定の大きな意義を全国の知事に理解いただき、活
用に向けた検討を進めていただくよう、働きかけていきたいと考えています。 」

 

 

と言う訳で国が策定した地域医療構想の目標を達成できない地方に関しては点数の引き下げを考慮せよ!!っていう主張となっています。

点数が1点10円→9.8円など2%下がるだけでもかなり大きなインパクトはあります。

病院レベルでいえば、例えば月の保険点数2500万点あったとしたら0.5円さがっただけでも500万の損失となります。これを売上でカバーするっていったらかなり難しいですよ。医療機関にとってこの話題は死活問題になります。

 

 

・・・と言いつつも、個人的には

社会保障制度がこのまま根本的な改革がなされないなら、そう遠くない将来に地域別診療報酬制度は導入される可能性はある

と考えています。社会保障をとりまく人口動態、社会保障財政などみたら現行のままならせざるをえないかと・・・・

その時に一番問われるのは地方行政の指導力、リーダーシップ、マネジメント力でしょうね。北海道と札幌市は大丈夫でしょうか?正直現状みていると不安しかないですが・・・・

皆さんはどう考えますか?そして皆さんの地域の行政は大丈夫ですか?

 

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