公開日:2018年05月25日

在宅医療のメリット・デメリットをできるだけ書き出してみます!

こんにちは、7年近く在宅医療に従事している札幌は宮の森の医師@今井です。

在宅医療の普及、2018年の現時点でもまだまだなされていません。できる限り在宅医療について皆さんに知ってほしいので、非医療者向けに在宅医療のメリット・デメリットに関して簡単に書いてみたいと思いますよ。

在宅医療について知りたい方はそんなに長くないのですらっと読んでみてください。

在宅医療のメリットはこちら!

①家で気楽に過ごせる

まあなんといってもこれが一番。自宅ってやっぱりみえる景色も見慣れているし、常時病院にいるようなアウェー感がないですよね~。どこに何があるかもだまっていても知っているし、他の人を気にする必要もない。

病院だと絶対他の人を気にしないで気軽に過ごすなんて難しいですよね!

②時間に振り回されない

ということで自宅での生活の場合は別に夜中まで夜更かししてもいいし朝起きてこなくても構いません。別に食事の時間だって好きな時にとれるし自由に生きることが可能です。

これが病院なら夜中起きていると昼夜逆転って言われて最悪薬盛られますし、食事に関しても時間が厳格にきまっていますよね。

③家族がすぐそばにいる

これも家族の方がいる人にとってはとても大きなメリットですね。特にお子さんが小さい方に関してはやっぱり一緒に生活したい、過ごしたいって思うのではないでしょうか?

御家族も病院でつめている必要もないですし病院に入院しているよりも楽だと思います。いつも家族の顔が見られるのは在宅医療を受けるメリットの一つだと思います。

④病院に行かなくてすむ!

今まで訪問診療や看護を受けるまでは、必要なケアをしてもらうために階段を下りて介護タクシー用意して1時間かけて行って、3時間外来で待って3分診療してもらって変わらない薬もらってまた帰って・・・・・っていうのを繰り返していた患者さん多いです。

通院しなくてすむので余計な時間や体力は減らさずに済みますね。節約できた時間使って他にしたいことをしましょう!

⑤満足度の高い個別的な医療や介護を受けられる

病院に入るとそこで提供される医療や介護はあくまで全体を考えてから提供される医療やケアになります。そこに個別的な希望っていうのはなかなか通りませんし、場合によっては全く必要のないケアがされたり、必要であるケアがされなかったりとまちまちです。

在宅の場合はそんなことないですね。個別性の高い医療や介護が受けられるっていうのは病院より満足度が高くなるのは間違いありませんよ。

⑥住宅に入居するより総合的にみると安い

サ高住に入居すると場所によっては12,3万、15万超えるところもありますよね。自宅だと介護保険の費用つかっても、高額介護療養費制度もあるし一部を自費に回したとしても現時点で考えると住宅に入居するよりは安く生活できる可能性が高いかと思います。

⑦最後まで自宅で過ごせる

これもメリットの一つですね。住宅やGHによっては体調が悪化するとそこにいられなくなるってことママあります。自宅だと決めるのは自分ですからいようと思えば最後までいて全く問題はありません。

人生の最後で住む場所変わってドタバタするのもいやですよね。

⑧嫌なものは嫌と言える

どのサービスを受けるのであっても全ては患者さんと家族の方の意向が最優先されます。病院だと医療的に必要なケアや点滴などなかなか拒否するのも難しいシチュエーションもあるかと思いますが在宅だとそんなことは一切なし!嫌なら嫌って言って全然いいんです。遠慮する必要はありませんよ。

 

一方在宅医療のデメリットもありますよ!

①受けられる医療に限界がある

在宅でできる検査は採血と心電図、エコーくらいです。精密な画像検査などはもちろんできませんし、使用できる器材にも限りはあります。

高度な医療レベルを切望する人にとっては満足できないこともあるでしょう。でもその場合は在宅医療を受けながら病院通院を併用するっていう選択肢もできますよ!

②医療費単体でみると高い

訪問診療や看護は外来と入院の中間の医療とよく言われます。なので医療費に関しても同様です。入院よりは安いけれど外来よりは高い、となっています。

さらに24時間対応してくれる質の高いクリニックであるとさらにかかる費用も普通のクリニックよりは高くなります。

大体月2回の訪問で1割負担の方で7000円くらい、3割負担の方だと2万円くらいかかります。ただこちらも障害の程度や保険の種類、さらには高額療養費制度などもありますので補助を受けることは可能です。

詳しく知りたいかたは近くの在宅医療のクリニックまで聞いてもらえるといいかと思います。

③医療者の質の担保がない

現状では在宅医療に関わる医療スタッフが少ないこともあって利用者さんが医療者を選ぶことは地域によっては難しい場合があります。

その場合その医療者がどの程度の質であるのか、それを求めていくことができない場合がありますね。在宅医療は病院の医療と違い、ちょっとした変化や体調の違いを治療やケアにつなげていくことが求められますがそれに気がつくかどうか・・・・医療者個人の質が大きく反映されるので質の担保がどうなるかっていうのは今後大きな問題かも知れませんね。

もちろん当院のスタッフは誰が行っても大丈夫ですよ~

④家族の負担がある

これは否定できない事実です。入院に比べ家族の方の負担はどうしても大きくなりますね。オムツの交換や食事の手配、クスリの管理、体調変化時の対応などなど・・・・精神面でも肉体面でも疲労する可能性はあるでしょう。

ただこれも長期のケアであればうまくレスパイトのデイやショートを利用したり短期間の入院も選択肢とはなります。

どうしたってでてくる家族の負担をどう少なくするか・・・ここは在宅医療者やケアマネさんとよくよく相談して考えていってほしいと思います。

 

 

以上在宅医療のメリット・デメリットでした。

ただ文章では上記のようにつらつら書けますが、実際に受けてみてもらわないときちんと理解できないかと思います。自分が上記に書いた以外のデメリットも感じることもあるでしょうし、全く役に立たなかったって思う患者さんや家族も一定数いるでしょう。

ただいつまでも通院する、介護が必要になったら高齢者住宅に入居するっていう選択肢の他に在宅医療っていう選択がありますので是非人生を充実させたい、自宅で過ごしたい、家族と一緒にいたいと思っている方は在宅医療という選択肢も考えておくのはいいことかと思います!

 

一度きりの人生、最後まで楽しくすごしませんか?

 

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