公開日:2018年04月07日

循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方に関するワーキンググループの資料を読む。【在宅の視点は???】

こんにちは、心不全でも認知症でもいろんな疾患の方の在宅医療をお手伝いしている札幌の在宅医@今井です。

厚生労働省で4月6日に行われた心不全患者さんの緩和ケアに関するワーキンググループの資料がでましたね。以下資料は時間ある方お読みください。

第3回循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方に関するワーキンググループ から 資料1 循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方について(案)(PDF:3,446KB)

癌の緩和ケアと循環器疾患の緩和ケアに関してはよくこんな図で比較されることが多いですよね。

たしかに実臨床でもこんな感じで、入院→在宅→入院→在宅→最後の看取りは入院もしくは在宅っていう患者さん結構いらっしゃいますね。このどこまでがこの人にとっての治療の限界かっていう判断をするの、非常に在宅医療の分野でも難しいです。けれどこれまでみたきた患者さんの経験から言えば、ある程度のところまできたら多くの患者さんや家族も「もう入院しなくていいからこのまま家で過ごしたい」って考える方は多いと思います。

病院の先生からみれば「いやいや、これまで心不全の患者診てきたけど、入院したくない、在宅にいたいなんて言った患者や家族はいなかったよ」って思うでしょうが

充分なケアと生活支援がベースにあって、100%病院と同じ心不全の治療はできなくても、ある程度の治療や緩和ケアを自宅で行えば自宅にいたい

と思う高齢者は多いのは事実だと思います。純粋に心不全だけの病状の患者さんは少なく認知症や癌など重複して罹患している高齢者も多いですし、入院自体が難しい患者さんもこれからは増えるでしょう。

と言う訳で今回のワーキンググループの資料をみましたが・・・・・地域目線の視点からの議論が少ないなって感じます。まぁこの議論のメンバーが病院関係の医療者主体だから仕方ないか・・・・(訪問看護師がワーキンググループのメンバーにすら入っていないのは正直ダメかと思います)

さておき上記のように自宅での十分なケアを心不全や循環器疾患の患者さんに行うために自分が考えるただ1点の要望は、是非とも癌の終末期の緩和ケアと同じように

訪問看護の医療保険での対応の拡大

をお願いしたいですね。この1点が可能になれば諸々色んな諸制度のについてはいじくらなくても地域では十分な緩和ケアが可能になる、実際の現場の肌感覚と経験から札幌の在宅医はそう考えますが皆さんのご意見はいかがでしょうか?

 

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