公開日:2018年03月28日

新専門医制度の課題は山積みですね。研修の質、地域医療への影響・・・これで本当に大丈夫でしょうか?

こんにちは、札幌の脳神経外科専門医@今井です。

3月27日に厚生省において「第7回今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」が開催されました。新専門医制度に関しての資料が少しでていましたのでみてみたいと思います。

資料1 専攻医の採用状況について

個人的にはこの資料をみて一番気にしてみた数字は資料3枚目の中の専攻医の中で内科と外科の専攻医が各都道府県にどれだけいるか、でした。

その中でも特に外科・・・・ここの人数ってその都道府県の本当に色々な医療事情を反映しているのではないかと思います。ここで将来性があるか、そこの仕事は魅力的か、関連病院がきちんと整備されているか、先輩医師が精力的に仕事をしているかなどなど・・・外科医の人数が少なければ最終的にはそれに比例してその地方で提供できる医療レベルは低下、プライマリーなものに限定され近隣の都道府県に集約されていく形になるのは間違いないとのではないかと思っています。

ということで外科専攻医に着目してみてみます。多い都道府県はいいとして重要なのは少ない都道府県・・・・・少ない順にあげてみると

1人:高知、山梨、群馬  

2人:福井

3人:奈良、島根、宮崎

4人:佐賀、福島

 

ということでした。これらの県ではまず内科もアクティブに活動することはできないでしょうから今後他県からUターンしてきた医師や派遣されてきた医師がいたとしても慢性的な医師不足、医療提供の不足が継続、加速するでしょう。

というかこの数字みても今後明らかに医師の偏在は加速するとだれしもが思うんですが、専門医機構の見解としては「・・・・・松原参考人は「都市部に一定の専攻医集中が見られるが、各研修プログラムで近隣県に医師が派遣されることを考えれば、大きな混乱などは生じていない」っていう見解でかわりないんでしょうね・・・・<メディウォッチの記事にさらに詳細なこと書いてありますのでお読みください>

 

医師の偏在を加速する制度・・・・さらに専門医制度の議論の視点が医師の偏在対策にのみ偏っており、もっとも重要な

専攻医の研修の質が本当に担保できているのか

という視点が置き去りにされてしまっている現状・・・

新専門医制度の課題はまだまだ山積みですね。4月から運用開始されますが研修の質、地域医療への影響等これで本当に大丈夫でしょうか?皆さんはどう考えますか?

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