公開日:2018年03月26日

医療情報はブロックチェーンで管理するという時代はいつ来るか?2020年かな、25年かな?

こんにちは、医療へのAIやIT技術の活用に興味のある札幌の医師@今井です。

ブロックチェーン技術が医療にどう影響を及ぼすかネットの情報のみちょびちょびみていますが皆さん医療情報を分散型台帳で安全に管理していくのって本当に可能だと思いますか?このポイントって今後の医療の在り方に大きな影響を与えるのかな(医療情報の共有化、AIの活用、ビックデータへの活用)と個人的には思っていますので注視していきたいなと考えています。おそらくは将来的には可能になるのでしょうが、どのくらいの時間がかかりますかね?2020年かな?25年かな?ドキドキする未来ですね~・・・

 

そんな中気になる記事を少しだけ以下に2つ紹介します。興味ある方是非お読みくださいね。

AI新聞より

医療データをブロックチェーンで守れ=米MedRec

電子カルテの重要性が指摘されるようになって、もう何年たってるだろう。医療の世界ってまだまだデジタル化されていないし、されていたとしても互換性がなかったりする。匿名化した患者のデータを大量に集めて機械学習にかければ、人間では気づかないようなデータ間の相関性が明らかになり、医療が大きく前進すると思うんだけどなあ。

やはり問題は、データ漏えいしないか、匿名性が守られるか、などといったことだと思う。

それならブロックチェーン技術が使えるかも。

ブロックチェーンは、暗号化した分散型の台帳でデータを安全に管理する技術。誰もがアクセスできる共有された台帳が、ネットワーク上に広く拡散しているので、チェーンのなかのひとつのブロックをハッキングするには、同時にそのチェーンの履歴上にあるすべてのブロックをハッキングしなければならない。

そう思って調べてみたら、米国で既に医療データをブロックチェーンで保護しているベンチャーがあった。MedRec社という名前のベンチャーで、ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス医療センターとMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボが共同で基礎技術を開発したらしい。

Wired誌がMedRecの可能性を次のように表現している。

EHRの場合は、受診時のあらゆる出来事(血液検査、新しい処方箋、レントゲン撮影などの情報)がトランザクションとして記録されるだろう。そしてそのトランザクションを、アクセスキーを預けられた人(つまり医者や薬剤師といった人々)が認証する。それから、認証された各ブロックにソフトウェアがタイムスタンプを押し、古いブロックのチェーンに追加して年代順に並べる。そのようにしてできた履歴は、ビットコインの販売であれ、人工膝関節の処置であれ、その台帳の歴史のなかで行われたすべてのトランザクションを示している。(中略)単純な例として処方箋を挙げる。アスピリンの服用を示すある患者の医療記録があるとする。その患者の別の記録では、タイレノールを飲んでいると示されている。そしてまた別の記録では、モトリンとリピトールを服用、とあるかもしれない。現在のEHRでは、こうした一つひとつが単独で存在しているという問題があり、患者がいま何を服用しているのか、医者が知りえないこともありうる。しかしブロックチェーンを使えば、各処方箋は“預金”のようなものだ。医者が投薬を停止するときに、その預金は引き出される。ブロックチェーンを使えば、医者はすべての預金と引き出しの記録を確認する必要はなく、単に残高を見ればいい。そして病院や薬局は、データを見るために、互いにデータの送信を繰り返す必要はなく、共通の同じ台帳を見ればいい。患者のプライヴァシーとセキュリティーにとって、これは大きな意味をもつ。

もひとつどうぞ

米国医師会が医療データのブロックチェーン開発会社Akiriに1000万ドルの資金供与

サンフランシスコの新興企業Akiriが、シリーズA資金調達で米国医師会(AMA)が創設したベンチャーHealth2047から1000万ドルを調達した。資金は、ブロックチェーン技術を使って、健康情報を管理する初のデータ転送ネットワークサービス構築に使われる。

目指すプラットフォーム「Akiri Switch」は、クラウド上で契約ベースのネットワークを構築するNaaS(network-as-a-service)である。これは米国の病院、薬局、製薬会社を含むヘルスケアシステム全体に向けて、患者のカルテなど個人的なヘルスケア・データを安全・確実に転送・共有できるシステムである。

ブロックチェーンは患者と医師の関係を大幅に改善する

AMAが投資、創設したダグラス・ギブン医師率いるHealth2047は、全米の医師のアイディアをいち早く集約し、製品開発のごく早期にアイディアをインプットすることを目指す。Health2047は初の組織的商業化を目指して、90日以内という早さでアイディアを評価して、迅速にプロトタイプ化する道を開くプロフェッショナル組織である。

AkiriはHealth2047の初のスピン企業となり、社名はHealth2047 SwitchCoである。新社はアップル、シスコ、GE Healthcare、スタンフォードなどから多くの人材を集める。

Akiriのエイドリアン・ライテンバーグ最高経営責任者(CEO)は「Akiri Switchは、ヘルスケア・データソースとデータ転送先を検証し、患者、医師、医療提供者、製薬会社などを対象にして、開発、評価される信頼できるアプリケーションを構築する」と語った。

プライバシー保護のためにも極めて秘匿性の高い電子カルテや処方箋などはこれまで、労働集約的な第三者機関の管理と検証が必須だった。ブロックチェーンは、これら検証・管理機能を本来備えており、人的あるいは金銭上のコストは大幅な削減が期待される。

ブロックチェーン技術で医療データの流動性を向上

この医療データネットワークは、許可されていないユーザーが不法にアクセスすることを防ぐため、ブロックチェーン本体を他人のプライバシーとルーティングツールと結びつけることによって、データトランザクションのソースと行き先の双方を評価できるよう設計されている。

AMAのジェームズ・マダラ会長は「医師やヘルスケア関係者が直面している医療データの流動性の問題は、患者と医師の関係を向上するに当たって、是非とも解決されなければならない最大の障害の1つである」と語っている。同会長は、そのためにも既存のシステムを変えることができるテクノロジー(ブロックチェーン技術)を採用すべきだと強調した。

Akiri Switchはコスト削減、効率を高める分散型ネットワーク

開発するAkiri Switchは、患者の健康情報を管理する登録ベースのデータネットワークである。それはブロックチェーン技術を使って、ヘルスケアをデジタル化、自動化する業界イニシアチブの一環である。銀行を初め供給チェーンなどの産業はすでに、取引を記録するため使われる非集中化(分散化)された台帳としてブロックチェーンを採用し始めている。

医療機関はデータの流動性を高め、医療データの流れを円滑かつ確実にすることができる。目指すネットワークは、データにアクセスする患者を特定し、ネットワーク上で医師と話し合いを持てるようにする。また製薬会社は薬局と接続して、患者が必要とする医薬品を指定することができる。患者を含めて医療関係者すべてが、安全、確実に医療データを転送、共有できる時代の実現を目指している。

 

と言う訳で今後もこの分野のチェックは経営者や在宅医療者なら必須ですね。どんどん知識増やしていきましょう!

 

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