公開日:2018年03月19日

在宅医療者の質を見分けるたった一つのポイント

こんにちは、本日も7時から診療継続中の札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

在宅医療者の質を見分けるポイントがあるのを皆さんご存知ですか?(在宅医療者に限らず医療者全般かも知れませんが・・・)何かなって思うでしょうから先に行っておきますが、自分は在宅医療者の質を見分ける時には

「バッドニュースの伝え方」

をどうしているかが非常に重要だと思っています。なぜか?それを少し書いてみたいと思います。

バッドニュースをうまく伝えるためには何が必要か?

患者さんや家族にとって非常に悪い情報を伝える時、病院医療者であれば感情ももちろんこめますが極力機械的、というかガイドラインを手に取ってそれをもとにして話すことが多いですね。個々の個別性というよりは治療の選択肢の提示とそれを合理的に判断してもらうための情報を提供する、といったことが目的ですのでそうなってしまうのはある程度は仕方ありません。(もちろん度が過ぎる場合は困りますが・・・)

在宅医療者にとってバッドニュースを患者さんや家族に伝えるのには何が必要でしょうか?実はここに在宅医療者のエッセンスが入っているため自分はここがうまい医療者は質が担保されていると思っているんですよ。

バッドニュースを患者さんや家族にきちんと受け止めてもらい理解してもらいためには以下の点をきちんと理解しておく必要があります。

①患者さんと家族の関係はどうか

②患者さんのメンタル面はどうか

③家族のメンタルや立場はどうか

④どのタイミングで言うのが患者さんにとってベストか

⑤同様にどのタイミングが家族にとってもベストか

⑥伝え方はどのように伝えるべきか

⑦どのような順番で伝えるべきか

⑧バッドニュースは1度に伝えるべきか、それとも受け止める時間をつくってもらい徐々に伝えるべきか

⑨周りの医療者、ケアスタッフはどのように感じているのか

⑩その後の治療や療養の選択肢はどのように提示するのか

⑪その後の患者さんや家族のメンタル&フィジカルのフォローを誰がしていくのか

などなど、他にも諸々ポイントはありますが少なくともここまで色々考えた上で話す内容や伝え方を工夫しなければいけません。

どうですか?これだけ考えて伝えることができる在宅医療者ならば

バッドニュースの伝え方がうまい=在宅医療者としての質が高い

と考えていいのではないでしょうか?

 

自分の経験を振り返っても在宅医療開始当初はここまで諸々考えてバットニュースを患者さんや家族に伝えることはできていなかったのではないかと思います。伝えてもその後のフォローが不十分だったり、患者さんには伝わったけど家族が受け止められなかったり、などなど・・・・・今はだいぶこれらを考えて咀嚼してから話すことができるようになった気がします。

 

在宅医療者の質を見分ける時には「バットニュースの伝え方」に着目すべし

これがポイントだと考えています。皆さんはどう考えますか?ご意見あれば教えてくださいね。

 

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