公開日:2018年03月14日

在宅療養支援診療所を開業するまでに準備しておきたいこと

こんにちは、7年前に手さぐりしながら開業した札幌の在宅医@今井です。

現在在宅医療をしてみたい、または自分で在宅医として在宅療養支援診療所を開業してみたいと思っている医師は結構いるのではないでしょうか?そんなお医者さん向けに、在宅療養支援診療所を開業するまでに準備しておきたいことをまとめてみました。やる気のある医師の方、是非参考にしてみてください。

開業するまでに準備しておきたいこと

1目標を設定する

まずはこれですね。目標を設定することが何より大事です。なんのための誰のための開業なのか、そこをクリアにすることが一番重要です。ここが定まっていないと何をするにしてもぶれますし、何かつらいことがあるとすぐに「辞めようかな」って考えが浮かんでしまいます。

ちなみに自分の目標は「今後30年かけて本当に患者さん目線のより質の高い医療組織を自分でつくりあげること」でした。開業当初から誰にも自分の目標を語ることはありませんでしたし今も大きな声ではいうことはありませんが、この目標を自分の30代からの人生の目標として心の奥で何度も反芻しています。

2在宅医療の制度について知る

在宅医療は制度を知ってナンボの医療です。知らないと役に立たない在宅医です。訪問看護の使い方、ケアマネさんの役割、ALSの患者さんへの支援の方法、障害サービスの使い方、医療保険や介護保険のこと、などなど・・・・患者さんは医療の事ももちろん心配ですがそれにかかる費用ももちろん心配ですのでかかる費用の事や高額療養費制度の知識も必須です。

これらのことを完璧にマスターするのにどの程度の期間が必要なのか・・個人的な経験からいうと知ることは1年ほどあれば知ることはできますが、使いこなす、人に教えるレベルまでなるには経験も併せると2年程度の期間は必要ではないかと思います。

病院いきなりやめて在宅医となる先生もいますが正直その先生は在宅の制度についてほぼ知らないでしょうから訪問看護などもうまく使いこなせていないでしょう。

自分で開業するまでに在宅医療の制度について充分知ること、これは必須です。

3ステーションや居宅と顔見知りになる

開業後に必要なのは何よりも集客です。患者さんこない=収入がなくなるので開業医にとっては死活事項です。患者さんを紹介してもらうためにもまずは訪問看護ステーションや居宅のケアマネと知り合いになることは何よりも必須の条件となるでしょう。顔知っていれば(もちろん診療がきちんとしているのが条件ですが)開業当初お願いすれば紹介してもらえますよ~。

4レセプトができるようにする

これが勤務医の先生にはハードルが高いかも知れませんがやっぱり事務さんに任せきりにするのではなく自分でレセプトが全てできるようになっておくって必須だと思います。開業後困るのが診療よりも人事労務の部分が大きいです。医療事務さんが辞めるって言ったとき自分でレセプトができないと非常に困ります。障害や介護のレセプトも含め自分で全て自分でできるようになること、是非チャレンジしてください。

このプロセスを知っておくと②の制度についても造詣が深くなります。

5地域のニーズや事情を知る

これも重要ですね。在宅医療のニーズが低いところは今の所ないとは思いますが地域によっては在宅医がすでに充足している所もあります。どの地域で開業するのが勝算があるのか、①の目的のためにどうすべきなのかは地域の事情を知り尽くす必要があります。

6保健所や厚生局への手続きを知る

これは補足の部分ですがコンサルの使用は絶対やめてください。無駄が多くなります。開業の手続きって意外と簡単ですよ。というか自分でするべきです。行政手続きを人まかせにしていいことはありません。一回やれば理解できますので必ずこれは自分でやれるように確認しておきましょう。

7家族の同意を得る

これも大事ですね。自分は人生で大事なことは家族と楽しい時間を過ごすことだと確信しています。なので家族が同意しなければ開業はしない方がいいでしょうね~。

でも在宅での開業はリスクも少ないし開業資金も少なくて済むため同意を得るハードルはそんなに高くはないと思います。というか一番理解してくれる家族からもこの程度の同意がえられないようであれば開業しないでくださいね。

8開業資金をつくる

自分が考える在宅療養支援診療所の開業資金は医師会費用を含まなければ運転資金も含め300万もあれば大丈夫です。まさかこの程度の資金もないのに開業しようとは思っていませんよね?

という訳で開業資金をつくるハードルは全然低いので心配しないでも大丈夫かと思います。

9人事労務税理の準備は開業してからでもOK

ここらへんは実際自分でやりながら覚えていくしかないので事前準備より開業後に苦労していくことになるでしょう。おそらくどの開業医も開業後に苦労しているのではないかと思います。

 

ということで開業前に準備しておくこと理解してもらえましたか?

開業するにはどうしたらいいか・・・・そう、一番は

教えてくれる在宅療養支援診療所で働きながら学ぶ事

です。開業準備したいですっていうお医者さんいましたら是非ご連絡ください。当院で上記については教えることは可能ですし、開業後についても諸々アドバイスはできますよ~、興味ある方連絡ください!!!

 

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