公開日:2018年01月11日

北海道及び札幌の医療提供体制の現状と2025年の予測~日医の資料を読んで

相変わらずまだまだインフルの患者さんは多そうですね・・・・

 

こんにちは、大荒れの天気が続くのかと思いましたがそんなことはなく現在の札幌は快晴ですね。うーん、訪問するにはいいコンディションの日々が続いており昨年とは雲泥の差です。

さて本日は日本医師会から発表された資料を少し読んでみたいと思います。地域の医療提供体制の現状 – 都道府県別・二次医療圏別データ集 – (2017 年度版)ってものなんですが、各地域の医療状況について述べられています。

北海道も北海道全体と各地域(胆振地方とか石狩とか上川など)ごとに細かくその特徴が述べられていますのでお時間ある方はご自分の地域の現状がどうなっているのか確認されてもいいかと思います。

本日取り上げるのは北海道全体と札幌医療圏についてのみ少しみていきたいと思います。気になるところは赤字にします

地域の医療提供体制の現状 – 都道府県別・二次医療圏別データ集 の北海道の所みてみてください

1北海道全体

【地域の概要】
*人口、面積など: 北海道は、総人口約5382千人(2015年)、面積78454㎢、人口密度は69人/㎢である。

*人口の将来予測: 北海道の総人口は2025年に4960千人へと減少し(2015年比-8%)、2040年に4190千人へと減少する(2025年比-16%)ことが予想される。一方、75歳以上人口は、2015年の768千人が、2025年にかけて1024千人へと増加し(2015年比+33%)、2040年には1050千人へと増加する
(2025年比+3%)ことが予想される。

*医療費と介護給付費: 北海道の一人当たり医療費(国保)は380千円(偏差値58)、介護給付費は238千円(偏差値46)であり、医療費は高いが、介護給付費はやや低い。

【医療の現状】
*入院医療の充実度: 北海道の一人当たり急性期医療密度指数2は1.41、一人当たり慢性期医療密度指数2は1.64で、急性期の医療も慢性期の医療も充実している。

*医師・看護師の現状: 総医師数3の偏差値が49(病院医師数52、診療所医師数42)と、総医師数はほぼ全国平均レベルであるが、診療所医師数は少ない。総看護師数の偏差値は60と多い。

*一般病床等の現状: 人口当たりの一般病床の偏差値は62で、一般病床数は多い。全身麻酔数の偏差値は61と多い。

*療養病床の現状: 人口当たりの療養病床の偏差値は58と療養病床数は多い。

*リハビリの現状: 総療法士数は偏差値55とやや多く、回復期病床数は偏差値50と全国平均レベルである。

*精神病床の現状: 人口当たりの精神病床の偏差値は55で精神病床数はやや多い。

*診療所の現状: 人口当たりの診療所数の偏差値は41で診療所数は少ない。

【介護施設や在宅ケアの現状】
*介護施設の現状: 北海道の総高齢者施設・住宅定員数(介護療養病床含む)合計は、92492人(75歳以上1000人当たりの偏差値60)と全国平均レベルを上回る。そのうち、介護保険施設の定員が45900床(偏差値49)、高齢者住宅等が46592床(偏差値62)である。介護保険施設は全国平均レベルであるが、高齢者住宅等は全国平均レベルを上回る。また、介護職員(介護施設等)の合計は、60082人(75歳以上1000人当たりの偏差値52)で、75歳以上人口当たりでは全国平均レベルである。
施設別の75歳以上1000人当たり定員数の偏差値は、老人保健施設48、特別養護老人ホーム48、介護療養型医療施設53、有料老人ホーム49、軽費ホーム58、グループホーム63、サ高住64である。

*在宅ケアの現状: 在宅療養支援診療所は偏差値39と少なく、在宅療養支援病院は偏差値49と全国平均レベルである。また、訪問看護ステーションは偏差値49と全国平均レベルである。介護職員(在宅)の合計は、10656人(75歳以上1000人当たりの偏差値50)で、75歳以上人口当たりでは全国平均レベルである。

*介護の2025年の需要予測: 2025年の介護充足度指数4は-11%であり、2025年に現在の全国平均レベルの高齢者施設・住宅の定員を確保するには、高齢者施設・住宅の増設、あるいは相当する在宅のインフラ整備が必要である。

 

札幌医療圏

【地域の概要】
*人口、面積など: 札幌(札幌市中央区)は、総人口約2375千人(2015年)、面積3540㎢、人口密度は671人/㎢の大都市型二次医療圏である。

*人口の将来予測: 札幌の総人口は2025年に2293千人へと減少し(2015年比-3%)、2040年に2067千人へと減少する(2025年比-10%)ことが予想される。一方、75歳以上人口は、2015年の277千人が、2025年にかけて430千人へと増加し(2015年比+55%)、2040年には497千人へと増加する(2025年
比+16%)ことが予想される。

*医療費と介護給付費: 札幌の一人当たり医療費(国保)は376千円(偏差値57)、介護給付費は228千円(偏差値43)であり、医療費は高いが、介護給付費は低い。

【医療の現状】
*入院医療の充実度: 札幌の一人当たり急性期医療密度指数2は1.36、一人当たり慢性期医療密度指数2は1.63で、急性期の医療も慢性期の医療も充実している。

*医師・看護師の現状: 総医師数3
の偏差値が53(病院医師数56、診療所医師数46)と、総医師数はほぼ全国平均レベルであるが、病院医師数は多い。総看護師数の偏差値は60と多い。

*一般病床等の現状: 人口当たりの一般病床の偏差値は63で、一般病床数は多い。全身麻酔数の偏差値は67と非常に多い。

札幌には、年間全身麻酔件数が2000例以上の札幌徳洲会病院(Ⅲ群)、北海道整形外科記念病院(Ⅲ群)、恵佑会札幌病院(Ⅲ群)、市立札幌病院(Ⅲ群・救命)、札幌厚生病院(Ⅲ群)、NTT東日本札幌病院(Ⅲ群)、手稲渓仁会病院(Ⅱ群・救命)、北海道大学病院(Ⅰ群)、札幌医科大学附属病院(Ⅰ群・救命)、

1000例以上の国立病院機構北海道がんセンター(Ⅲ群)、国立病院機構北海道医療センター(Ⅱ群・救命)、えにわ病院(Ⅲ群)、JCHO札幌北辰病院(Ⅲ群)、KKR札幌医療センター(Ⅲ群)、勤医協中央病院(Ⅲ群)、天使病院(Ⅲ群)、札幌東徳洲会病院(Ⅲ群)、JR札幌病院(Ⅲ群)、斗南病院(Ⅲ群)、

500例以上の江別市立病院(Ⅲ群)、時計台記念病院(Ⅲ群)、恵み野病院(Ⅲ群)、市立千歳市民病院(Ⅲ群)、小笠原クリニック札幌病院(Ⅲ群)、JCHO北海道病院(Ⅲ群)がある。

*療養病床の現状: 人口当たりの療養病床の偏差値は56と療養病床数は多い。

*リハビリの現状: 総療法士数は偏差値58と多く、回復期病床数は偏差値51と全国平均レベルである。

*精神病床の現状: 人口当たりの精神病床の偏差値は54で精神病床数はやや多い。

*診療所の現状: 人口当たりの診療所数の偏差値は42で診療所数は少ない。

【介護施設や在宅ケアの現状】
*介護施設の現状: 札幌の総高齢者施設・住宅定員数(介護療養病床含む)合計は、37549人(75歳以上1000人当たりの偏差値69)と全国平均レベルを大きく上回る。そのうち、介護保険施設の定員が14638床(偏差値43)、高齢者住宅等が22911床(偏差値76)である。介護保険施設は全国平均レベルを下回るが、高齢者住宅等は全国平均レベルを大きく上回る。また、介護職員(介護施設等)の合計は、21165人(75歳以上1000人当たりの偏差値50)で、75歳以上人口当たりでは全国平均レベルである。
施設別の75歳以上1000人当たり定員数の偏差値は、老人保健施設46、特別養護老人ホーム41、介護療養型医療施設57、有料老人ホーム55、軽費ホーム56、グループホーム62、サ高住87である。

*在宅ケアの現状: 在宅療養支援診療所は偏差値42と少なく、在宅療養支援病院は偏差値54とやや多い。また、訪問看護ステーションは偏差値58と多い。介護職員(在宅)の合計は、4083人(75歳以上1000人当たりの偏差値52)で、75歳以上人口当たりでは全国平均レベルである。

*介護の2025年の需要予測: 2025年の介護充足度指数4は-32%であり、2025年に現在の全国平均レベルの高齢者施設・住宅の定員を確保するには、多くの高齢者施設・住宅の増設、あるいは相当する在宅のインフラ整備が必要である。

 

 

 

ということでこの資料を読んでの感想を少し

①本格的な人口減少社会の到来

②北海道、札幌ともに在宅療養支援診療所って以外と充足していないんだな

③グループホームって少ないと思っていたんだけれど以外と多いんだ

④サ高住多すぎ!!札幌の偏差値87って、そりゃ価格競争起きて在宅じゃなくて施設にばっかり誘導されるわ~~

 

といった感じでした。皆さんの地域はどうでしょうか?感想教えてください。

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