年末へのカウントダウン&片頭痛予防薬、日本でも早期に使えるようになればいいですね

気候の変化か年末の仕事のストレスのせいか片頭痛の患者さん、結構来院されています・・・・

 

こんにちは、外来も在宅も忙しさがピークになってきましたよ。いよいよ年末へのカウントダウンがスタートです。

本日は在宅の初診の患者さんが5人・・・・診療医や看護師ももちろん忙しいですがMSWも診療前後の調整に八面六臂ですし・・・もちろん医事科も算定やその後の確認やらで奮闘しています。こんな時に限って急な往診依頼であったり、外来に大きな疾患もった患者さんが初診で来たりするのを経験しますがなんでなんでしょうかね?まあ当院の考えとしては、外来であっても在宅であっても年末年始も関係なく必要な方にはできるだけ対応してあげたいっていうのが本音です。クリニックだから年末年始は休みなんでしょ?とか患者さんや他の医療者に言われないように頑張って活動していきたいと思います。

 

さて今日の気になる医療ニュースはこちらです。慢性片頭痛の予防としてカルシトニン遺伝子関連ペプチドへ作用するお薬の紹介です。これまでは予防薬としてはデパケンやインデラル、トリプタノールなどを使用していましたが予防に難渋する患者さんもいることは確かです。日本でも早期に使えるようになるといいですね・・・

片頭痛予防薬のfremanezumab、第III相試験でも有効性を確認/NEJM

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするヒト化モノクローナル抗体fremanezumabについて、慢性片頭痛患者の予防に有効であることが示された。米国・トーマス・ジェファーソン大学のStephen D.Silberstein氏らが1,130例の患者を対象に行った、12週間の第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験で、月1回投与、3ヵ月に1回投与のいずれについてもプラセボより、月の平均頭痛日数が有意に減少したという。研究グループは、「長期の効果持続性と安全性について、さらなる研究が求められる」とまとめている。NEJM誌2017年11月30日号掲載の報告。

fremanezumabを毎3ヵ月・毎月投与

研究グループは、fremanezumabの慢性片頭痛に対する予防効果を調べるため、2つの用量レジメンとプラセボを比較する検討を行った。慢性片頭痛患者1,130例を無作為に3群に分け、(1)fremanezumabを3ヵ月に1回投与(ベースライン時675mg、4、8週時はプラセボを投与、376例:3ヵ月ごと投与群)、(2)毎月投与(ベースライン675mg、4、8週時は225mg投与、379例:月1回投与群)、(3)プラセボ投与(375例)を、それぞれ皮下注射で行った。慢性片頭痛患者の定義は、持続時間や重症度にかかわらず頭痛が月に15日以上あり、そのうち片頭痛が8日以上ある患者とした。

主要エンドポイントは、初回投与後12週時点における月平均頭痛日数の、ベースラインからの平均変化値だった。評価対象とした頭痛の定義は、連続4時間以上持続しピーク時重症度が中等度以上であった頭痛、または持続時間や重症度にかかわらず急性片頭痛薬(トリプタン系薬やエルゴタミン製剤)を使用した頭痛で、それらを呈した日数をカウントした。

月平均頭痛日数が、fremanezumab群は2用量群とも約4割で半減

ベースライン時の被験者の月平均頭痛日数は、3ヵ月ごと投与群が13.2日、月1回投与群が12.8日、プラセボ群が13.3日だった。

月平均頭痛日数の減少幅の最小二乗平均値は、3ヵ月ごと投与群が4.3±0.3日、月1回投与群4.6±0.3日に対し、プラセボ群は2.5±0.3日で、fremanezumab群で有意に大きかった(いずれも対プラセボのp<0.001)。

月平均頭痛日数が50%以上減少した患者の割合は、3ヵ月ごと投与群38%、月1回投与群41%に対し、プラセボ群は18%で、fremanezumab群で有意に高率だった(いずれも対プラセボのp<0.001)。
試験薬に関連したものと考えられる肝機能異常は、fremanezumab群でそれぞれ5例(1%)ずつ、プラセボ群は3例(<1%)で報告された。最も頻度の高い有害事象は注射部位副反応の疼痛で、3ヵ月ごと投与群30%、月1回投与群26%、プラセブ群は28%の発生が報告された。次いで硬結と発赤は、fremanezumab群がプラセボ群よりも発生頻度が高かった。

 

ちなみに第2相試験の結果はこちらを参考に

【背景・目的】

カルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide: CGRP)は片頭痛病態に深く関与していると考えらえており、CGRPを標的にした片頭痛治療薬が開発中である。 慢性片頭痛は片頭痛の中でも重症度が高く、患者のADLは著しく損なわれる。慢性片頭痛の有病率は1~2%と推定されており、決して少なくはない。 慢性片頭痛に対してはトピラマートやボツリヌス毒素が治療薬として用いられているが、難治例が多いこともあり経口薬治療に対するアドヒアランスは低く、治療開始6ヵ月後の時点で26~29%、12ヵ月後には17%と報告されている (Hepp Z, et al. Cephalalgia 2015;35:478-488)。 Erenumab (AMG 334)はCGRP受容体に対する完全ヒトモノクローナル抗体であり、すでに発作性片頭痛の予防効果が実証されている。 本論文では、同薬の慢性片頭痛予防効果と安全性を検討した第II相試験の結果が報告されている。

【方法・結果】

2014年4月から2015年12月まで北米とヨーロッパの69施設で行われた臨床試験であり、667名のICHD-3beta版の慢性片頭痛の診断基準に合致する患者を対象とした。 経口予防薬はErenumab投与2ヵ月前から、ボツリヌス毒素注射は4ヵ月前からそれぞれ禁止された。 患者は、プラセボ:Erenumab 70 mg:Erenumab 140 mgの比が3:2:2になるようにランダムに割付けられ、4週間のベースライン測定期間の後に、二重盲検で4週間毎に12週間皮下注射を受けた。 主要評価項目は二重盲検治療期間の最後の4週間 (9~12週)における片頭痛を認めた日数のベースラインからの変化とし、二次評価項目としてはベースランから片頭痛日数が50%以上低下した50%レスポンダー率、トリプタンやエルゴタミン製剤などの急性期治療薬の使用日数のベースラインからの変化、累積頭痛時間のベースラインからの変化とした (いずれも二重盲検治療期間の最後の4週間のデータを使用)。 最終的に評価の対象となった患者はプラセボ群281名、70 mg投与群188名、140 mg投与群187名であった。 ベースライン期間4週間における片頭痛を認めた日数は、プラセボ群18.2 ± 4.7日、70 mg投与群17.9 ± 4.4日、140 mg投与群17.8 ± 4.7日で群間に有意差はなかった。 片頭痛を認めた日数のベースラインからの変化は、プラセボ群で-4.2日、70 mg投与群と140 mg投与群で-6.6日であり、その差は-2.5日(95%信頼区間 -3.5~-1.4日)でプラセボに比較してErenumabの優位が示された (p < 0.0001)。50%レスポンダー率は、プラセボ群で23%日、70 mg投与群で40%、140 mg投与群で41%であった。 プラセボ群とオッズ比で比較すると、70 mg投与群で2.2 ((95%信頼区間 1.3~3.3, p = 0.0001)、140 mg投与群で2.3 ((95%信頼区間 1.6~3.5, p < 0.0001)であった。 また、急性期頭痛治療薬の使用日数に関してもErenumab投与群はプラセボ群に比較して有意に低下していた。 一方、累積頭痛時間のベースラインからの変化はErenumab投与群でプラセボ群に比較して低い傾向にはあったが、有意差は認められなかった。 有害事象発現については、プラセボ群とErenumab投与群との間に有意な差はなく、観察された有害事象も注射局所の疼痛などで重篤なものはなかった。

【結論・コメント】

本研究の結果からErenumabの慢性片頭痛に対する有効性と安全性が確認された。 慢性片頭痛に対しては、抗CGRP抗体であるTEV-48125の効果も既に確認されているため、CGRP受容体とCGRPリガンドのいずれを標的にしても抗体療法は予防効果を示すことが実証された。 忍容性が高いことから、アドヒアランスの維持が困難な慢性片頭痛に対しては非常に適した治療法と考えられる。 片頭痛病態にはCGRP以外にもpituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)38など他の分子も重要な役割を果たしていると想定されている。 抗体療法によるアプローチがCGRPに対して有効であったことから、今後はPACAP38を標的にした抗体療法の開発も有望である可能性がある。



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