過度な専門医志向は医療者も患者さんも両者とも見直す時期にきているのではないでしょうか?
あっという間に12月も折り返しです・・・・・
こんにちは、外来診療をしていると色んな疾患を複数抱えた患者さん、結構診察する機会が多いです。まぁ在宅の現場でもそうでし当たり前と言えば当たり前ですよね。例えばですが高血圧+気管支喘息、だとか認知症+がん、であったり、脳梗塞後遺症の人が帯状疱疹にかかったり、インフルの女性の患者さんからPMSや更年期障害の相談を受けたりなどなど・・
そういう患者さんってある程度こちらでも相談にのり「大体こんな治療が今の状況なら妥当だと思いますよ」っ話をすると8割くらいの患者さんが「専門科にかからなくてもいいんですか?」とか「一通り相談にのってもらえるんですね」っていう反応をされること、多いです。確かに専門医受診する必要のある患者さんも中にはいらっしゃいますが(狭心症疑いや重度の間質性肺炎の評価、血液疾患疑いなど)当院で相談に乗れることはできる限り複数診療科にかからなくてもすむように対応していっています。
ただ患者さんが示すこの反応、やっぱり現在の医療体制が細分化され、専門科の分野しか診療しないってことを進めすぎた結果こうなってしまったんじゃないかなって思います。過度な専門医志向は医療者も患者さんも両者とも見直す時期にきているのではないでしょうか?皆さんはどう考えますかね?(決して専門科の診療を否定する訳ではないですので誤解のないようにお願いしますね)
さて今日は自分が流し読みした中の、いくつか気になる医療ニュースを抜粋していみたいと思います。興味のあるものだけでも確認してみてください。
北海道新聞より
市立札幌病院、44病床削減へ 稼働率低迷、効率化図る
市立札幌病院(札幌市中央区)は、28日をめどに、病床数を747床から44床減らし、703床に縮小する方針を決めた。縮小分は「休止扱い」とし、8階の半分の使用を中止する。病床の年間稼働率(2016年度)が70%と低迷しているため、規模縮小により経営効率を高める。
33診療科がある同病院では、51床削減した15年に続く病床数見直しとなる。8階にある二つの病棟のうち、1病棟を休止して入院患者には別の病棟に移ってもらう。看護師ら医療スタッフも配置転換する。病棟ごと休止するのは初めて。当面は急な患者増に対応できるようベッドなど設備を残すが、問題がなければ許可の廃止も検討する。
今回の見直しで各病棟にあった空き病床が減って人員配置が効率的に行え、看護体制を充実できるという。スタッフの時間外勤務短縮で労働環境改善や人件費圧縮を図り、光熱費や清掃費の圧縮も期待する。
m3より
エイズ検査、ピークより4割減 札幌市内の検査室開設10年 感染者数は高止まり傾向
札幌市の委託で民間が運営する無料のエイズ検査室「サークルさっぽろ」が開設10年を迎えた。札幌市内で新たにエイズウイルス(HIV)感染が判明した人の数は年間20~30人前後と高止まりしている一方、HIV抗体検査を受ける人はピーク時の2008年の6割程度に減少している。サークルさっぽろは「早期発見が大切。不安があれば早めに検査を」と呼びかけている。
HIVに感染すると、体の免疫機能が弱まり、普段はかからない感染症が発症しやすくなる。カンジダ症など23の疾患を発症した場合、エイズと診断される。感染しても症状が出るまでには数年~十数年の潜伏期間があり、早期に治療すれば、エイズの発症を抑えることができる。
札幌市内で無料で検査が受けられるのは各区の保健センターと「サークルさっぽろ」の11カ所。市保健所によると、合計した検査件数は08年度に2672件だったが、16年度は1613件に減少。一方で、16年に新たに確認されたHIV感染者とエイズ患者は33人と、過去2番目の多さだった。
正しい知識を伝えて検査利用を呼びかけようと、16日午後1時から、中央区北4西1の共済ホールで市民向けフォーラムを開く。ゲストはタレントの優木まおみさん。北大の遠藤知之医師が、検査や治療について分かりやすく話す。無料。希望者は直接会場へ。問い合わせは、はばたき福祉事業団(電)011・551・4439へ。
薬事日報より
調剤に対する風当たり
◆2018年度診療報酬改定の議論が大詰めを迎える中、ここ最近の中医協や社保審で、調剤に対する風当たりが強まっている
◆8日の中医協総会では、日医の今村聡副会長が院内処方と院外処方で大きく異なるコストを問題視し調剤料について「早急かつ大胆に是正すべき」と主張。さらに、診療報酬本体における医科:調剤の配分比率「1:0.3」について、「固定する必要はない」と発言した。これは異例のことだが、医薬分業のメリットを示すことができない状況で、処方箋付け替え請求などの不正事案が相次ぎ、付け入る隙を与えてしまったようだ
◆前回改定のように、「1:0.3」に切り込む姿勢を示しつつ、「外枠」メニューなどを駆使して「何とか維持」という結果になる可能性もあるが、2年ごとに訪れる改定のたびに日医の顔色をうかがうのであれば、一体、どこを見て仕事をしているのかということになりかねない
◆自分たちが進むべき方向も見失ってしまわないためにも、大きな方向転換が必要になってくるのかもしれない。
さらにもいっこ道新から
遠隔診療導入費、道が奥尻町に補助 本年度 医師不足の地域に拡大へ
道は本年度、地方の医師不足に対応するため、檜山管内奥尻町に奥尻島内での遠隔診療に使うパソコンやタブレット端末などの導入費を補助する。町国民健康保険病院が患者宅や特別養護老人ホームにタブレットを貸与し、従来の訪問診療の一部を遠隔診療へ切り替える。地方で確保が難しい医療従事者の効率的な働き方や負担軽減につなげたい意向だ。
離島や過疎地で遠隔診療に関連する機材を導入する自治体に対し、事業費の半額を250万円を上限に支援する。本年度初めて募集し、奥尻町が応募した。事業費は、タブレット端末5台、パソコン5台、テレビ会議システム導入などで約500万円を見込む。
島内での遠隔診療は、糖尿病や高血圧、退院直後の在宅患者などを対象に来年2月にも始める。道は事業の中心となる医療機関について、専門医がいる都市部の医療機関にバックアップを依頼することも条件としており、町国民健康保険病院は札幌と函館の医療機関に打診している。難しい症例の場合、テレビ会議を通じて助言を仰ぐ方針だ。
色々記事がありますが、最後の遠隔診療に関して一言だけ。タブレットなどに関しての補助費は結局は長続きしないですし、システム定着のためにもならないから結局無駄になるような・・・・テレビ会議システムなどももっと安価なものや無料のものもあるし、こういうのに税金は投入すべきではないと個人的には思いますが、皆さんはどう考えますか?