公開日:2017年10月02日

2017年下半期のスタートです

2017年下半期のスタートですね・・・・

 

こんにちは、本日から新しい診療所での仕事スタートですが早速色々とトラブルあり対応しています。何とか仕事はできていますがしばらくは忙しい日々が続きそうです。

↓事務さんはレセプト業務忙しい時期です。

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↓一方訪問チームのデスクはあんまり人がいません・・・・

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土日の間に診療所の備品やCT,レントゲンなども一通り入り診察室にもベットや椅子が入りました。

↓こんな感じでアクセントカラーはグリーンとなっています。

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午後からは事務さんとのカンファと訪問、明日は内覧会の準備、明後日は内覧会、木曜はCT他設備の説明などなどの業務が目白押し・・・・本日も時間がないため昼メシは近くの佐藤水産のおにぎりとなりました。

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16日のオープンにむけて少しずつ準備していきたいと思います。

 

さて本日の医療ニュースはこちらです。終末期の患者さんの治療方針ですが自分もこれまでに何人も治療しない肺炎の方を看取ってきました。そこにいきつくまでのプロセスは人それぞれで、治療するべきかしないべきかご家族の方は本当に悩みます。この時に医療者にとって大事なことは、単純にガイドラインの説明をすることではなくて、悩むご家族と一緒に寄り添って考えてあげる姿勢だと思っています。皆さんはどう考えますか?

ヨミドクターより https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170929-OYTET50027/

終末期の「治さない肺炎」とは

日本呼吸器学会は今年(2017年)4月、『成人肺炎診療ガイドライン2017』を公表した。新ガイドラインの最大の特徴は、終末期の「治さない肺炎」という概念が示された点である。なぜこのような新しい概念が盛り込まれたのか。ガイドラインの作成に携わった大阪大学病院感染制御部の朝野和典部長(教授)は、「肺炎に対しては有効な抗菌薬を選択投与することが絶対的に正しく、それ以外の選択肢はないと考えられてきた感染症医療のあり方にも一石を投じるガイドラインになったと考えている」と述べている。

肺炎死亡の97%は65歳以上

肺炎の患者数は日本で増え続けており、死因の第3位となっている。この背景について、朝野部長は「肺炎の発症率が上昇しているのではなく、社会の高齢化に伴い肺炎で死亡する高齢者の割合が増えているだけだ」と説明する。実際、肺炎の年齢別死亡者数(2015年度)を見ると、65歳以上が全体の97%を占めている。

逆に言うと、若年者が肺炎で死に至るケースは非常にまれである。死亡する肺炎は、終末期や老衰などの患者で高率に合併することが分かる。そのため「人生の最終段階の肺炎を契機とした死亡は、老衰か、あるいは肺炎か」「そうした患者に対して、感染症治療を行うことは正しい選択であるのか」という問題が浮上してくる。

「老衰死」の経過の中に肺炎がある

日本では肺炎患者が増える一方で、肺炎死亡率は2011年をピークとして低下傾向に転じている。これは、老衰という診断名での死亡者数が年間約10%の割合で増加しているためと推測される。特に女性では減少幅が大きく、2014年以降の死因は老衰が肺炎を逆転している。

朝野部長は、「『老衰』についての科学的な解明は始まったばかりである」と指摘した上で、「老衰と肺炎は別のものではなく、『老衰死』の経過の過程に肺炎が含まれる、という考えに変化してきているのではないか」と考察した。

死を遠ざけるべきか、受容すべきか?

海外では、高齢者の「肺炎」はどのように診療されているのだろうか。

日本では、延命治療拒否の意思表示の1つとして、「心肺蘇生処置※不要(Do Not Attempt Resuscitation;DNAR)」が知られているが、米国ではDNAR指示の他に「入院を希望しない意思表示〔Do Not Hospitalize(DNH)Order〕」という概念がある。

米国の進行期の認知症患者323人の終末期を調査したCASCADE研究では、DNHを希望する人が半数を占めていた。この意思表示をしている人では、入院による治療が行われないため、死亡のリスクが倍増する。一方、終末期の「快適さ」を評価したスコア(SM-EOLD)は、抗菌薬による治療がなかった群で最も高く、積極的に抗菌薬治療を行った群ほど低下していた。この調査を行った研究者らは「こうした患者に肺炎を疑って抗菌薬治療をすることは、予後の改善とともに、不快さや苦痛をもたらす“諸刃の剣”となり得る」と指摘している。

終末期の肺炎治療は次の病苦を“予約”すること

また、オランダで肺炎を発症した認知症患者193人を対象にした観察研究では、終末期の「不快さ」を評価したスコア(DS-DAT)は肺炎の診断後1日目が最も高く、その後徐々に低下、10日目ごろに安定し、死亡前日に再上昇した。また「痛み」と「呼吸困難」も、同じような変化パターンを示していた。

これらの報告から、朝野部長は「肺炎は治すことができる。しかし繰り返す肺炎を治療することは、次に来る病苦を約束することになる。つまり肺炎の治療は、次の苦しみを“予約”するようなものだ」と考察した。

日本独自の“死の文化”の構築に期待

ここで朝野部長は、従来の肺炎診療ガイドラインについて、「日本の感染症医療には“わずかに死を先送りするために肺炎を治療する”ことを避ける選択もありうる、という当たり前の考え方が乏しかったし、それをガイドラインに成文化することはさらにハードルが高かった」と振り返った。

すなわち、海外では、人生の最終段階での肺炎に対しそもそも治療を行わないケースが多いため、ガイドラインの対象外となりやすい。一方、日本では人生の最終段階の肺炎であっても、患者が病院を受診するため肺炎診療が行われる。しかし、人生の最終段階に起こった肺炎とそれ以外の肺炎を、同一の予後不良の疾患と考えて対応することには大きな矛盾がある。

こうした点から、『成人肺炎診療ガイドライン2017』において、院内肺炎および医療・介護関連肺炎患者では、最初に病気の末期段階や老衰などの終末期の患者であるかどうかを判断し、そのような患者に対しては個人の意思を尊重し、「緩和医療」や「治療の差し控え」、「抗菌薬は使用しないこと」などの選択肢もあることを十分に説明し、本人の意思や家族の意思を確認して治療法を決定する選択肢も設けられるに至ったという。

最後に、朝野部長は私見として「海外の医療は個人の意思の尊重を絶対の価値と見なしているが、日本には、独自の文化の中で醸成されてきた“曖昧”で“優しい”死生観があると思われる。日本独自の“死の文化”を構築していくことも、これからの肺炎や高齢者医療の進むべき道筋であると期待している」と述べた。

 

さて午後も頑張ってやっていきましょうか・・・