施設では質の高い訪問診療自体が結構難しいです

今日は雨の降りそうな中長男の運動会でした・・・・

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こんにちは、当院は現在施設からの訪問診療の依頼は原則あまり受けないようにしています。というかお付き合いのする施設を限定しています。理由ですが①元々2011年の開業時から個人宅での在宅医療に特化するように意識していたこと②医師のマンパワー的に受け入れできる患者さんの限界があること③施設での質の高い診療自体が結構難しいこと、です。

この中では③に関してちょびっと話したいと思います。現在の当院が関わっている施設さんのほとんどはこれまでに施設での看取りも経験していますし、この点では問題ないと思っています。ただ以前訪問していた施設によっては、かなり<うん?>と思う対応もありました。施設での訪問診療は原則的個人宅の診療とは違いご家族が一緒にいることはあまりありません。なのでご家族への対応も、家族-施設ー訪問医とある程度施設が仲介役として機能することが多いのです。なので施設側がきちんとしてくれないと、患者さんとご家族への対応を間違えてしまうリスクが個人宅より高くなってしまいます。またケア一つとってもそのようなあんまり機能していない施設では???となる感じることがより多いような気がします。

とある施設で施設での看取りのために帰ってきた患者さんがいました。自分としては退院時カンファレンスでその旨を患者さん家族と施設看護師との間で共有してもらい帰宅してもらったと思ったのですが・・・・退院後の初回の訪問でまずびっくりしたのが、施設側の看護師さんがバイタル測定が何より大事、と夜間もほぼ1時間おき、ヘルパーさんの毎回の訪問でも測定をずっとしていたんです!!その測定に時間をつかったため、本来看取りのためにしてあげるべきタッチケアや保清、家族への配慮したケアをしていない状況・・・・うーん、これって本末転倒じゃないでしょうか。バイタル測定して血圧に一喜一憂するんではなくて本来看取りのためにしてあげるべきことをしてあげようよと・・・・カンファで話したことは何だったのかと少し悲しくなりました。

またとある小規模多機能併設の高齢者施設では認知症患者さんが落ち着かないとのことで往診の依頼がくることもありました。よくよく聞けば医療的な問題ではなくスタッフのケアの方法が問題であり、そのために現在は施設のとある場所で動かずに困っているとのこと・・・・うーん、それって往診してどうしろっていうのでしょうか?そもそも小規模多機能を併設している施設でのケアの問題を往診医に丸投げって・・・・・

上記はちょっとした一例ですがまだまだ札幌でもこんな施設があるのが実情です。(でも基本的には今うちが訪問させて頂いている所は基本的にはそんなことはない施設さんがほとんどです)施設での診療の質を高くするために以前は積極的に意見を施設にいうようにしていたこともありましたが、そんな施設はこちらがあれこれ言ってもあんまり変わりません。なので現在は施設への診療自体を最初からいかないようにしているという方針となっています。決して昨今の診療報酬が云々~~~で施設への訪問をしていない訳ではありませんので・・・・

 

とまあ色々書きましたが、もし当院への訪問診療の依頼を検討している方で施設への入所も考えている方は、事前に当院に相談して頂ければこちらから質の高い信頼できる施設さんを紹介してあげることもできますのでご一報ください。お願いします。

 

さて本日の医療ニュースはこちらです。せっかくなので高齢者住宅の最近でていたニュース拾ってみますね。

朝日新聞DIGITAL より http://www.asahi.com/articles/ASK5732SKK57UBQU007.html

サービス付き高齢者住宅 事故3362件 要介護者多く

安否確認が義務づけられたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で、2015年1月から1年半の間に、死亡や骨折など少なくとも3千件以上の事故が報告されたことがわかった。制度上は民間の賃貸住宅に近いが、要介護者が入居者の大半を占める例も多く、国土交通省が改善に乗り出す。

サ高住をめぐっては、15年夏に大阪市のサ高住であった「孤独死」をきっかけに、国交省と厚生労働省が自治体にサ高住への指導徹底を求めていた。

朝日新聞は昨秋、全国約21万戸のサ高住を監督する都道府県と政令指定都市中核市の計114自治体に情報公開を請求。97自治体が事故報告書、すべての自治体が運営報告書を今年2月までに開示した。事故報告書によると、15年1月~16年8月末の事故は計3362件で、最多は骨折(1337件)だった。病死を除く死亡は147件。

ただ、自治体によって報告件数は大きく異なった。東京都の301件に対し、愛知県は0件。国が報告すべき事故として、死亡や虐待、窃盗などを例示したため、骨折や薬の配布ミスなどは報告を求めない自治体もあるのが一因だ。

サ高住は、1日1回の安否確認と生活相談が義務付けられている。夜間は緊急通報システムがあれば、職員常駐は不要だ。事故報告書では、半数以上の1730件が個室で起き、そのうち991件は職員が手薄になりがちな午後5時~翌午前9時。北海道稚内市のサ高住では15年12月、個室の床で後頭部を打ち失血死していた入居者が午前6時半に見つかった。巡回は約5時間半前の午前1時が最後だった。

サ高住は11年の創設時、自立した高齢者の「早めの住み替え先」として普及が期待された。制度上は民間の賃貸マンションに近い扱いだが、運営面の報告書では、入居者の88%が要介護認定(要支援を含む)を受け、要介護3以上の重度者も30%と「介護施設化」が進んでいるのが実態だ。民間機関の調査では、入所者の4割が認知症というデータもある。

国交省は6月をめどに各サ高住の夜間の職員数などを明示する情報公表を始める。職員が手薄なサ高住に、手厚い介護が必要な人が入るなどのミスマッチを防ぐのが目的だ。17年度以降に登録されるサ高住には、補助金の支給要件として情報公表を義務づける。同省担当者は「利用者が選択できる環境が必要だ」と話す。厚労省の担当者は「事故ゼロは現実的ではなく、どこまで防げるのかを事業者はきちんと説明するべきだ」と話す。

【サービス付き高齢者向け住宅】 2011年10月に高齢者住まい法の改正で創設された。60歳以上か、要介護認定を受けた60歳未満が主な入居対象。入居者は自分でサ高住を選び、安否確認と生活相談以外のサービスが必要ならば別途、介護事業者などと契約する必要がある。バリアフリーや個室25平方メートル以上などハード面での登録要件もある。株式会社も参入可能で、新築や改修には国の補助金があり、17年度予算では320億円規模。4月末時点の登録数は全国で21万7775戸。

 

 

これからは在宅の施設や医療は数の拡大を追及するのではなく、どれだけ質の深化を追及できるかが一番重要ではないかと個人的には考えていますが皆さんはどう考えますか?