公開日:2017年01月26日

非薬物的な治療やケアについて

週末は札幌の天気はどうなるでしょうか・・・・・・

 

こんにちは、連日訪問診療続けていますが自宅でのお看取りも最近はほぼ2日に1回はあるように思います。これだけ連日に看取りがあると看護師さんや家族の方と一緒に行うエンゼルケア、だいぶうまくなったなって自分でも感じます。皆さんのクリニックやステーションでは何かエンゼルケアの決まりはありますか?当院は各先生にこうしてくださいっていう決まりは特にないですが、言わなくてもどの先生も家族の方や看護師さんと一緒にケアをすることが多いです。その際に自分はできるだけ家族の方によく頑張りましたねってことを繰り返し繰り返し話すようにしています。ご家族とのケアの時間は30分程度ですが看取り後の貴重な時間を一緒に過ごすのは在宅医ならではですね。

 

話は変わりますが最近の自分の認知症患者さんの診療ですが、いかにして薬をださないで治療をするのか、を意識して診療するようにしています。たとえば認知症の患者さんが夜中に徘徊する場合・・・・・普通の外来なら自宅で夜間に徘徊→陽性症状の悪化と判断→グラマリールやセロクエルやリスパなどの投薬→過鎮静etc、などとなることが多いのではないかと思いますが、自分は患者さんが自宅で夜間に徘徊しているのならばまずは家族の方に最近はこう聞いています。”夜間歩いて困ることって何かありますか?”と。大抵夜中に歩くと気持ち悪い、不安だ、とかって一緒に生活している家族の方がどう対応していいか迷うことがおおいのが現実ではないでしょうか。自分はその場合には患者さんにはできるだけ薬はださずに家族の方に”夜間に自宅内で徘徊している分には困る人、家族の方以外にはいないと思います。家族の方の考え方次第で薬のない生活は可能なんですよ”って話しています。もちろんあまりにも陽性症状が強い場合にはその対応では難しいですが、ある程度ケアする人の気持ちのもちよう次第でいくらでも薬の必要ない生活ってできると思います。またある患者さんは絶えず口に手がいってしまい口腔内の炎症がひどい方もいました。その方の対応も陽性症状の悪化だから!っていって薬をだすのではなく、最終的にはご家族の方と色々知恵を出し合って、手が口にいかないように、その方が昔から気に入っていた手芸の道具を手の届く範囲に置いておいて、そちらの方に注意をむけることで手が口の方にいかなくなる→口腔内の状況改善って対応した人もいました。

もちろん中にはきちんと薬をださないといけない人もいますが、こんな風に、家族の方の対応でできることを説明したり、または非薬物的な何かしらの工夫での対応を家族の方と一緒に考えるプロセス、結構楽しいです。それがうまくいった場合は”あぁ、病院にいたときはこんな治療の方法は思いもよらなかったな””在宅医となってから自分の中で投薬以外の治療の引き出しがどんどん増えてきて楽しいな”って心底思います。今までもそうですが、これからも認知症の患者さんに限らず癌の患者さん、老衰の患者さんなど非薬物的な治療の選択、自分でもてるように頑張っていきたいと思います。皆さんは非薬物的な治療やケアの方法、どれくらい選択肢として持っていて、使えますか?自分が在宅のこと本当に基礎から色々教えてもらった訪問看護師さん市内にいますが、その人、本当に達人レベルで色んなケアの方法知っています。皆さんの近くにもそんな勉強になる方、いるといいですね。

 

さて明日は法人の新年会です。ブログでも風景紹介できればと思います。今日はこの辺で・・・