北海道で在宅医療が普及しない理由

元々北海道は在宅死率が日本で最低、など在宅医療や在宅での看取りに関してはかなりの後進地域であると言われてきました。たしかにこの5年間活動してきた中でもやはり病院からの退院は結局居宅ではなく慢性期の療養病床や施設などに流れることが以前として多いのかな、と実感としています。患者さんも一度入院すると本人は帰ってきたいと思っても中々帰ってこれないですね。

在宅への復帰がなぜ北海道で中々すすまないのでしょうか?個人的には以下の要因が考えられるので簡単に羅列してみますね。

①家族形態の変化による独居者の増加、高齢夫婦のみで介護者がいない世帯の増加

②札幌では特にサービス付き高齢者住宅の乱立による施設余りでいつでも入所できる

③24時間対応の往診医の不足

④市民と病院医療者の在宅医療についての知識の不足(訪問看護についてまだ知らない病院医療者も先日いましたし・・・・)

⑤在宅死の意識の低さ

⑥雪国ならではの自宅での生活の大変さ(特に一軒家の維持は大変ですよね。)

などでしょうか。

これから国が在宅医療を本気で推進するのならば上記のような問題を踏まえ、まずは一番重要なのは人生における医療の限界についてきちんとした国民全体でコンセンサスを形成する(どこまで治療することがその人にとっていい人生であるか、死生観についても重要ですね)、その上で在宅でできることとできないことをきちんと理解してもらいその情報を普及させる、かつ医療者も患者家族も納得した上で在宅療養を行うプロセスをどううしていくのか全員で考え地域毎に構築することでしょうか。これから先の10年、20年を考え今札幌でどのように活動したらいいのか、在宅医療の普及活動をどうしていくか、当クリニックでもじっくりと考え今年中には何かできることを小さくでもいいので実行に移したいと思います。

かなり時間がかかると思いますが、これからの50年の医療や人口動態の状況を考えると一刻の猶予もないように自分は思いますが・・・皆さんはどう考えますか?