公開日:2016年03月21日

退院支援は本当にこのままでいいのでしょうか

今回は退院支援に関わる根本的な考え方の違いを感じましたので問題提起してみたいとおもいます。

まずは今回の診療報酬改定で退院支援に関して言及されている部分を簡単に抜粋します。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000112306.pdf より248

 

 

 

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基本的にこの診療報酬の根本にある考え方はやはり病院が指導して初めて在宅医療が導入できる、と言っているように思われます。在宅側は医療面において病院側から指導されることによって初めて質の高い在宅医療を提供できるようになるのだと・・・・本当にそうでしょうか。現在の病院は本当に在宅医療での問題点やそれをとりまく介護の問題など理解しているでしょうか。自分はそうは思えないです。やはり在宅医療に関しては病院と在宅医療に関わる医療機関の考え方の温度差はかなり隔たりがあるのが実情ではないでしょうか。退院時カンファレンスに関してはもっと在宅側を評価する、もしろそちらの方が主導権を握れるような制度となるべきではないでしょうか。

現行の制度のような診療報酬のために病院側も在宅医側も1時間程度の退院時カンファレンスを病院で行っていますが本当にそれでいいのでしょうか。自分は本当の意味での退院支援を行うためのカンファレンス、在宅緩和ケア、在宅医療を導入するためのカンファレンスであれば絶対以下のように行うべきと思います。

カンファレンスの場所は患者さんの自宅でを行うこと、そこに家族やケアスタッフのみであく病院側の医療者や在宅医療サイドが参加すること、問題点は徹底的に患者さんの生活をメインに考え医療的な側面はあくまで生活の一要素にすぎないことを理解しそれに基づき問題点を整理すること、ではないでしょうか。

実際癌末期の患者さんの在宅ケアについては医療的な側面より介護的な問題のほうが主体を占めることは在宅緩和ケアに少しでも関わった経験のある医療者であればだれでも容易に理解できると思います。

本当の意味での在宅支援のための退院時カンファレンスの在り方を考えてほしい、またそれを可能とする診療報酬の在り方になってほしいと自分は考えます。あくまで病院視点での退院時カンファレンス、地域包括ケアはもう捨て去るべきと考えますが皆さんはどう思いますか?本当に患者さんのためになる退院時カンファレンスの在りかたを今後追及していきたいですね。