【開業を検討している医師へ】これから開業するなら在宅医療分野の知識は必須だと考える理由
こんにちは、開業して７年程たった札幌の在宅医＠今井です。
いつの時代も開業を検討する医師は一定数いるもは事実です。ただ実際開業する医師、もしくは開業した後に事業としてうまく継続させることができる医師はそんなに多くはありません。（事業ですから開業するのはあくまでスタート遅延、それがゴールではありません。継続し発展させるのが重要ですよね）
さらにこれからの時代はどんどん社会保障をとりまく状況がどんどん厳しくなる時代・・・・そんな時代にどのような形態で開業すべきでしょうか？まずは自分が開業した理由の一つから書いてみます。
在宅医療の分野で開業した理由
自分が在宅医療の分野で開業した理由、それは新しいチャレンジがその分野には満ちており、努力すればするほど上昇できる環境が在宅医療にはあったからというのも一つの理由です。（それが全てではありませんよ）
勤務医のまま、病院勤務のままではできないことってたくさんありますよね。自分にとっては自分がやりたいことができるフィールドが在宅医療の分野であった、というのも在宅医療が魅力的であった理由の一つです。
そんな自ですが現在どのような開業形態を考えている先生でも是非在宅医療の分野は外せないぞ、と思っています。その理由を書いてみたいと思います。
理由その１ 在宅医療の分野自体が純粋に面白いから
病院勤務の時では患者さんへの対応ってどこか機械的にしている部分が多いですよね。実際そうしないと現場が動かないしそうすることが求められているためそれが正しいのだと思います。
ただそれってやっていて楽しい医療ですか？
僕は純粋に患者さんと関わりたい、診療の枠を超えて心と心の交流がしたいと思っていましたが、病院勤務ではそれが不可能でありましたが在宅では可能です。さらにそのような診療をすることで医療者としての診察する喜びを再認識できますよ。やってみればわかります。楽しいですよ～。
さらに在宅医療の分野は病院と違ってシステマチックになっている所がまだまだ少ない分野です。極論を言えばあなたが作ったルール=地域のスタンダードなルール、となる可能性もあるわけです。０からシステムを作り上げる楽しさ、医療者として事業者としてもとても挑戦的で面白い仕事ですよ。
理由その２ 在宅をしている限り潰れないしリスクも小さいから
開業する時に一番心配なのは「クリニックがつぶれないかどうか、潰れたときの借金がどの程度となるか」です。
いやー、自分も開業するときなけなしの運転資金握りしめて失敗したらどうしようか考えたものです。ただ在宅の分野での開業であれば失敗したとしてもその金額は１年普通に医者として働けば充分返せる範囲ですしリスクはかなり少ないと思います。
家族の説得も普通に開業するより２００％楽ですよ。だってかかるお金が段違いに少ないですから・・・・家族の説得って実は結構大変な作業なんですよ。
あとは在宅医療が現在でもまだ比較的診療報酬上余裕のある分野であることも間違いありません。国はこれからも在宅医療機関を増やしたいと思っていますので極端に下げることはないでしょう。まっとうにやっている限り１０～２０年スパンで考えると在宅の分野での開業は理にかなっていると考えますよ。
え？診療報酬のはしごがはずされるですって？外される前にさらに上に登っていくしかないんですよ、医療機関の経営って・・・・
理由その３ 専門分野での診療所開業が厳しくなるから
ちょっと診療報酬の先行きを学んだものならこれからの診療報酬上のキーワードは「かかりつけ医」っていう単語であることに異論がないかと思います。その対極にあるのが「専門特化」した診療所・・・
大抵開業しようと思う医師は専門特化して開業しようと思うのですが、これからはいくら専門診療をしようとも「かかりつけ機能を無視した開業」は厳しくなることは明らかです。
先が厳しくなる開業形態が明らかにわかっているのにその方針で開業するのは無駄にリスクが高いと思いませんか？
在宅医療の分野で目指すべきもの
在宅医療の分野で目指したいものは個人的には二つあります。爆発的に進行する高齢化社会に対しＩＴやＡＩを駆使しながらどのような質の高い個別的な医療、ケアを提供できるのかを是非追求していきたいと考えています。
この問題は今後どの地域においても５０年、１００年単位で考えて行かなければいけない問題となりますよね。札幌という場所でどのようなシステムをつくっていけるのかできる限りチャレンジしていきたいですね。
もう一つは在宅医療従事者を増やすこと。在宅医療って病院医療とは患者さんへのアプローチの仕方が全然違います。質の高い在宅医療者が増えるためには独学で取り組むより先駆者に聞いてもらった方が絶対早いです。
どんどん培った知識や経験をフィードバックしたい、その結果地域をより豊かにしていきたい、在宅医療者が増えることで病院医療自体も少しずつ変えていきたい、そんな風な目標設定をしていますよ。
開業したいと考えている先生いましたら是非在宅分野での開業を検討してくださいね。当院では開業支援希望の方、研修希望の方をどしどし応援していきます。札幌に限らず北海道、全国で在宅分野で開業希望の方いましたらご連絡くださいね。
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