公開日:2017年11月07日

小児の頭部外傷について

最近朝がめっきり冷え込んできましたね。風邪をひかないように気をつけましょうか・・・・

 

こんにちは、土曜日、日曜日の診療では喘息や気管支炎、あとは診断がつかない腹痛などの一般的な内科診療の患者さんもいらっしゃいますが、頭部打撲や頭痛、めまいなどの相談に来られる方もいます。特にお子さんが遊具に頭ぶつけた、遊具から落ちた、椅子から落ちたで泣いているけどどうしたらいいの?っていう電話も結構あります。

基本的にはそんな時は、(大丈夫かなと9割方思っていても)一度クリニックに来てみせてもらわないと何とも言えませんのできてくださいってお伝えします。

実際先日も3、4歳のお子さんが遊具にぶつけて額が腫れて泣き叫んでいますって連絡あったので来て頂きました。実際診察してみると神経所見もないですし嘔気嘔吐もなし。外表面の問題もないためCTすら撮らずに色々病状の経過や再度受診してほしい症状についてなどの話をしてご家族に安心してもらい帰っていただきました。御家族としても来院の手間はかかったのかも知れませんが安心することはできたと思います。

また自分としても大丈夫と思っても残り1割、もしくは数%かも知れませんが、急に病状変化した子供さんもみていますので、やっぱり電話ではなく来院して実際診せてもらって良かったかなと思っています。

 

・・・・さてそんな診療を続けていますが、MRICに子供の診療と遠隔診療に関するこの記事が出ていました。確かに遠隔診療である程度わかることもありますが、それ以上にやっぱり実際にお会いしないとわからないこと多々あります。自分としては初診はやっぱり病院に来てもらってきちんと診察、その後のフォローは遠隔診療でもいいのかなと思いますが皆さんはどう考えるでしょうか?ここらへんは医療者に何を求めるのかで遠隔診療の範囲を設定することとなると思いますが・・・・でも実際これで急変した場合って医師の責任はどうなるんでしょうかね?自分としては微妙な患者さんはやっぱり怖くて「お手数だと思いますが来院してくれませんか?」って対応になってしまうような気がします・・・・

MRICより

Vol.225 夜間、子どもの具合が悪くなったとき、遠隔診療で診て貰いたい 

大島久美

2017年11月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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夜間や休日に子供の具合が悪くなった時、どうしますか?対処方法が正しいか、診療時間外に病院を受診した方が良いか、など判断に迷いませんか?

私は、現在、いわき市で、1歳児の育児中の内科医です。先日、金曜日の夕方に子供が発熱しました。その夜、40度を超す発熱が続きましたが、比較的元気で水分摂取もできましたので、自宅で様子を見ました。そして、土曜日、小児科の通常診療を行っている医院を探して受診しました。鼻汁と咳もありましたので去痰剤を処方されましたが、「かかりつけではないので、週明けに熱が続いていたらかかりつけ医を受診して下さい」と言われたのみで、状態についての十分な説明も解熱剤の処方もありませんでした。受診後も発熱が持続し、子供の活気もだんだんなくなってきて解熱剤が必要と考えたため、薬局で購入して対応しました。土曜日の夜から皮疹が出現しましたが、何とか水分をとることはでき尿も出ていましたので、緊急で時間外診療を受診する状態ではないと考え、週明けまで自宅で様子を見ました。

インターネットで調べたところ、いわき市の「休日・夜間診察病院」は1か所のみでした。1か所しかない救急病院ですので、特に、緊急性のない受診は控えるべきと考えます。

しかし、受診の必要性の判断は難しいと思います。医学的知識があっても不安になります。子供のつらそうな様子をずっと見ていたり、周囲から「本当に大丈夫?」「病院に行かなくてよいの?」と言われたりすると、不安は増します。特に、夜は人間を不安にし、時間の経過を遅く感じさせます。さらに、子供の病状は刻々と変化します。このような時、「安心」と「安全」は違うと実感します。

最近は、ウェブサイト「こどもの救急」など判断の参考にできる情報もいろいろと入手できます1)。また、厚生労働省の提供する小児救急電話相談(#8000)で電話相談をするという方法もあります。平成25年度実績報告では、いわきのこども救急電話相談の件数は1713件(のべ365日)でした2)。平均すると1日あたり4-5件の計算になりますが、いわき市の人口(346119人、年少人口(0-14歳)41102人、平成29年4月1日)から考えると少ない印象です3)。手段を知らない場合も多いのかもしれません。そして、知っていたとしても、「自分が子供の状態を正確に把握できるか?」「状況を十分に説明できるか?」などと考えると、時間外受診を第一選択とするかもしれません。

休日や夜間のコンビニ受診が問題視されるようになってかなりの時間が経過しています。「コンビニ受診」とはウィキペディア(2014年12月29日)では「一般的に外来診療をしていない休日や夜間の時間帯における、本来は救急外来を受診する緊急性のない軽症患者の行動のこと。」となっています4)。休日や夜間の小児科の受診では軽症が多いことが指摘されております。その原因の一部には、この「安心」の問題があるのではないかと思います。実際、医学的知識があるはずの自分でも、受診して安心したい、という考えが頭をよぎりました。

このような時、電話相談だけでなく遠隔診療が可能となれば、役に立つと考えます。対面診療とは異なりますが、子供のぐったりした様子、特に今回のような皮疹などを実際に確認してもらうことが可能ですので、安心できます。遠隔診療において夜間・休日の救急外来受診の必要性を判断することで、振り分けの機能を果たすことが可能です。振り分けが可能となれば、小児の発熱や皮疹の場合、感染性疾患の場合も多いので、受診による感染症の拡散防止に役立ちます。さらに、患児や保護者にとっても通院や待ち時間の負担軽減になるだけでなく、病院にとっても混雑の緩和につながり、夜間や救急診療の本来の対象である緊急性のある重症患者さんに力を割くことができるようになります。そして、遠隔診療であれば、地域の病院との連携が必要ではありますが、医療過疎の地域でもアクセスが可能です。

厚生労働省は、これまでに何度か遠隔診療の基本的考え方や医師法第20条等との関係から留意すべき事項を示した通知を発出し、柔軟な運用が許容されるようになってきています5)。また、政府もスマートフォンやパソコンのビデオチャット機能を使い、インターネットを介して医師が診療を行う遠隔診療(オンライン診療)を2018年度診療報酬改定で評価する方針を表明しており、今後の普及が考えられます6)。夜間・休日の救急外来受診の振り分け機能としての遠隔診療は、検討に値する分野なのではないでしょうか?

そして、遠隔診療であれば、私のような育児中の女性が在宅等で勤務できる可能性も考えられ、人的資源の有効活用にもつながるかもしれません。

【参考】
1)http://kodomo-qq.jp/
2)https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045c/iryou-kodomokyukyu.html
3)http://www.city.iwaki.lg.jp/www/genre/1455071990247/index.html
4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8B%E5%8F%97%E8%A8%BA
5)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
6)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/

 

 

 

・・・・・前述のお子さんですが待合で全て対応したので結局受診とはならずに窓口相談で帰られました・・・・・うーん、それで良かったとは思いますが全てこの対応していたらクリニックつぶれてしまいますね!(^^)!

 



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