公開日:2017年10月19日

認知症について~最近の動向と当院の認知症外来など

季節が変わってきましたね、朝5時の外は真っ暗です・・・・・

 

こんにちは、外来開始とともに起床時間が5時となり起床後はしばらく暗闇の中活動しています。子供達も一緒に5時に起こしているのですが、この生活リズムに徐々に慣れてくれてきているよう・・・・早寝早起き生活がしばらくは続きそうです。

さて本日は認知症関連の記事を少し。最近みたレポートで以下のもの結構面白かったので時間ある方はお読みください。

↓結構長いです。

認知症に揺れる日本 http://www.asahi-kasei.co.jp/arc/service/pdf/1018.pdf

また交通事故関連ではこの記事もフムフムと思って読んでいました。

↓参考にどうぞ

高齢者の“暴走事故”に潜む認知症のリアル「赤信号でも進みたくなる衝動」「高速道路で象が出現する幻視」… http://wpb.shueisha.co.jp/2016/12/12/76660/

 

また10月18日、昨日行われた中央社会保険医療協議会 総会(第364回)でも認知症に関しての話題がとりあげられていましたので、国が今何が医療現場として問題として考えているのか少しですが理解できます。そちらも参考資料として提示してみます。(こちらはそんなに長くないのでスライド抜粋します)

↓中央社会保険医療協議会 総会(第364回) 資料より http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000180987.pdf P95~

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ということで国としては早期診断=進行の抑制(=医療介護費の削減につなげたい)に重点を置きたい、というのが本音ということでしょうね。

ただ在宅でも認知症の方の診療をしていると、現在の認知症治療をする医療機関にはやっぱり問題があるなって少なからず感じることがあります。それは診断に特化しているためその後の治療が投薬のみしか手段がなくなっているため患者さんや家族の負担軽減に医療機関が寄与していない、ということです。どうでしょうか?皆さんもそう感じることないでしょうか?(体調不良となると在宅での加療の選択肢がないためすぐ入院をすすめたりっていうこともあります。個人的には大腿骨折れていようが脳梗塞に軽くなろうが入院しない選択肢って認知症の患者さんでは結構ありだと思っています。)

さらに言わせてもらうと診断する医療機関は確かに重要ですが、認知症の慢性期の治療に関してはなにより在宅をよく知る、もしくはいつでも在宅医療を実施できる医療機関の存在がなにより重要だと思います。だって患者さんが住んでいる、生活している、問題を抱えているのは自宅での生活においてですよ?現場をみないで問題が解決できるでしょうか?(たとえばですが、火事の現場で消防の指揮をとる人間がいたとします。多数の職種や人がいる現場への指示、現場みずに適格にできるでしょうか?できる訳ないですよね・・・・)

おそらく来年度の診療報酬改定では無理でしょうが、認知症治療においては早期診断、早期加療も重要かもしれません。ただそれよりも現場でもっと頑張っている関係者、(特に訪問看護師さんやこまめにみてくれているケアマネさん)はもっと評価してあげる必要があるんじゃないかな、ここの部分を評価してあげたいなと個人的には感じますが皆さんはどうでしょうかね?

 

 

という訳で長くなりましたが、当院の外来で行う認知症治療は診断というよりは治療自体に重きをおいて診察していきたいと思います。画像検査などの診断は自院では完結しませんので設備が整った病院さんにある程度はお願いすることになるでしょう。ただ外来と在宅医療のシームレスな対応を重視して、その人の価値観にあった医療って本当になんなのかを一緒に考えていく外来としていきたいと思っています。外来にかかっている患者さんであっても往診する、必要な時は訪問看護も提供する、施設などが必要であればSWやケアマネさんも含め対応していく、って多職種で対応できる認知症外来ができたらいいですね。

 


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