がんじゃなくても緩和ケア【在宅医療の現場から】
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
今回は少し専門的な話になりますが、患者さんやご家族にも知っておいてほしいことなので書いてみようと思います。テーマは「非がん疾患の緩和ケア」です。
今井が思うこと
在宅医療の現場にいると、この問題を日々実感します。
当法人の3診療所、訪問看護ステーションでフォローしている患者さんの多くは、がん患者さんではありません。心不全、COPD、慢性腎不全、認知症、神経難病——こういった病気を抱えながら、自宅で生活を続けている方々です。
そしてこういった患者さんや家族の多くが、「苦痛を和らげる医療」、緩和ケアについて在宅医療の前に十分に知らされていない現実があります。
「緩和ケア=がんの末期」というイメージが、まだ根強くある。患者さんも家族も「緩和ケアを勧められた=もう治療しない=あきらめた」と受け取ることが多い。
でも緩和ケアは決して「敗北の医療」ではありませんよね(^^♪
非がん疾患の緩和ケアが特に難しい理由
①終末期が見えにくい
心不全や呼吸不全は、入退院を繰り返しながら少しずつ悪化していきます。「今回も入院すれば良くなるはず」という感覚が続くため、「そろそろ緩和ケア中心に」というタイミングが非常に見えにくい。
認知症も同様で、肺炎・尿路感染症を繰り返しながらゆっくり進行します。「今が緩和ケアに移行するタイミングか」の判断が難しいんですよね。
②「まだ治療できる」という思い込み
患者さんも家族も——そして正直、医療者も——「まだ何かできるんじゃないか」という気持ちが続きやすい。
でも入退院の繰り返し自体が、病気の進行を示す重要なサインです。この事実を早めに共有することが、本人の意思に沿った医療を実現するための第一歩になります。
在宅医療だからこそできること
在宅医療は、患者さんの「日常生活の中に入る」医療です。
病院では見えない「その人がどう生きているか」が見える。だからこそ、「苦痛をどう和らげるか」「どう生活を支えるか」という緩和ケアの視点を、日々の訪問の中で自然に実践できる。
世間的にも非がん疾患への緩和ケアへの認識が徐々に広がることは、在宅医療機関にとっても大きな意味がありますよね・・・当法人でも「がん以外の患者さんへの緩和ケア」を、これまで以上に意識的に実践していきたいと思っています。
患者さん・ご家族へ
「うちの家族はがんじゃないから、緩和ケアは関係ない」——そう思っていませんか?心不全、肺の病気、腎不全、認知症——こういった病気を抱えている方も、苦痛を和らげる医療を受ける権利があります。
「もっと楽に過ごしたい」「痛みや息苦しさをなんとかしたい」と感じたら、在宅医やかかりつけ医に遠慮なく相談してください(^^♪
「がんなのか、非がんなのか」ではなく「この人に緩和ケアが必要か」——この問いを常に持ちながら、在宅医療を続けていきたいと1在宅医としては考えています。
さて今日は外来&病棟&訪問です。頑張ってコツコツと仕事していきたいと思います。
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