資料提供:正常分娩の現物給付化に向けて経営に必須なこと
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
在宅医療とは全く関係のない話ですが、ちょっと気になる分野の記事があったので引用させてもらいます。お馴染みMRICさんの記事で分娩の保険適応に関しての記事ですね。以下興味ある方はどうぞ。4月27日の記事です↓
正常分娩の現物給付化に向けて経営に必須なこと
「産科医療機関と助産所は、今年度から来年度にかけて、大きな変動を余儀なくされる。そこで、特に「正常分娩の現物給付化」に向けて、経営に必須なこととして、知っておいてもらいたいことを列記したい。
1.医療安全管理者配置の義務化について
これは産科のみならず、2026年4月から医療安全管理者の配置が義務付けられた。
・有床の助産所(及び病院、有床診療所)が対象である。無床助産所、無床診療所は対象外。
・医療安全管理者になるための特別な資格はなく、事務職等でも可能である。
・月1回程度の医療安全管理委員会を開き、ヒヤリハットや勉強会などの議事録を残しておくことで要件を満たす。
以上は、産科に限らず、一般的な医療安全に関することではあるが、念のため注記した。
2.健康保険法改正案(正常分娩の現物給付化)について
「正常分娩の保険化」に関する健康保険法改正案が国会で審議されている。
(1) 正常分娩の現物給付化等を含む「健康保険法等の一部を改正する法律案」が2026年3月13日に内閣から衆議院に提出された。両院で可決成立されれば2027年6月頃に施行の予定。
(2) 全国一律の基本単価を国が定め、医療機関や助産所に「分娩費」を直接支払う「現物給付」となる。ただし、一定の現金給付もある。
(3)健康保険法等の一部を改正する法律案について、主な論点は以下の通り。
・保険診療以外の分娩対応を現物給付化し、「分娩費」という給付類型を法定
・「分娩の手当」は、条文上、「分娩に伴い必要となる手当(診療・ケア等)」を意味する言葉
・現物給付化された保険給付を指す言葉としては「分娩費」が該当
・分娩費は、正常分娩でない場合(帝王切開による分娩等、いわゆる異常分娩の場合)にも、保険診療以外の分娩対応を対象として支給
・指定助産所(開設者が厚労省に申請をして指定を受けた助産所※第98条の6)が現物給付の対象となる(※第98条の2:分娩費の支給に関する規定。戦前の従来の「助産の手当」は、今回の改正案では「分娩の手当」という概念が相応するものとして導入されている )。
・分娩の手当に従事する助産師は、登録助産師(厚生労働大臣の登録を受けた助産師) でなければならない(※第98条の4)。
・経過措置として、指定助産所の申請を行わない助産所は「特例分娩取扱施設」として従来の「出産育児一時金」制度のまま業務を継続できる。
・助産所は当面の間、「指定助産所」または「特例分娩取扱施設」が選択可能である(途中で切り替えも可能)。
・第98条の9「指定助産所のみなし指定」について、これは無床の出張分娩専門助産師を救済する意図と思われるが、「法人が開設した助産所」や「複数の助産師で介助を行う場合」が文面上対象外と読めるため、実態に即していない懸念があるので、法律以下の省令・通達で適切な詰めを行う必要があろう。
3.主要な条文の抜粋―分娩費、出産時一時金等の創設等に関する事項
(1) 出産に対する保険給付として、分娩費を創設し、被保険者が、分娩取扱保険医療機関等(分娩を取り扱う保険医療機関(以下「分娩取扱保険医療機関」という。)、保険者が指定する分娩を取り扱う病院等をいう。以下同じ。)又は指定助産所等(厚生労働大臣が指定する助産所 (以下「指定助産所」という。)、保険者が指定する助産所等をいう。以下同じ。)から分娩の手当を受けたときは、その分娩の手当に要した費用について、分娩の手当に要する標準的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める額を分娩費として支給する。(第98条の2第1項、 第2項関係)
(2) 保険者は、被保険者が分娩取扱保険医療機関等又は指定助産所等に対して支払うべき分娩の手当に要した費用について、分娩費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わって支払うことができるものとする。(第98条の2第3項関係)
(3) 保険者は、分娩費に係る審査及び支払に関する事務を医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(以下「基盤機構」という。)又は国民健康保険法に規定する国民健康保険団体連合会に委託することができるものとする。(第98条の2第8項関係)
(4) 保険者は、被保険者が分娩の手当を受ける場合において、分娩費の支給を行うことが困難であると認めるとき等は、(1)の定めの例により算定した費用の額を基準として保険者が定める当該分娩の手当に要した費用に相当する金額を支給することができるものとする。ただし、その額は、現に当該分娩の手当に要した費用の額を超えることができないものとする。(第98条の2第10項関係)
(5) 分娩取扱保険医療機関又は指定助産所において健康保険の分娩の手当に従事する医師又は助産師は、保険医又は厚生労働大臣の登録を受けた 登録助産師でなければならないものとする。(第98条の4関係)
(6) 指定助産所は、厚生労働省令で定めるところにより、当該指定助産所において分娩の手当に従事する登録助産師に分娩の手当に当たらせるほか、分娩費に係る分娩の手当を担当しなければならないものとする。また、分娩取扱保険医療機関又は指定助産所において分娩の手当に従事する登録助産師は、厚生労働省令で定めるところにより、健康保険及びその他医療保険各法による分娩の手当に当たらなければならないものとする。(第98条の10、第98条の13関係)第98条の2第2項第1号(指定助産所の指定は、政令で定めるところにより、助産所の開設者の申請により行う。(第98条の6第1項関係)
(7) 出産に対する保険給付として、出産時一時金を創設し、被保険者が分娩取扱保険医療機関等又は指定助産所等から分娩の手当を受け、出産したときは、政令で定める金額を支給するものとする。(第101条関係)
(8) 分娩取扱保険医療機関等又は指定助産所等の管理者は、あらかじめ、分娩の手当を受けようとする被保険者に対し、分娩費及び出産時一時金の支給に係る分娩の手当の内容、費用その他の厚生労働大臣が定める情報を提供するものとし、また、分娩取扱保険医療機関又は指定助産所の管理者は、それらの情報を厚生労働大臣に報告しなければならないものとする。厚生労働大臣は、当該報告を受けたときは、被保険者に分かりやすい形で公表するとともに、その周知に努めなければならないものとする。(第98条の22、第98条の23関係)
(9) 出産に対する保険給付として、家族分娩費及び家族出産時一時金を創設し(1)から(8)までに準ずる。(第112条の2、第114条関
(10)分娩費、出産時一時金、家族分娩費、家族出産時一時金等の支給に要する費用の一部については、政令で定めるところにより、高齢者の医療の確保に関する法律の規定により基盤機構が保険者に対して交付する出産交付金をもって充てるものとする。(第152条の2関係)
(11)その他所要の改正を行う。
4.注意を要する条文
(1)指定助産所のみなし指定
「助産所が助産師の開設したものであり、かつ、当該開設者である助産師のみが分娩の手当に従事している場合において、当該助産師について第98条の4の登録があったときは、当該助産所について、第98条の2第1項第1号の指定があったものとみなす。ただし、当該助産所が、第98条の6第2項に規定する要件に該当する場合であって厚生労働大臣が同号の指定があったものとみ なすことが不適当と認められるときは、この限りでない。(第98条の9関係)
上記(1)は、「出張のみによってその業務を行う助産師」(医療法第5条)などを想定した簡便さを旨とした規定である。
(2)厚生労働大臣の指導
「分娩取扱保険医療機関及び指定助産所並びにこれらにおいて分娩の手当に従事する保険医(分娩の手当に従事する医師に限る。次条第1項において同じ。)及び登録助産師は、健康保険の 分娩の手当に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。」(第98条の19第1項関係)
(3)分娩取扱医療機関又は指定助産所の報告等(いわゆる「監査」) 「厚生労働大臣は、分娩費に係る分娩の手当に関して必要があると認めるときは、分娩取扱保険医療機関若しくは指定助産所若しくは分娩取扱保険医療機関若しくは指定助産所の開設者若しくは管理者、保険医、登録助産師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)
に対し報告若しくは診療録、助産録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、分娩 取扱保険医療機関若しくは指定助産所の開設者若しくは管理者、保険医、登録助産師その他の従業者 (開設者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは分娩取扱保険医療機関若くは指定助産所について設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」
(第98条の20第1項関係)
上記(2)(3)の指導・監査の結果、支給された分娩費を自主返還せねばならなくなったり、上記(3)の監査の結果、「指定」を取り消されることもあるので、常日頃から法令に違反せず、かつ、丁寧なレセプト請求をすることが肝要となるのである。」
法的な関連事項を網羅して教えてくださって本当に貴重な記事だと思います。ありがとうございました!!
読んでの感想は・・・今井としては
ここまで変化の労力をかけて、今更保険適応化する意味ってあるの?
っていうのが正直な感想ですが、皆さんのご意見はいかがでしょうか??
地方で一人で頑張っている先生の中には、これを読んでがちがちに縛られた保険診療でやることを諦めた人もいるかもしれません。「いい機会だからもうやめようか」って。また新規開業する医師についても、正直これだといつ制度がどうなるかわからないので躊躇するっていうのが実際でしょう。
ということで今井が考えていることは、国は結局は分娩を保険適応化させたいのではなく、分娩可能な医療機関を集約化させるための手段として上記手段をとったのでしょうね。表向きは自由開業制とはいいつつも、実際はそれが無理なように仕向けていくという・・・
ただ競争がなくなり公的な医療機関のみでの分娩となったら、それはそれでサービスの硬直化、無駄な費用が増加するなどのデメリットも増えると思うのは自分だけでしょうか??
実際この制度改定が行われてから地域にどう影響がでていくのか、ちょっと先のことですが注意して定点観測していきたいと思います。皆さんのご意見はいかがですか?
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