公開日:2025年12月07日

施設における訪問看護の報酬は”包括化”でしょうかね【ホスピス住宅、医師に不適切要求 虚偽の病名や過剰な訪問回数】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です

 

ホスピス住宅における訪問看護について、日本在宅医療連合学会から気になるリリースがされていました。ヤフーでもニュースになっているので以下どうぞ。12月6日の記事です↓

ホスピス住宅、医師に不適切要求 虚偽の病名や過剰な訪問回数

「末期がんや難病患者向けの有料老人ホームなどで、入居者への訪問看護について医師が指示書を発行する際、ホーム側に都合のいい虚偽の病名や過剰な回数を書くよう不適切な要求をされたとの回答が4割に上ることが6日、日本在宅医療連合学会の調査で分かった。  こうしたホームは「ホスピス型住宅」と呼ばれ、近年各地で急増。入居者向けの訪問看護ステーションを併設し、利益を目的とした不正・過剰な診療報酬の請求が横行していると指摘されていた。今回の調査で実態が裏付けられた形だ。現場のケアの質に対する医師の評価も低かった。  調査は同学会が10~11月、会員の医師約3400人を対象に実施。約490人が回答した。  訪問看護の実施には入居者について主治医の指示書が必要。「指示書に記載する病名に手心を加えるよう求められたことがあるか」尋ねると、40%が「ある」と答えた。「頻繁な回数や複数人での訪問が必要」と書くよう求められた経験も、37%が「ある」と回答した。多数回や複数人での訪問をすると、ホーム側に入る診療報酬はその分増える。」

 

ということでせっかくなので元資料も確認したいと思います。日本在宅医療連合学会HPより

ホスピス型住宅における訪問看護と訪問診療の連携に関する実態調査報告(速報)

内容を見てもらえればわかりますが、実質不正とまではいかなくてもホスピス住宅における訪問看護の提供には大きな問題が内包されていることが理解できると思います。

解決策は

「訪問看護報酬の包括化」

これしかないのではないか・・・指示書に訪問回数を記載なんてことは訪問診療医が訪問看護の業務内容を一人一人の患者で全て理解、確認しなければならず、実質的にそれは臨床の現場では時間的にも資質、業務的にも不可能なので。

運営する株式会社がいくら「不正はない」って声高に言ったとしても、中身をみて納得できる社会人の方はいないのではないでしょうか?だってその原資は皆が死に物狂いで負担している社会保険料なんですから・・・

訪問看護の在り方、2010年代とは大きく変化してきています。社会に必要とされる看護はどう在るべきなのか、考えさせられますね。そう思いませんか??

 

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