10の言葉に100の意味を込める方法
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です。
先日とあるがん患者さんの今後の自宅療養の方針について、ご本人とご家族さんにゆっくり時間をとって説明させて頂きました。
今後の病状の予想される進行具合、その時の医療、介護的な対応方法について、取りうる選択肢について、等々・・・最終的には決断は患者さんとご家族になると思うのでそのために必要な説明はきちんとさせて頂きました。
「今すぐ決めなくていいですし決めたことを変えてもいいです。ゆっくりご家族で話し合ってみてください」
とお伝えし退室してきました。
・・・個人的には伝えたいことが100あるとしたら、100全てを説明しお伝えしても情報過多になってしまって、ご本人もご家族も決められないこと、もしくは決断しても希望通りの決断とはならなかったことを今まで経験しています。
なので100伝えたいことがあったとしても10の言葉で100を伝えるように意識していますよ。
10の言葉に100の意味を込める方法・・・皆さんならどうされますか?
自分はこんな感じで1つの言葉に多くの意味を込めています。
1)話をする順番を考える
強調したい部分はどこなのか、患者さんや家族があとでもう一度相談した時に、記憶に残るパートがどこになのかを意識して話をしています
2)言葉の選択を意識する
例えば「余命はあと1か月程度です」という直球の言葉を使って余命を伝える方法と、「ご本人が希望していた、庭のたくさんのお花が花開くのをこの目で見たいという時期まで頑張るのは、少し難しいかもしれませんね」という言葉ではだいぶ伝わり方が違いますよね。
その時その時にその患者さんや家族の琴線に触れる言葉の選択をすること、多くの意味を言葉の中に込められると確信しています。
3)視線や手振りなどノンバーバルコミュニケーションを効果的に使用する
4)考える余白が残るように話をする
3)4)は説明文章書くのめんどくなったので書いていませんが!(^^)!、シンプルな言葉に多くのメッセージを込める方法は大体上記のような方法で達成できるのではないかと思っていますよ。
10の言葉で1の意味しか伝えられない人、10の意味をそのまま伝えられる人もいます。ただ在宅でうまくコミュニケーションをとり、患者さん家族に満足してもらいたいなら、10の言葉で100の意味を伝えられるようになってほしい・・・自分はそう在宅の医療者に希望していますよ。
いかがでしょうか?皆さんは言葉に意味を持たせるために、どのような工夫をされていますか?
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