２０２４年の在宅医療関連の診療報酬改定を考える上で読んでおきたい資料のご紹介～第５４２回中医協総会より～
こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＠今井です。
３月２２日に中央社会保険医療協議会 総会（第542回）が開催されました。その議題はこんな感じの内容でした↓
前回改定が行われた分野について、この１年ちょっとの間でどのような結果がでているかの確認の資料が公開されたわけですが、この資料をもとに次回２０２４年、令和６年の診療報酬改定に向けてある程度議論が進んでいくことを考えると、在宅医療関係者ならとりわけ
（１）在宅医療、在宅歯科医療、在宅訪問薬剤管理及び訪問看護の実施状況調査
は確認しておきたいところかと思います。資料は本文と概要の２種類あるんですが、本文はメチャ長いので概要だけ理解しておけば十分かと思いますよ。
ということで確認した上で以下に資料の中で今井が気になった部分数枚スライド抜き出したいと思います↓
ということで結局数枚といいながら１０枚以上のスライドとなってしまいましたが!(^^)!内容をまとめると
①国が目指した外来→在宅へのスムーズな移行は目論見通りにはいっていない
②オンライン診療に関しても在宅領域においては全く普及していない
③まっとうに診療していれば必ず算定できる在宅緩和ケア充実診療所加算も、機能強化型在宅療養支援診療所ですら１／４程度しか算定していない。実際終末期患者さんの受け入れも２０％程度の診療所しか積極的に受け入れていない。
④本人の意思が確認できるのが５０％→逆に言えば残りの半数は「本人の意思が確認できない状況」での医療の提供となっている。（社会問題化する可能性が高いと思っています）
⑤訪問看護ステーションは大規模化の一途だが専門や認定、特定行為研修修了者がわずかではあるが徐々に増えてきている。
っていうのが資料から理解できました。他にもリフィルなどについても言及ありますが今回は触れていません。興味ある方はご自分で資料目を通してみて下さいね!(^^)!
このままの進捗状況では在宅医療のニーズが爆発的に増加する２０３０年以降を、全くもって準備が不十分な状態で迎えることになりそうだな・・・自分はそう感じましたよ。国もおそらく同じように考えているはずです。特にオンライン診療が全く在宅の現場で普及していないし普及する素地すら現状では見えないのは完全に思惑とはずれているのではないでしょうか？
おそらくこの巻き返しのために２０２４年の同時改定は、在宅分野ではかなりインパクトの大きい変化が起きるだろう・・・自分はそう考えています。
これから在宅分野での開業を考えている先生は２０２４年の改定がどのようになるのか、きちんと理解してからの方が無難かもしれませんね。医療と介護の同時改定は６年に１度なので、場合により事業の方向性を考えたほうがいいかもしれません・・・・（一番無難なのはかねてから自分が行っているかかりつけ医外来＆在宅医療の組み合わせかなと思いますが）
ということで資料を読み込むことで色々と考えるきっかけにはなると思います。見たい現実と見たくない現実、両方とも”現実”ではあるので、きちんと目を開いて向き合っていきたいと思っています!(^^)!皆さんは上記資料読んで何か考えることありますか？よければ教えてくださいね。
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