在宅医療の現場でできる検査は限られる。けれどそのために医療の質が上がることもありますよ。
こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＠今井です。
たまに在宅医療について「在宅って結局CTもMRIもないし検査はあまりできないから医療の質はどうしても低くなるんでしょう？」って病院の医療者から聞かれることあります。
それに対して在宅の医療者自身も「確かにできることは限られているからそう言われればそうですね。」と答えることも、ままあります。
ただ自分としては仮にそう聞かれたら、
「確かにできる検査は限られていますが、でも医療の質は逆に病院より高くなることもありますよ」って答えると思いますよ。
なぜ？物事には必ずいい面と悪い面、両者があります。どちらから一方のみのことなんて１００％あり得ませんよね。利点、欠点は表裏一体です。
病院では自由に検査が、好きな時に好きなだけすることができます。これはこれでいい面なのですが、その代わりそもそもその検査がその患者さんに必要なのか、検査しなくても十分理解できる所見が患者さんの訴えや身体所見にでているのではないか？といった面がどうしても軽視されがちです。結果話をあまり聞かないで、検査が優先されるといった事態になっていますよね。
話を聞かずに検査した結果に基づいて本当に患者さんが希望している医療が逆に行われなくなる・・・・往々にしてそういうことは起こる可能性って在宅より病院の方が高いと思いますよ。
在宅の場合は確かにできる検査は限られるのはデメリットですが、その代わり患者さんの訴えや身体所見を十分に聞く習慣が身に付きます。そして（あくまで自分の経験ですが）それによって疾患の精査や治療のために検査をするという選択をしなくても、もっとよい医療、患者さんにあった最適な医療を提供することが、逆に在宅の場合だからこそ可能な場合ってあるんですよね。
検査ができるからいい医療？いえいえ、できないからこそいい医療ってなる場合も十分あり得ます。
在宅医療を受けたいと思っている患者さんや家族の方、自宅に帰った後のことを不安に思わずに安心して帰ってきてください。きっと経験ある在宅医や訪問看護師さんが十分サポートしてくれますから・・・
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