公開日:2022年09月17日

”患者さんを在宅で診察する”方法って在宅医により全く違います。

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

多くの在宅医の診療を観察していると、患者さんを在宅で診療する方法って本当に人によりまちまちなんだな、とよく理解できます。その中で医師が患者さんの状態を把握する方法って大別すると二つに大きく分かれると思います。

一つ目は患者さんに関しての情報をできるだけ自分なりに要約し簡素にまとめておく方法。できるだけ文章として短くなるような形でまとめることで、短時間で効率よく患者さんの全体像やを問題点をすぐに把握できるようなメリットがあると考えてこのような方法をとる先生がいますね。どちらかというと病院勤務歴が長い先生がこの方法とるかな、と思いますよ。

二つ目は患者さんに関しての情報をできるだけ敢えてまとめないで、患者さんの言うがままに、たくさんの情報を取得する方法。患者さんの生活歴や考え方、家族の背景など本当に細かな点まで無駄話を聞くことでこそ患者さんの状態が把握できると考える医師がとる方法です。現状ではベテランの在宅医の先生とかはこっちの方法好む先生が多いのかなと思いますよ。

自分は患者さんの状態把握するのに後者の方法をとることが多いです。ただデメリットは何せ聴くのに時間がかかるし、どこまで集めた情報をまとめるのかも大変ですよね・・・

両者とも相反するメリットデメリットあってどちらがいいという訳ではないので、自分の診療スタイルや在宅医療に対する考え、向かい合い方によって状態把握の方法は決まるのかなと思います。

 

 

カルテ記載で言えば、前者が例えばACPを例にとると

「ACP:積極的な治療は希望せず。自宅看取り希望。疼痛緩和のみ、救急搬送基本不要。」となるのに対し後者は

「ACP:これまで化学療法を継続し患者さん自身の中では治療を十分に頑張ってやってきたと考えている。これ以上の治療はもう十分ではないか、そう考え積極的な治療はもう望んでいない。ただ家族は本当に治療しなくていいのか迷っている現状があるため体調変化時には患者や家族にはよく説明が必要だろう。また病院に入院しても妻や子供が十分に面会ができないことが一番の苦痛であると患者家族ともに理解しているため自宅看取りを希望している。

疼痛緩和に対しては自身の父が癌性疼痛で苦しんだ経緯もありそのような状態にはなりたくないと強く希望、麻薬の使用、CADDの使用ともに現状理解あり。ただ妻はCADD使用に一抹の不安あり。救急搬送は本人は必要ないとのことだが改善できる病状であれば短期間なら入院も・・・と妻は考えているようだ。」

 

みたいな感じになりますね。どちらのスタイルがいいのか皆さん個人のお考えはどちらでしょうか?

自分は簡素なまとめで患者さんや家族を把握してしまうのは何か在宅医療や在宅緩和ケアを受ける患者さんや家族に対して失礼な気がして&人間として患者さんを診ていきたいっていう気持ちがあるのでどうしても後者になりますね・・・カルテはそんなに書いていないですが!(^^)!

 

あなたの周りの在宅医はどちらでしょう?よければ教えてくださいね。

 

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