公開日:2022年09月06日

中国における社会保障状況の一例~資料提供「北京銀行での行列、原因は引き出し自由な‘医療専用口座’の存在」~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

海外の医療状況の記事はできるだけ目を通すようにしていますが、その中でちょっと面白い記事がありましたので紹介します。ニッセイ基礎研究所さんから↓

北京銀行での行列、原因は引き出し自由な‘医療専用口座’の存在

「・・・・北京市が管轄する公的医療保険制度は、雇用主である企業と従業員である個人がそれぞれ保険料を拠出している2。雇用主が拠出した保険料は北京市共通の基本医療保険基金に積み立てられ、入院給付などに使用される。従業員の拠出分は、医療保険専用の個人口座(医療口座)が設置され、積み立てられる。北京市では、この医療口座を北京銀行や北京農村商業銀行が管轄している。医療口座は、本来、通院の自己負担部分の支払いや、診療後の薬代の支払いの際に活用するために設置されたものである。

しかし、北京市においては、これまで医療口座の資金を自由に引き出すことができ、別の目的で使用することも可能であった。行列ができたのは、北京市当局が8月19日に、9月1日以降、医療口座の資金は医療費などの支払いに限定すると発表したためである3。焦った加入者が北京銀行に押しかけ、医療口座の資金を引き出すといった事態となった4

この医療口座は医療保険制度の改革の一環で1990年代半ば以降、全国で導入されている。一度も引き出していないとなると、人によってはそれなりの金額が積み立てられていることになる。銀行側は、9月1日以降、医療保障カードなどを通じて、本来の目的である医療費への支払いなどに限定されることになるが、医療口座の資金は没収されるのではなく引き続き本人のものであること、医療口座の管轄は市の専門機関に変更となるが、口座の資金残高は医療保険専用サイトで引き続き確認できることなどを説明し、事態の収拾をはかった。

通院給付の政策緩和は、医療保険制度全体から見れば部分的ではある。しかし、疾病リスクの低い加入者から、高齢者などリスクの高い加入者へのリスクカバー範囲が拡大することになる。また、保険料は所得に応じて徴収されていることから、給付上限がなくなることで、再分配の効果も向上することになるであろう。北京市当局は、この通院給付の緩和措置によって恩恵を受ける加入者は17万人、負担軽減はおよそ10億元にのぼると試算している8。国としても医療保険におけるリスク分散、再分配機能の向上を目指しており9、その先には所得格差の是正、共同富裕の実現がある。今般は、北京銀行での行列によって注目が集まったが、北京市当局の政策は、制度における機能を健全化し、更に、社会保障の役割である所得格差の是正に向けた小さな一歩と捉えることもできよう。」

 

なるほどねーって感じです。中国は電子決済が日本よりはるかに普及していますし口座管理や金銭の流れもかなり詳細に当局に把握されるでしょうから、9月前に引き落とす、というのは自分も庶民としてはよく理解できますね!(^^)!

 

各国の社会保障制度は根本が違うため枝葉も大きく異なってきますが、それでも比較しながら自国を見直すと将来的にどのような方向性になっていくのか、行くべきなのかが理解できてとても参考になりますね。皆さんも海外の社会保障の記事で何か参考になるものあれば是非教えてくださいね。

 

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