現在の高齢者医療において在宅医療をしていない医者はかかりつけ医とは呼べません。
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
連日外来でも訪問でも要介護状態、認知症、がん終末期など、疾患に関わらず色々な患者さんを診察させてもらっています。そんな地域のかかりつけ医として外来診療をしていると「外来診療以上、在宅医療未満」の患者さんが増えてきているな、肌感覚としてそう実感しています。
「外来診療以上、在宅医療未満」とは、外来診療では生活まで含めてのトータルケアが難しい状態だけれども、身体的、金銭的、社会的、患者さんの意思含めて在宅医療で対応することができていない状態の患者さんを指してします。
例でいうと、AYA世代で働きながら緩和ケアを受けていている患者さんであったり、在宅医療を受けるお金がない患者さんであったり、認知症が主体で本人がまだ診療所まで通院することを生きがいにしているけれど周辺症状がかなり進んでいる患者さんであったり、と様々です。
こんな「外来診療以上、在宅医療未満」の患者さんを外来診療で包括的に診察していく場合、重要なことは在宅医療の経験に基づいた想像力です。
「おそらくこの人の生活は○○だから薬の飲み方は・・・・だろうな、だからこうしたら家族の負担が楽になるのかな」、とか
「この患者さんと家族に関わる訪問看護はここが困っているだろうから、こうしてあげれば少し楽に介入できるようになるかな」、とか
「今後心不全の病状が○○と進行するだろうから、その時に備えて介護保険や福祉用具、ヘルパーさんをを◆◆と調整するようにケアマネさんに情報提供しておいてあげた方がいいかな」
などなど・・・全てこれまでの自分の在宅医療の経験に基づいて、その人の生活や社会背景まで考えた上での診療を外来で行っています。ただこれもやっぱり限界があって、想像しながら診療するのって本当に難しいんですよね・・・
今後高齢者のかかりつけ医となるクリニックの医師の中には在宅医療をしたことがない医師も増えてくるでしょう。ただ自分としては、在宅医療の経験があってもこれだけ診療が難しい外来患者さん、在宅の経験のない医師がどれだけ他職種と連携しながら診療していけるのかは非常に難しいと感じています。(本当は在宅医がもっと外来診療すればいいんですが、経営上の問題もあり皆さん完全予約制とかであんまり外来診療には力を入れていないですよね。)
現在の高齢者医療において在宅医療をしていない医者はかかりつけ医とは呼べません、自分はそう考えていますが皆さんはどう考えますか?
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