患者さんが自宅に帰るかどうかを、在宅医療の実際を知らない相談員が決めるのはおかしいですよね。
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
とある外来患者さんが現在○○病院に入院していますが、先日その奥さんが外来に相談に来られました。
内容としては入院してから食事量が全然進まず病院の主治医からは胃瘻か中心静脈点滴を勧められているとのこと・・・・外来でお元気な時に自分が確認したときは「余計な事はしてくれるな、胃瘻は断固拒否」ということだったので、その旨を奥さんに話をしたところ奥さんも覚えていてくれました。(体調変化したときに備え外来でもACP聞いておくことって重要ですよね)
なので今後は他の御家族とも点滴はするかどうか、するならどの程度するのか、また今の病院がもう少ししか入院できないので医療処置をするならどこに転院や転居して行うのか、自宅退院はするのかどうか、なども少し相談していました。(まぁこんな時は外来でも1時間くらいは時間がかかるものです。だから当院の外来は数がそんなにこなせないですよね。)
奥さんとしては自宅退院という考えもあるようですが、病院の退院支援の相談員さんからは「この状態でどうやったら自宅に帰れるんですか?」「夜中に勝手に動いて転んだらどうするんですか?」「奥さんが本当に看れるんですか」などなど在宅復帰には否定的な考えのようで転院か有料魯老人ホームへの入居を勧めてくると・・・・自分の考えとしては患者さんが自宅に帰るかどうかを、在宅医療の実際を知らない相談員が決めるのはおかしいんじゃないかなと思いますが皆さんはどう考えますか???
結局は奥さんと話をして費用的に有料老人ホームは難しそう、療養病院はケア的に満足できなさそう、など諸々の理由から在宅復帰を考えてみることとなりました。もちろん在宅でできることできないこと、実際にするとしたらこんなサービスありますよっていうことを在宅医療をやっている自分やケアマネさんがゆっくり説明して納得してもらって、という手順で話をすすめています。
在宅復帰できるかどうかって相談員の方の言い方ひとつで家族の方は自信もつくことがあるし、逆に不可能って思うこともありますよね。できれば相談員の人にも在宅医療の現場をどんどん実際に見てもらって患者さんや家族に自信をもって在宅復帰できるようにフィードバックできるようになってもらえればいいですね・・・・
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