公開日:2018年05月23日

【町立和寒病院、療養病床設置できず!!】地方の医師、看護師不足が加速していく中医療機関はどう生き残るのか・・・

こんにちは、北海道の医療情報はできる限り知っておきたい札幌在住の医師@今井です。

さて道内の病院のニュースをどんどんとりあげていきましょう。やっぱ地元のことはきちんと知っておきたいですし、何より知ることで札幌でどうこうどうすべきかを判断することが可能になります!

今回はこれまでの釧路や美唄の病院に続いて和寒町立病院に関してです。

まずは和寒ってどこ?って思っている方にこちらの地図をどうぞ!

↓和寒は旭川の北に位置していますよ。

さらに付け加えるなら人口は3560人、高齢化率は42%を超え道内でももっとも高齢化がすすんでいる自治体でもあります。

そんな和寒ですが町立病院に関して、道新で以下の記事が出ていましたのでご紹介します。

看護師不足で療養病床設置できず 町立和寒病院 予定では4月から

【和寒】町立和寒病院で4月から実施する予定だった病床の変更が、看護師不足で行われていない。同病院が昨年7月に策定した改革プランで、一般病床を30床から10床に減らし、療養病床20床を新たに設置する計画だった。町は不足する常勤看護師2人を10カ月以上募集しているが応募はわずかで、22日現在、採用には至っておらず、看護師確保の難しさに直面している。

 町は昨年7月、長期的な病院経営健全化に取り組むため、総務省と道が示したガイドラインなどに基づき改革プラン(2017~20年度)を策定。病床利用率を17年度の32%から20年度に70%に上げることなどを掲げた。この実現に向け、4月から一般病床を10床に削減し、07年度に廃止した療養病床を復活させる予定だった。ただ町は改革プラン実施にあたり、必要な看護師数を、看護師長のほか常勤看護師14人としているが現在は常勤が12人しかいない。

 昨年7月に2人が退職して以来、町はハローワークを通じて全道募集しているが補充できず、プランのスタートができない状態だ。同病院の佐々木淳事務長は「職員を通じて勧誘もしているが看護師不足を痛感している」と話す。

 同病院は今後、ナースバンクの登録も検討。新たな看護師が採用でき次第、病床の変更を行う予定だ。

さてこの問題ですが根底には見てわかる通り地方の看護師不足があります。看護師に限らないですが今後地方では高齢化への対応以外に不足する医療職にどう対応するかっていうのが本当に切実な問題として表面化してくるのは間違いないですね。

ちなみに和寒町律病院がどのような現状にあるのかがよくわかる資料もありましたので以下に提示しますね。町のHPからの引用です。

↓国民健康保険町立和寒病院改革プラン (平成 29 年度から平成 32 年度)

この中で個人的に気になるのは町立病院の沿革の部分の平成15年~19年の部分でしょうか。

平成15年一般病床 38 床を一般病床 15 床、療養病床 23 床とする

→平成 19 年 4 月 病床38床を8床減少し、一般病床 30 床とする

そして今回さらに30床を一般病床10床、療養病床20床に変更するとの変更・・・・

正直ここの部分ですが診療報酬の改定を受けてでしょうがやはり迷走しているような気がします。診療報酬の改定の方向性、さらには20年後の町の変化を予想し町立病院の在り方を真剣に考えた人は当時いたんでしょうかね??

「そんなの当時わかる訳ないし後出しジャンケンだろ?」って思う方いるかも知れませんが、そもそも病院の経営って設備投資、人的配置や投資も含め20年先まで考えていかないとできないようなものであることは確かです。

その時にきちんと方針を決めて粛々と準備をしていれば平成30年の現在困ることはなかったのではないかと思いますよ。

 

これからの地方は医師や看護師の医療職がどんどん加速して減少していく局面にはいります。その中で医療機関が生き残るためにはどうすべきか・・

えぇ、月並みですがやはり将来を予想して行動する医療機関が生き残るはずだと確信しています。これからは地方の医療機関がどうなるかは、本当に自治体なり病院のトップなりがどのようなビジョンをもって経営していくかによって大きく差がでてくるはずです。

 

あなたの街の自治体や病院は20年先を見据えて経営していますか?

よければご意見くださいね~

 

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