公開日:2018年05月20日

日本調剤グループが発表した「2030年に向けた長期ビジョンの策定について」をみると薬局の再編、淘汰はどんどん加速しそうですね。

こんにちは、本日は研修中の札幌の在宅医@今井です。

先日日本調剤グループが「2030年に向けた長期ビジョンの策定について」という資料を発表しましたね。日本最大の薬局グループがどう考えているのか興味がありましたのでちらっと資料みてみました。短いですので下に引用します。

まあ売上1兆円とかは頑張ってくださいねってかんじですが、中をみて少し気になったのはP5の調剤薬局の再編と淘汰がこれからどんどんすすみますよ~ってさらっと書いてますが既に予想していることですね。

確かにICTへの設備投資や遠隔服薬指導、在宅医療への土日含めた対応など小規模薬局さんでは難しい問題がこれからどんどん進んでいくのは確かです。

地域の小さな薬局さんは、厳しくなる条件から基準調剤加算の算定が不可能に→薬剤師さんへの条件も大手より厳しくなる→人手が集まらない→以下負のループ、ってなることを日本調剤は予想しているでしょうし、薬局さんの中でも少し先行きを気にする人であれば既にそう予想しているでしょう。

個人的には規模の大小にかかわらず熱心に対応してくれる薬局さんが地域に多く存在することがとても大事だと思っています。可能であればチェーン薬局さんと個人の味のある薬局さんとの”住み分け”が地域でうまくいくような施策が行われればいいのですが・・・どうなるでしょうかね。

薬剤師さんの皆さんはどう考えますか?よければ教えて下さい!

さて最後はそんな日本調剤グループの方がちょびっと経営の事について語っている記事みつけましたので紹介します。大手がどう考えてどう動いているのか知るのも大事ですよね。今日は本ブログ、日本調剤のアナウンスのためのブログとなっています!(^^)!

経営戦略がすなわち、働き方改革だ

コンビニエンスストアが全国に約5万店舗存在するのに対し、調剤薬局は約5万9000店舗。調剤薬局の数はコンビニエンスストアよりも多く、明らかに過当競争に陥っています。患者の満足度向上と薬剤師などの働き方改革を両立するという課題に、そうした環境のもとで向き合わなくてはなりません。

「組織は戦略に従う」。働き方改革に対する我々の考え方を一言でいえば、こうなります。

日本調剤は全国に調剤薬局をチェーン展開していますが、そのこと自体が効率化やタスクシェアリングの一環だと私は捉えています。一つの店舗や一人の人員がレセプトの扱いから税の申告、労務管理までのすべてを担うのではなく、チェーン化してそれぞれの業務を担う専門職を置く。店舗のチェーン化はその意味で、タスクシェアリングの一形態なのです。

ただし、チェーン化には二面性があり、オペレーションの効率を下げてしまう側面もあります。我々の例でいえば、北は稚内市から南は沖縄まで店舗が分散している。オペレーション上、非効率な部分がどうしても多くなるわけです。

そこで我々は20年以上前から、ICTの基幹システムを自社で開発してきました。このことが、オペレーションの効率改善、そして現場の働き方改革にもつながっている。ですから今この瞬間も、ICTは我々の業務に役立っていると言えます。

薬剤師の働き方をICTで見える化

ICT活用の一例として、我々の調剤薬局では、静脈認証などICTの仕組みを使って、入退出管理などの労務管理を行っています。誰が投薬を行ったのか、処方監査を行ったのかなどをICTで可視化する。それによって、例えばこの薬剤師はずっと調剤室にこもって作業している、といった偏りが見えてきます。薬剤師の業務を良い意味で均質化でき、全体の生産性が高まるのです。

残業時間がある水準を超えると、その店舗を担うエリアマネジャーに注意喚起が届く仕組みも導入しました。オペレーションを効率化しつつ、同時にそこに潜むリスクも抑えたいと考えているのです。

薬剤師の作業そのものの生産性も、まだまだ向上の余地があります。例えば、我々は電子薬歴を音声で入力できるシステムを10年ほど前から開発しており、やってみると驚くほどスピーディーに入力できることが分かりました。患者1人当たりにすれば数分の作業ですが、こうしたところへの投資も惜しみません。調剤作業そのものを機械化できる可能性もある。これには、システム当たり高級車1台分といった投資が必要になりそうですけれども。

経営の視点から見ると、マネジメント教育、管理会計やプレゼンがきちんとできる人材の育成も大切な要素です。これからも経営戦略と現場の発想という両輪で、働き方改革を進めていきます。