公開日:2018年05月14日

認知症患者さんの自己決定権について【本人の意思は尊重されなくてよいのか?】

こんにちは、認知症患者さんも外来や在宅で診ている札幌の在宅医@今井です。

 

先日からとなる認知症患者さん夫婦をめぐってどたばたと動きがありました。その中で認知症患者さんの自己決定権についてどうなんだろ?と思うことがありましたので少し紹介したいと思います。

患者さん:自宅にいたい、でもADLはほぼ全介助、意思はしっかりしているが短期記憶障害あり

配偶者:アルツハイマー型認知症あり。生活はほぼ全介助が必要

御家族:生活支援をできる範囲でおこなっている。

ってい状況でほぼほぼ介護保険を全使用しながらなんとか生活されていました。

そんな中キーパーソンの家族の方が病気で入院・・・帰るまで2か月くらいかかりそうな状況となりました。

 

ケアマネさんの言い分としてはこのまま自宅で二人で生活させるのは厳しいから老健にでもショートにいれましょう!とのこと・・・・

正直自分としては

①何が問題であるか明確ではない

②何となく難しいのではないか、という不安から施設に入れるのは間違っている

③そもそも本人は絶対行きたくないと言っている

などの理由からまずは考えるべきは新たにキーパーソンがいない中での自宅での生活支援をどうするか、ということで不安だから→ショートステイっていうのは反対していました。

 

結局家族の方も病院先から電話で「不安だからショートに行ってくれ!」とのことで一度はショートに行くことで送り出しましたが・・・・えぇ、その日の内に不穏になって帰ってくることになりました。

件のケアマネさんからは「不穏ですので何とか薬でおちつかせてもらえませんか?」と相談ありましたが

これって虐待なんじゃないでしょうかね?

(つーか不穏じゃなくて心底嫌がっているだけですよね?)

 

認知症患者さんが自宅で暮らしたい、でも何かよくわからないけど不安だ、認知症があるから自己決定できない、クスリで判断力を落とさせて施設にいれてくれ、などなど・・・・・

こんなことって今日本全国で表にでてこないだけでかなりの件数があるのではないでしょうね。認知症患者さんが自分らしく生きたいと思う、人生の自己決定権・・・誰が奪う事ができるのでしょうか?

皆さんのまわりで同じようなことありませんか?良ければ教えてください。

 

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