公開日:2018年05月13日

施設併設の看護小規模多機能の限界【そもそもカンタキと言えるのか?】

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

久々に土日と休みだったので家族とゆっくり時間を使っていました。やっぱり臨床から離れてリフレッシュする時間てすごい大事ですね~、実感しましたよ。

看護小規模多機能について

さて上記に書いたように今回は看護小規模多機能(以下カンタキで)について諸々書いていきたいと思います。

そもそもカンタキってなんなの?って思われる方いると思いますのでその特徴を以下に簡単に書きだしてみたいと思います。

○訪問、通所、ショートステイを包括の中で利用できる

○通常の小規模多機能と違い看護師がいるので重症度の高い疾患の患者さんにも対応できる(医療処置が対応可能)

○点数的にはかなり高額となり介護保険の点数をほぼ使用するが、基本的にはその中でサービスがほぼ完結するため利用者さんにとっては金額的にも理解しやすく有り難いシステム

 

とまあ簡単に書けばこんな感じになります。基本的には在宅の患者さんをバックアップするために利用されることが多いですが、最近は施設併設型のカンタキが増えてきています。

施設併設のカンタキの問題点

さて厚生省の資料で以下を確認してみてください。平成29年3月末の看護小規模多機能の市町村別の事業所数です。

どの市町村もほぼほぼ1桁の事業所ですが、札幌のみ・・・20事業所もあります!!

えぇ、これらの事業所ですがほぼほぼサ高住に併設される形のカンタキで、実際の在宅をきちンとバックアップするようなまっとうな形で運営している所ってホサナの一木先生のところくらいなんじゃないでしょうか?

さてこれらの住宅併設型のカンタキの問題点ですが以下のようになります。

○従来のショウタキと異なり医療処置ができるはず、重症者を診れるはずなのにできない

○土日や夜間の24時間対応ができない

○通いや訪問も患者さんの必要性に応じ、ではなく事業者の人員の都合で行われる

○利用者や家族がカンタキとはなんぞや?と知らないまま利用していることがよくある

などとなります。

それってそもそもカンタキと言えるのか?

と言う訳でそんな問題点を内包した施設併設のカンタキですが、

本来のカンタキとは全くの別物

です。なので入居者家族の方は患者さんの体調変化が起きたときに

「なんでカンタキなのにこんなことになるの?」

「医療ってどうなっていたの?」

って思われます。当然っちゃ当然ですよね。

となるとどうなるか・・・・・そうですね、一番最初のクレームが来るのがまずは在宅医ってことがよくあるんです。

医師がきちんとしていないからだ、きちんと診ていなかったんでしょ?何をしていたんだetc・・・

 

そんな経験が続いていたので当院はあんまりカンタキ併設の施設には出入りしなくなりました。

 

まとめ

○看護小規模多機能は基本的には重症者を診れるし医療処置もきちんと対応できる介護保険のサービス

○ただ札幌では施設併設型のカンタキが多く、そんなところは本来のカンタキとは違うサービスとなっていることが多い

○患者さん家族の希望と異なるサービスってこと結構ありますのでよくよく利用される方は注意してくださいね。

 

と簡単にカンタキについてまとめましたが皆さんご意見はいかがですか?良ければ教えてくださいね~

 

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