公開日:2018年03月01日

合計特殊出生率1.05の衝撃!!韓国は日本を遥かに凌駕する人口動態の変化にどう対応するのか?

こんにちは、本日は大雪の中札幌で訪問診療中の在宅医@今井です。

これからの日本の社会保障体制に人口構成や高齢化率の変化がどう影響を与えるか、やっぱり医療関係者ならすごい興味ありますよね・・・

と思って本日ぱらぱらニュースみていたら韓国の出生率についても記事がでていました。この内容、というか数字が自分はとても驚愕でした。少しこの記事を読んで韓国の人口構成や出生率の変化に関連する情報を諸々まとめてみたいと思います。お隣の国ですし、どう変化が起きているのか、これからどうなるのかは興味ありますよね~

 

合計特殊出生率1.05!!

まずは記事からご紹介です。朝鮮日報からの引用です。

韓国の出生率、過去最低「1.05人」=経済・社会不安が影響

韓国で昨年生まれた子どもの数が初めて40万人を下回り、合計特殊出生率が過去最低の1.05人を記録した。

統計庁が28日に発表した「2017年出生・死亡統計暫定結果」によると、昨年の合計特殊出生率は1.05人で、これまでの最低値だった05年の1.08人を下回った。合計特殊出生率とは、出産可能とされる15歳から49歳までの女性が産む子どもの数を意味する。これまでの人口を維持するには、合計特殊出生率が2.1人以上必要だ。

合計特殊出生率1.05人は、経済協力開発機構(OECD)35カ国の平均(1.68人・15年基準)を大幅に下回っているだけでなく、少子化が進んでいると言われる日本(1.46人)やシンガポール(1.24人)よりも低い数値だ。台湾(10年0.89人)と香港を除き、世界で1.05人を記録した国は韓国が唯一だ。韓国の合計特殊出生率は05年に1.08人と最低を記録したが、政府の少子化対策などが打ち出されて以降はやや改善し、これまで1.1-1.2人台を行き来していた。晩婚化などで少子化が深刻化し、ついに現在の人口を維持できる数値2.1人の半分まで下がったものだ。

問題は、出産可能とされる女性の人口減少と高齢出産が重なり、新生児の減少が加速していることだ。昨年の出生児は35万7700人にとどまり、02年から続いてきた「40万人台」とされる「最終防衛ライン」を15年ぶりに切った。40万人を切ったのは統計作成が開始された1970年以降で初めてで、これまでの最低だった16年(40万6200人)に比べて11%も減少している。統計庁のイ・ジヨン課長は「青年失業・不況・住宅価格上昇など経済的要因のほか、北朝鮮の核危機、大統領弾劾など16年以降に発生した社会的不安要因が第二子以降の出産に影響を与えているものと見られる」と語った。

一方、高齢化の影響で昨年の死亡者数(28万5600人)は1983年の統計開始以降で最多となった。その結果、昨年の自然増加人口(出生児数から死亡者数を引いた数字)は7万2000人で、統計作成開始の1970年以降で最も低かった。

特に、昨年12月は出生児数よりも死亡者数の方が多く、月別で人口が初めて自然減少した。

専門家は、出生率1.05人を「予想されたショック」として受け止めながらも、状況改善は容易でないと見ている。ソウル大学保健大学院のチョ・ヨンテ教授(人口学専攻)は「6・25戦争(朝鮮戦争)中でも年に50万人以上が出生したが、出生児がこれほど急激に減少した事例はほとんどない。青年失業や晩婚化などで少子化が定着したため、出生児数40万人台回復の可能性はないものと見られる」と話している。



合計特殊出生率1.05!!!

あまりの低さに目を疑ってしまいました。俺の目間違ってないよなぁって・・・日本もそんなに高い訳ではないですが、それでもこれはぶっちぎりの数ですよね。そんじゃ日本はどの程度なのかなと気になったので各国の合計特殊出生率ちょびっと調べてみました。

各国の合計特殊出生率はどの程度か?

ということで以下に図として引用します。(世界銀行の統計を使用)

2000~2015年にかけての欧米諸国と東アジアの国の合計特殊出生率

2015年の結果ですが上から

フランス 2.01人

アメリカ 1.84人

イギリス 1.81人

中国   1.61人

ドイツ  1.5 人

日本   1.46人

韓国   1.23人

となっています。うーん、他の国と比較しても日本と韓国の低下は著しいですね。ちなみに2017年の日本の合計特殊出生率は1.44人でした。では次からは日韓両国のそれ以外のデータを比較してみてみたいと思います。

その他のデータ:日本と韓国の比較

その他のデータ何かないかなと思いネット探してみると、金明中さんのコラムに詳しく色々書かれていました。内容も面白かったので是非興味ある方には読んで頂きたいですが、そこから理解しやすく図のみ引用させてもらいます。

まずは両国の合計特殊出生率の動向です

次に両国の初婚年齢や生涯未婚率の動向

そして日韓の高齢化率の推移がこちら

最後が現役世代と高齢者の人数の比率ですね

 

となっています。両国ともに少子高齢化へ一直線であることには差異はないですが、生涯未婚率に限って言うと韓国は圧倒的に低いんですね。

韓国のデータで気になった点

この中で個人的にすごい興味深いと感じたのは2020年から2040年までの韓国の変化ですね。

韓国

高齢者を支える現役世代の比率  4.5→1.8

高齢化率            15.7→32.3

ちなみに比較のために日本も抜粋すると

日本 

高齢者を支える現役世代の比率  2.0→1.5

高齢化率            29.1→36.1

 

皆さんはこれをみてどう感じましたか?

自分はお隣の国(韓国)はこの圧倒的な社会情勢の変化スピードにどう対応するのかな?っていう点がものすごく気になりました。確かに数字でみれば日本の方が高齢化率が高かったり現役世代が支える割合が高かったりしていますが、日本が30~40年かけて変化してきた社会の変化を韓国はこの20年ばかりで圧縮して体験することになります。

しかも韓国の人口は日本の1/3程度ですので(約5000万人)、その変化がもたらす影響も日本より如実に社会に反映されると思っています。ものすごい社会的なインパクトがあるのは間違いないです

韓国はこの変化にどう対応していくのか

同じ東アジアの国として韓国がどう対応していくのか興味深いですね。社会保障の面では日本と同じように地域包括ケアの道に進むのかどうか、介護保険の制度はどうなるのか、人口減への対策としては女性の社会進出を推進するのかそれとも出生率を上げる政策をとるのか、はたまた抜本的な人口減少対策として積極的な移民政策など他の道を模索するのかなどなど・・・・興味のある内容は山ほどありますね。

いずれにせよ日本より考える時間、国民的な合意を得る時間がかなり限られている中どのような対策を考え行っていくのか、注視していきたいと考えています。

 

皆さんはこの記事や図をみて何かご意見ありますか?また気になる点などありますか?よかったらご意見くださいね~

 

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