本当に現場は大丈夫でしょうか???人生の最終段階における意思決定ガイドラインを読んで

こんにちは、札幌で在宅での緩和ケア&看取りをしている医師@今井です。

今日は本当にこれ順守するとしたら現場はどうなるの?と疑問がでたため諸々書いていきたいと思います。

先日厚生省の第4回人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会において人生の最終段階における医療の決定プロセスにおけるガイドラインが提案されました。パブコメ募集中ですので多分有識者の方はコメントだすと思いますが、自分はこのブログであれ?っと思った疑問点を書いていきたいと思います。

まずは皆さん原文を確認ください

まあ諸々書いてありますが要点をまとめていきたいと思います。

医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて患者が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行う

②患者が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、
患者が信頼できる家族等も含めて話し合いが繰り返し行われることが重要

③患者は特定の家族等を自らの意思を推定する者として前もって定めておくことが望ましい

④患者の意思は変化しうるものであることを踏まえ、時間の経過、病状の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行うこと

⑤話した内容はその都度文章として残す

⑥医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和すること

⑦家族等の中で意見がまとまらない場合や、医療従事者・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療内容についての合意が得られない場合等については、複数の専門家からなる委員会話し合いの場を別途設置し、医療・
ケアチーム以外の者を加えて、治療方針等についての検討及び助言を行うことが必要である。

 

以下自分の疑問

①家族や多職種が繰り返し集まる時間は現場にあるのでしょうか?今でも担当者会議に集まるのもやっとこさって感じですのに、これ以上意思決定のプロセスまでに医師や看護師の他ケアマネさんやヘルパーさん、はたまた薬剤師さんなどが参加する余裕はあるのでしょうか?しない、もしくはできなかった場合、家族が納得しない看取りが起きた時に意思決定プロセスに問題ありとのことで医療訴訟などにならないでしょうか?

②都度文章に残すと書いてあるが誰が残すのでしょうか?参加した職種全員?基本的にこの意思決定プロセスは医師の医療的助言に基づき多職種で決めるということになっているため記録は全職種が残す必要があるのでしょうか?書類作成にさらに時間が必要となり無駄が多いです

③繰り返し話すプロセスも多職種ででしょうか?医療現場では阿吽の呼吸で意思決定がくだされることも少なくありません。医師ー患者ー家族関係をガイドラインのせいでより画一的な、密度の薄いものなってしまわないでしょうか?余白は必要なような気がします

④多職種の専門家による委員会とは誰が設置するのでしょうか?またその費用や人員はどうするのでしょうか?家族間で意見が割れる事はまあ稀ですが年1~2例くらいあります。具体的な方法を提示してください。

 

などでしょうか。自分は決してガイドラインを規定することは悪いことではないと思いますが診療報酬上も必須の項目として無理を強いるのは間違っていると思いますが皆さんはどう考えますか?

多職種が本当に毎回集まれるの?

現場に過度の負担を強いませんか?

無駄が多くないですか?

医師患者関係を型にはめていませんか?

 

せめてガイドライン導入するならそれこそオンラインカンファ可、音声や映像での記録可、例外も当然可、委員会の設置は国や都道府県の義務で、というくらいしなければ医療介護者の負担も大きいですし何かあった時に訴えられることはあり得るのではないかと危惧します。

在宅での看取りはたしかに素晴らしいですが、これからは残念ながら望まない在宅介護や看取りも発生しうるかと思います。看取りの前後では感情がどちらにでも揺らぎます。むしろそれが普通です。その時に望まない医療を強いられたと医療者に感情の矛先が向かう可能性はないでしょうか???

 

本当にこのガイドラインで患者さんの権利、利益と医療者の保護ができるでしょうか???自分にはそうは思えませんが皆さんはどう考えますか?

他に何かいい案がないかどうか考えて、そしてよかったら皆さんのご意見を教えてください。お待ちしています。



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