公開日:2018年01月26日

診療報酬改定によりケアマネさんと薬剤師さんの業務がこんなに変わる!!在宅医の立場から考察してみた

こんにちは、他職種連携在宅医@今井です。

本日は今回の診療報酬改定がケアマネさんと薬剤師さんの業務にどのような影響を及ぼすのか、在宅医の立場から考えてみたいと思います。あくまで在宅医からみた関連する業務に関してのみですのでその点は留意してください。

 

まずはケアマネさんから

1入院時の連携と退院時の連携の頻度と密度の増加。おそらく退院時共同指導カンファレンスは増加する

入院側の医療機関でも入院支援加算ができたためおそらく積極的にケアマネさんとの連携を図ろうとするでしょう。そのために入院時にも病院MSWや看護師との連携の必要性がでてきます。また地域包括ケア病棟にも在宅からの受け入れが必要になったこと、またその病棟から在宅への復帰が必要とされていること、緩和ケア病棟からの在宅復帰割合も条件に入ったためおそらくそれらの病棟からの退院調整の業務が増えることが予想されます。

 

2在宅医の施設への訪問診療中止に伴い、施設入所者の医療的なマネジメントも求められてくる

施設への訪問診療が壊滅的になりそうです。その影響で施設入所している患者さんのケアマネジメントが難しくなるでしょう。病院や診療所への通院対応をどうするかも大きな問題ですし、何より訪問診療中止により医療の24時間対応がなくなったため緊急時対応の増加が予想されます。後述しますが薬剤師さんとの関わりの再考など施設入居者さんの医療的マネジメントをどう行っていくか、という視点もケアマネさんに求められてくるでしょう。訪問看護をどう利用するのかも大事な検討事項の一つとなるでしょう。ここは医療者への個人的な伝手をどのくらいもっているかが問われるかも知れませんね。

 

3終末期患者への積極的な関わりが求められる

終末期に関してはケアプランの簡素化が認められましたが、これからは主治医とのより密接な関係が求められるでしょう。緩和ケア病棟から退院してくる患者が増加するのでその対応、月2の在宅時医学総合管理料が認められるようなケアマネジメントの仕方や主治医意見書の対応ももしかしたら求められるかも知れません。このマネジメントをするには主治医との連携が必須となってきます。

 

結論

上記のような状況を考えると今後ケアマネはより医療職との連携を求められてくる。具体的には在宅医のみならず病院の医師、MSW、退院調整看護師、薬剤師、訪問看護師とやり取りする機会が増えるだろう。この時にやっぱりきちんと腹を割って医療職と話せる、医療職の考えを理解しているケアマネさんは強みあるでしょうね・・・・

 

薬剤師さんはどうなるかな、以下考察

1地域支援対応加算のため24時間対応は準備はするけれどそこまで求められないのでは?ただ夜間や休日の実績対応をどうするのか・・・

地域支援対応加算が創設されました。24時間体制での調剤対応と服薬管理が求められていますが実質在宅医がそのような求めを行うことはほぼ99%ないのではないかと考えています。夜間に調剤がどうしても必要になるのは鎮痛のための麻薬ぐらいですが、必要になるものはおそらく事前に処方しているクリニックがほとんどだと思います。CAD導入も夜間はアンペックなどでしのぐでしょうからおそらくないでしょう。(ここは在宅医の考えにもよりますが)ただこの加算を算定するためには相当の実績基準が求められますので、そこの実績をどう満たすかは要検討でしょう。特に薬剤師一人当たりの夜間休日等の対応実績はどうするかは難しい問題でしょう。

ということでここでは24時間調剤対応の手順を確認するくらいで実際の業務には大きく影響はないのではないか、ただ実績対応についてはどうするか要検討だと考えます。

 

2ケアマネさんの項目と同じですが施設訪問診療の中止により施設での服薬管理と調整の仕方の検討が必要となる。どの職種と連携するかきちんと考慮が必要に

施設訪問診療の中止に伴い、施設に出入りしている薬局さんでは施設入所者の薬剤の管理や調整をどうするのかの再考が必要でしょう。今までは訪問医に確認できていたもの(もしくはあとでOKもらっていたこと)も通院対応に切り替わっていた場合、外来主治医への疑義紹介のハードルも高くなるのではないかと思いますし細かな調整もやりづらくなるでしょう。服薬管理をどうしていくのか、また問題が起きたときに主治医に聞くのか、それとも施設管理者と相談するのか、それとも便秘などの簡易や調整であれば訪問看護と相談するのか、それとも自分で判断してこうどうするのか微妙な判断が求められてくるでしょう。施設の服薬管理、おそらくは最初の本格的な薬剤師さんの対人業務の場となるのではないかと考えています。

 

3緩和ケア領域への積極的な介入が求められる

緩和ケア病棟の在宅復帰条件、待機日数制限の問題から必ず緩和ケア病棟側では在宅もしくは外来に条件に合わない患者さんを帰してくると思います。(本当はそんなネガティブな選択ではなく自宅で過ごしたい患者さんを帰してほしいのですが、まあ実際そうなるでしょう)

中心静脈栄養の管理、褥瘡のためや栄養管理のための物販管理、無菌調剤の必要など緩和領域への関わりは増えこそすれ減ることは絶対ないと思います。その時に何が患者さんのためにできるのか、どう他職種へ薬剤師の仕事を理解してもらうのか、非常に重要な段階だと個人的には考えています。薬剤師の皆さん準備できていますか?在宅医や訪問看護師は皆さんの全面的な参加をおまちしていますよ!(^^)!

 

4月に1回の訪問診療の増加、及び外来での分割調剤の機会の増加の結果、よりフィジカルアセスメントと他職種へのフィードバックが求められるようになる

訪問診療が月2の要件が厳しくなった結果月1の訪問診療が増えるでしょう。診療の間隔があくため薬剤のモニタリングなどは薬剤師さんの重要な仕事になります。どうしていくか薬局ごとの検討が必要でしょう。また条件付きながら分割調剤が認められたため薬剤師さんが外来通院患者さんの身体状況、服薬状況などの評価をする機会及び重要性が増してくるのは間違いありません。

結論

より患者さんのトータルマネジメントを薬の管理と副作用の評価を通して求められてくる。また緩和ケア領域への関わりも必須でしょう。24時間調剤の必要性は今は低いですが、次回以降の改定も考えるとその準備には取り掛かる必要がありそうです。何より対人業務が本格的に求められるのが一番のポイントとみています。

 

 

 

どうでしょうか。今井が予想するケアマネさんと薬剤師さんの仕事内容の変化はこのようになると思います。皆さんはどう考えますか?意見があれば是非教えてください。

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