独居が寂しいなんて言わせない!!一人だろうがなんだろうが希望するなら自宅で過ごせますよ。
こんにちは、空き時間を利用してブログ書いている在宅医募集中の診療所医師@今井です。
在宅医療を行っていると独居の患者さんを結構見かけます。というかよくそんな状態でも一人でよく暮らされていますね、っこともままありますよね。重度な肺気腫でぜいぜい息切れし苦しそうな呼吸してても、癌の緩和ケアの最中であっても、はたまた認知症で金銭管理が怪しかろうとも、皆さんつらいともいわずに楽しそうに一人で生活されていますよね。
そんな時皆さんこう思っていませんか?
「施設でも入った方が幸せだろうに・・・」
って・・・・
他の訪問先の家庭では夫婦がいて、お子さんがいて、はたまたお手伝いさんがいることもあるかもしれません。場合によってはお孫さんが介護していることもあるでしょう。
そんなご家庭をみていると「なんでこの人はつらいながらも一人で暮らしているんだろう」って考えてしまいませんか?無意識かも知れませんがどこかで介護者がいる家庭と比べてしまっていることありませんか?
なんでこんなこと書いているかというと、かつて僕もそう考えていた、感じていた時期があるからです。(え?お前だけだよっ、ていうのはなしでお願いします)
でも実は違うんです。
僕はあるときからそれとなく独居の患者さんに「一人でもさみしいことないかな?」って軽く聞いているようにしていたんですが8割くらいの患者さんは
「全然さみしくない」
「誰もいないから気を遣わなくて一番いい」
「このまま一人で生活したい」
っておっしゃるんですよ。皆さん人と会うのは訪問してくる医師や看護師、あとはたまにくるヘルパーさんやケアマネさんだけですが、それで世界が完結しているのか全然寂しいって感じないみたいなんです。
そんな聞き取りを続けているうちに、自分は気がつくことができました。
「寂しいだろう思うのは、勝手に自分の状況と比較しているからなんだ」「無意識に自分の環境や自分がみてきた患者さん家族が普通だと思って、そのイメージをを押しつけていた・・・自分のエゴだったんだ」
ってことです。
多くの関わりがある中で自宅に帰って一人であれば孤独も感じるでしょう。しかし普段から限られた人間関係の中で生活されている患者さんであれば、たとえ独居であったとしても相対的に孤独は感じていないんだなってこの数年でよく理解したような気がします。
つまり何がいいたいかってことですが、例えば自分が今幸せかどうかってことはこれは完全に主観的な感覚であることを皆さん理解していると思うのですが、独居が孤独と感じるかどうかっていうこと、これもその人の感覚の問題なんです。
自分達医療介護者は「一人だと寂しいだろうな」って勝手に思っていたり場合によっては「一人で生活するより施設に入った方が幸せなんじゃないあかないかな」「できないことが多いと大変だろう」とかって考えがちですがそんなことはないと言うこと、改めて思い出す必要があるのかと思います。
在宅医療はその人の医療的、介護的状況だけじゃなく心情もくみ取って何がベストなのか考えることが大事かと思います。
病院勤務の皆さん・・・
<独居だから> <介護者がいないから>
っていう理由だけでその人が本当に帰りたいと思っている自宅、生活の場を取り上げないでくださいね。
在宅で独居だから帰せない、って言われたことへのアンチテーゼでした・・・独居の生活バンザーイ!!ちゃんちゃん